井上陽水
井上陽水(JPN)
#104 / 断絶 / 1972
★★★★★★

ギターに興味を持ち始めたのは中学3年生でした。同級生のT谷君がすでにギターを弾いていて結構な衝撃を受けたんだと思う。というか元をたどればそのT谷君の兄貴の影響が大きかった。中学の何かのイベントで弾き語りをしていたのがカッコよかった。そもそも井上陽水とBOB DYLANはこのラインから聴くようになったのさ。洋楽アイドルバンド(KISSやQUEEN)は単純に好きで聴き始めた(高校でバンドを組むなんて思ってなかった)けど、フォークソングはギターを弾くために聴き始めた気がする。たぶんそれまでは、泉谷しげるとかなぎらけんいちの面白ソングくらいしか知らなかったよね。あと“金太の大冒険”とか。陽水のコピーと言っても「完コピ」ではなく専ら簡易コードバージョンで弾いてただけでした。それでもギターを弾き始めたばかりだから、変なコードが出てくると苦戦してましたな…
#105 / 陽水Ⅱセンチメンタル / 1972
★★★★★★

最初に買ったフォーク・ギターは通販で確か「アグネス」とかいう商品名だった気がするが、これがどうにもこうにもひどい代物だった。ショートスケールで全体的にベニア板みたいで、チューニングすらままならない。ペグを回すとミシミシ音がする。まあそれでもチューニングを合わせられればいいのだが…とにかく合わなかったね。5弦を合わせるじゃん、で4弦を合わせるじゃん、すると5弦が狂ってる。また5弦を合わせるじゃん、今度は4弦が狂ってる。もうエンドレス。ロック式じゃねえっつーの!初心者にはキツイ体験でしたね。そういうもんだと思っちゃうじゃんか。そこで間もなくYAMAHAの2万円の機種を1万円で買って…なんだよ、チューニング簡単じゃんか、みたいな。
#106 / 氷の世界 / 1973
★★★★★★

高校入学後もしばらくは当初の目標どおりフォークをやってたんだよね。フォーク部ってのに一応入りました。ちなみにこのフォーク部にはT谷君の兄貴も所属してた。ところがロックばっかでフォークなんて居やしねえ。ほぼバンドばかりなんだよ。結局フォーク部では数日過ごしただけで、同じクラスのT君とフォークデュオなんぞを細々とやってたところへ「ロック愛好会」からオファーが。師匠も1年9組だったけど、群馬から越県で来てたから全く接点がなく入学当初はほぼ喋らなかったと思う。ただ教室の後ろにエレキのハードケースを置いていたのが気になってはいた。まあそれが後に自分のところにまわってくるGRECO EG-900なんだけどね。どのタイミングで話すようになったのか記憶にないのだが…とにかく誘われたんだな。フォークで歌ってたから?
#107 / 二色の独楽 / 1974
★★★★★★

BOW WOWのコピーなんだけどヴォーカルやらない?と言ってきたのが師匠だったか2ndギタリストのA君だったか覚えてないけど、とにかくそれがきっかけで高校~大学~その後とロック三昧な日々に突入することになったわけです。というわけで全くアルバムのレビューになったないね。まあいいか。つまりすべての始まりは陽水といっても過言ではないということです。世代がもうチョイ上だと岡林信康とか、同世代でも吉田拓郎とかいろいろあるんだけど、強いて言うなら私は陽水派。ギターを弾き始めてなければバンドに入ることも無かったわけだ。まあ人生そういうものだね。今思えばってことの積み重ねで成り立ってるから面白い。やっぱり年に何回かは同級生に会って昔話に花を咲かせたいね。曖昧になってる記憶を補完し合ってるうちに「そうだったのか!」ということがあったりすると一瞬でも青春時代に戻った気がするね。
#108 / 招待状のないショー / 1976
★★★★★★

