DAVID LEE ROTH
DAVID LEE ROTH(US/米)
#232 / EAT 'EM AND SMILE / 1986
★★★★★★

名盤です。前年のEPに続くデイヴ渾身の1stフルアルバムだよ。VAN HALENで一世を風靡したカリスマ・ヴォーカリストがALCATRAZZのギタリストとTALASのベーシストを従えてスーパーグループを結成。ダイヤモンド・デイヴは言うに及ばず(存在がカリスマ)ギターとベースの曲芸振りが衝撃的だったわけですよ。これは凄いぞと。トリッキーでファンキーでスピーディーなパーティーロックの趣向に当然ながら例のデイヴ臭(”Tbacco Road”や”That' Life”)もVAN HALEN同様たっぷり注入されてます。TALASの”Shyboy”もリメイクしてますよ。助っ人のご両名は2枚で脱退するも今や押しも押されぬビッグネームですな。強力な踏み台になったね。で次にデイヴが引っ張ってくるのがあのジェイソン・ベッカーだ。この調子で毎回名のあるギタリストを招聘してたら永遠に続けられそうなのに…そうはならなかったね。金銭的な問題でしょうか。
#970 / CRAZY FROM THE HEAT / 1985
★★★★★

エディとの関係が微妙になった時期の1stソロEPです。収録4曲はすべてカバー。食い足りないくらいが丁度いい(笑) 当時PVを何度も見た“Just a Gigolo”はデイブのテーマソングみたいなものでハマりにハマってる。絶好調だぜ。BEACH BOYSの“California Girls(バッキングヴォーカルでクリストファー・クロスのクレジットあり)”も最高。THE EDGAR WINTER GROUPの“Easy Street”ではお得意の女性の悲鳴のようなファルセットを連発。楽しそうだね。なんとそのエドガー・ウインター本人も参戦。というかコンセプトの中核がエドガー・ウインター!? ともかくこのアルバムでデイヴはソロでもイケると思ったのでしょう。どうも「1984」でエディたちと揉めたみたいで…一気にVAN HALEN脱退へとつながるのはご存知の通り。80年代は良かったものの、間もなくデイブにとって長い暗黒時代がやってくると。紆余曲折を経て復活は2012年。でもそこにマイケル・アンソニーはいない。後ろ回し蹴りも…遅すぎたな。
#1648 / SKYSCRAPER / 1988
★★★★

ダイヤモンド・デイヴ師匠の2ndソロアルバムです。メンバーは前作から変わらず、ギターがスティーヴ・ヴァイ、ベースがビリー・シーン、ドラマーはグレッグ・ビソネットとなっております。しかしだ、たとえメンバーが同じでも、あの派手なデビューアルバムに比べかなりトーンダウンした印象は否めない。悪くはないんだけどもキラーチューンが見当たらないのが痛いね。ヴァイはともかく、シーンの露出が控えめ、というか押さえつけられたという説が有力ですが。当然の結果として、本作レコーディング後にシーンは脱退、MR.BIG結成へと動くのでした。とりあえず、個人的にはデイヴの声が聴けてヴァイの独特なフレーズが聴けたらそれでいいんだけどね、ダイヤモンドの輝きはないな~。前作のインパクトが大きすぎるだけに、やっぱビリーをハブった?もしくは協力を得られなかったのが失敗だったのでは。かくしてこの体制は今回で終幕。次はジェイソン・ベッカーの登場です。ちなみにジャケはCGじゃないんだよ。正真正銘、本人が壁面にくっ付いてる。シャイニングスターDDの面目躍如。
#2005 / A LITTLE AIN'T ENOUGH / 1991
★★★★★

メンバーが交代した3rdフルレンスアルバムです。VAIの後任としてジェイソン・ベッカーが指名されたまでは良かったのですが…バンドに参加して1週間でALSを発症してしまい、自由に指を動かせた最後の作品になってしまいました。セカンド・ギタリストにはスティーヴ・ハンター(ルー・リードやアリス・クーパーのギタリスト)がスライドギターとリズムギターで参加(ジェイソンが弾けなくなったから?)。ビリー・シーンの後任にはマット・ビソネットが加わってドラマーはグレッグが残留、リズム陣はビソネット兄弟となりました。FLEETWOOD MACの鍵盤も続投。その他ブラスセクションがゴージャスさを演出する。前作ではデイヴとヴァイが担当したプロデューサーはボブ・ロックに。デイヴ節が炸裂する好盤になったね。VAN HALENブランド改めDD(ダイヤモンドデイヴ)印のロックが楽しめる。ジェイソンのギターもエディを意識しているようないないような、結果的に素晴らしいプレイ。EAT ‘EM AND SMILEほどの派手さはないが、デイヴの歌が聴けるならそれでいい。例のファルセットも健在でうれしい。冒頭2曲、タイトルチューンと”Shoot It”で掴みはオーケー。”It’s Showtime”は景気のいいファストチューンだけど、このタイプの曲ばかりってわけにはいかないのです。