RICK DERRINGER
RICK DERRINGER (US/米)
#1032 / ALL AMERICAN BOY / 1973
★★★★
佳作ファーストソロです。ギターとヴォーカルとオルガンを担当し、早くもマルチプレーヤー振りを発揮しております。エドガー・ウインター(Key)、ボビー・コールドウェル(Ds)、ジョー・ウォルシュ(G)、スージーQ(B)という有名どころがバックアップ。とりあえず、有名な“Rock and Roll, Hoochie Koo”なんだね。SUZI QUATROからSuperflyまで色んなアーチストがカバーしている定番なのです。2曲目のインストは凄いです。間違いなくこの時代のギターヒーローの1人でした。その他ERIC CLAPTON路線のカントリーロックもあり。あとはトリの“Jump, Jump, Jump”のようなシンガーソングライター系の洒落たポップスですね。一般的なギタリストのソロアルバムとは一味違います。そこにアメリカ人の明るさが加わってる感じ。ジャケも脳天気だ(笑) リック・エメットはカナディアンですが同じ空気を感じます。どっちもリックだし。歌声もいいね。AEROSMITHが演りそうなアメリカンロック曲では線の細いスティーブン・タイラーみたいに聴こえたりする。アルバムの1/3を占めるポップス曲の歌メロは高品質で時代の空気感を存分に堪能できます。パティ・スミスとの共作曲”Hold”もいいね。
#1617 / SPRING FEVER / 1975
★★★★
ウインター兄弟との共演で世に知られることとなったギタリストの2ndアルバムです。エドガー・ウインター・グループ在籍時にリリースされました。そのエドガーが前面サポート。ゲスト陣だと、JOHNNY WINTER ANDから1stソロに全面参加の盟友ボビー・コールドウェル、ジョニー・ウインターもスライドギターを披露、チック・コリアの名前もある。前作同様今回もバラエティに富んだ内容には違いないのですが、かなりポップ方面にすり寄ったね。前作のヒットでアイドル扱いされた経験が影響しているのでしょう。後にカナダから登場するALDO NOVAの原型みたいなシンセ音が目立つ曲やら、BCR系バブルガム曲みたいなものまである。75年にしては割と新しい音なんだけど、前作で聴けた哀愁路線のメロディが減退している。ギターを弾いて歌も歌って、バンドのプロデュースもして、コンポーザーとしての才能だけは間違いないのだが。“ロックンロール・フーチークー”はね、曲は普通でもリフがカッコいい。今作にも同一路線の曲はあるものの、弾いてみたくなるようなリフは無かった。ジャケは素敵です。