さてそろそろレビューしないと。ちなみに「断絶」「陽水Ⅱセンチメンタル」「氷の世界」「二色の独楽」は4枚組の廉価版で購入したのね。値段は書いてないけど1987年の復刻版とのこと。忘れもしません。高崎の新星堂でみつけて即買いしたのでした。当時はT谷君に録ってもらったカセットテープですね。しかも全アルバムは持ってなかった。まあアルバム毎の収録曲等は省略しますが…当時はスコア…というほどのモノではなく歌詞とギターコードが載ってるだけの安い歌本がたくさん出版されていて、上記4枚もフォーライフからリリースされたこのアルバムの曲もすべて載ってました。いい時代でしたね。ミュージシャンの数が少なかったからかもしれませんが、「この人のがほしい」と思ってレコード屋さんや楽器屋さんに行くとたいていあったものでした。「ソングノート」シリーズとか…結局アルバムの内容には触れず(笑) ★の数で判断して頂きたい!全部好きっス。
#450 / もどり道 / 1973
★★★★★

代表曲目白押しの実況録音盤。
未だ現役なのは実に喜ばしいことだけど、ニューミュージックを歌う陽水にほぼ興味は無いのね。
この時代は基本フォークギターで弾き語り。
バックバンドとのフォークロック路線もロックスピリッツがあって良い。
曲間の語りは声が小さすぎてヴォリューム上げないと聞こえないけど、これまたこの時代の陽水らしく微笑ましいのでした。
陽水のライブはコレで決まりだ!
#547 / 東京ワシントンクラブ / 1976
★★★★★★

録音してもらったカセットテープすら残ってないのが残念。CD化を熱望します!どうしてもダメなら中古レコードを買うからCD化しないなら「しない!」と誰か断言してほしい。1曲目「氷の世界」のイントロは「迷信」がヒントになり3曲目「御免」は三茶のアパートに友だちが来た時の歌で4曲目「小春おばさん」の正体はみどりおばさんだそうで6曲目「東京ワシントンクラブ」は宅録で8曲目「子供への唄」はほとんど記憶がなく9曲目「心もよう」はもともとベッツィ&クリスのために書いた曲…付き合ってた女性のことを歌った実話だそうで11曲目「夜のバス」はそのまんま帰宅途中のバスの中で作ったそうです。5曲目「あかずの踏切'76」は第3のヴァージョンで素敵。個人的には一番好きだな。4曲目5曲目(6曲目)以外はliveという変則盤でした。6曲目の歌詞ニューヨーク、ペキン、パリ、チリはPUFFY誕生でペキン、ベルリン、ダブリン、リベリアに生まれ変わった!?
#700 / 陽水生誕 / 1975
★★★★★★★

帯にあるようにアンドレカンドレ~井上陽水という時代に焦点を当てた貴重盤にして個人的にも懐かしさ大爆発音源です。勘違いを招くタイトルですがデビューアルバムじゃありませんよ。インディーズ盤で1か月くらいしか店頭になかったらしいけど、熱心な陽水ファンである友人の兄(戸谷爺)は当然の如く購入しており、カセットテープに録音してもらって聴きまくることができたのでした。フォークギターを弾き始めた頃でもあったのでとにかくよく聴いたね。歌詞とギターコードのみの本(スコアと呼べる代物ではない安価な歌本「ちなみに当時買ったうちの1冊は、ドレミ楽譜出版社 ソングノート 昭和52年9月5日発行」がアーチスト単位で当時の楽器屋さんでは普通に売られてました)を買ってほぼ全曲練習したからよ~く覚えてます。陽水本人はリリースを承諾していなかったらしいので今後もCD化は無いだろうと思いカセット音源を一応MP3にしました。(後にオークションでレコードを落札)収録内容はA面がアンドレカンドレの曲。B面には隠れ名曲の“窓を開けろ”を筆頭にギター1本の“神無月にかこまれて”などバージョン違いの既発曲(今で言うところのデモVer.に近く歌詞も違うのね)とビートルズのカバー(要らなかった!)を含むライブ音源という変則的な構成になっております。
#777 / GOOD PAGES / 1975
★★★★★

シングル曲の“闇夜の国から/いつもと違った春”と同じく“夢の中へ/いつのまにか少女は”の4曲+『断絶』と『センチメンタル』から選曲された8曲で編集されたフォーライフ移籍の節目となる初ベストアルバムです。未CD化のはずですが…今後もCD化は無いでしょうな。今では何らかの形で聴くことができる音源ばかりだしね。ちなみに陽水本人がこの頃の音源CD化を拒絶している節もあるのね。過去に無許可でリリースされた苦い経験がそうさせるのか!? その無許可発売速攻回収の『陽水生誕』とか『東京ワシントンクラブ』とかCD化を熱望するファンは多いのに。そろそろいいじゃないすか陽水先生!さて、陽水に入れ込んでいたのは大麻事件前の4曲EPまで。“夏願望”とか“子供への唄”が入ってるやつね。別にマリファナ云々で遠ざかった訳じゃないよ。陽水の音楽性が変わったことも原因のひとつではあるけど…単純に自分の音楽の嗜好がハードロックに移行したからなんだね。まあ全ては「ヤングジョッキー」の影響ですよ。当時のハードロックはそりゃあもう魅力的だった!
#901 / GOLDEN BEST / 1999
★★★★★

もちろん古い曲目当てで買ったものではありません。LPとCD合わせてアンドレ・カンドレ時代から「招待状のないショー」まで持ってるからね。ライブ盤やベスト盤や「東京ワシントンクラブ」のような変則盤も。がっつり聴いた陽水はそこまでなのさ。そこまでが好きなんだよ。だから、その後のヒット曲及び数少ない知ってる曲目当てに購入したのがコレ。しかも中古盤の値下がりを待ってからの…。2枚組だよ。有名曲やシングル曲でお腹一杯です。ほぼ聴いていない時代の曲が網羅されててありがたいね。CMなんかでもよく使われてるからサビメロは知ってるけどフルコーラスで聴くのは初めてってのが多い。“最後のニュース”はずっと聴きたかった。好きな時代の、テープから煙が出るくらい聴いた時代の曲がこれら新しめの曲に混じっているのが意外と新鮮だったりする。終盤に登場する“帰れない二人”と“人生が二度あれば”は最高だね。
#902 / GOLDEN BAD / 2000
★★★★

シングルB面やアルバム曲の裏ベスト。もちろん「GOLDEN BEST」と同時購入ですな。ご覧のとおりジャケも「GOLDEN…」の反転写真を使用。タイトルに偽りなし(笑)のなかなかBADな内容だぜ!ふざけた感じの作品が選ばれてるね。陽水の逮捕があり…いつの間にかニューミュージックに括られて…時期を同じくしてなんとなく聴かなくなったんだな~。お得意の言葉遊びにも限度があるんじゃないかと。“ジェラシー”がリーダートラックの「あやしい夜をまって」に収録されていた“My House”と“Yellow Night”だけは懐かしかった。たまたまエアチェックして知っていた2曲でよく聴いてました。想い出はさておき曲自体もインパクトがあって良い出来だと思います。この2曲があったからなんとか★4つ。
#1382 / シングル・コレクション / 1987
★★★★★

フォーライフ設立前のポリドール時代(72年~75年)の全シングルをまとめたベスト盤です。ありがたいのはアルバム未収録の“夢の中へ”と“いつのまにか少女は”と“闇夜の国から”と“いつもと違った春”の4曲ということになる。今では様々なベスト盤が出てるのでその気になれば聴けるものばかりだけどね、リリース順に聴けるのは結構楽しめる。この時代は元モップスの星勝が13曲で編曲を担当。ザ・ピーナッツの“情熱の砂漠”やRCサクセションの“スローバラード”も手掛けた人です。あらためて聴いてみると、定番中の定番だったりする“夢の中へ”のアコギのかっこよさとか、あまり注目していなかった“旅から旅”の歌詞の有り得ないほどのしつこさ(笑)とか、再発見することが少なからずあって面白い。個人的には10枚目のマキシシングル「夏願望」までを、レーベルの垣根を越えて収録してくれたら究極のシングルコレクションだったけどね。「夏願望」を全曲収録したシングルベストを願望します。