IRON MAIDEN
IRON MAIDEN(UK/英)
#17 / IRON MAIDEN / 1980
★★★★★★★

JUDAS PRIESTと双璧メタルモンスターのデビューアルバム「鋼鉄の処女」はVAN HALENの1st「炎の導火線」以来の衝撃でした。IRON MAIDENとは御存知拷問器具ですが…詳細は自分で調べてください。高校時代のたまり場「クローバー」に誰かがレコードを持ってきて…あの店のテーブルの上でこのジャケを見たのは確かなんだけど…場所が場所だけにタジなのかな?とにかくスピード感が斬新でね、もちろんまだまだスラッシュ登場前、SAVAGEよりも前なわけで、“娼婦シャーロット”なんつー本人たちが若気の至りと後に認めている恥ずい歌詞の曲もとにかくカッコいいと思いました。バキバキのベースサウンドも新鮮だった。速さの源はやはりポール・ディアノのパンキッシュな出自によるところが大きいと思うのですが…どうでしょう?とにかくメイデンは1stがぶっちぎりで思い出深く大好きなんだね。ヘビーローテーションでした。全曲好きだね。大作“オペラ座の怪人”もインストの“トランシルヴァニア”もいいし、“ランニング・フリー”や“ストレンジ・ワールド”なんて変化球的な曲もいいんだよね~。デビューアルバムのメンバーはスティーブ・ハリスとポール・ディアノとデイヴ・マーレイとクライブ・バー(2013年3月12日、56歳で亡くなりました)とデニス・ストラットンです。現在の地位を確立するきっかけは獣系ヴォーカリストに交代してからなんだけど、メイデン=P・ディアノ派ですから!3rd、4thと進むにつれ思い入れは自然と薄れてゆくのでした。
#172 / KILLERS / 1981
★★★★★★

メイデンの2ndアルバムです。これも好きですね。残念ながらポール・ディアノはこれにて脱退します。かくしてこのハードコアパンク的隠し味(これがいいんだ)は完全に消え去るのでありました。このアルバムをリリースしたかする寸前だかの中野サンプラザでのライブに行ったよ。スティーブ・ハリスのベースがやたらでかかったのを覚えている。バランスは悪かったね。座席はひたすら後ろの方で、さらに後方は空席があってさあ、なんなら最後列の方がいいんじゃないかってことで勝手に移動したよね。一緒に行ったのはタジと木村か。1曲目、某HMSで使用されるほどのナイスイントロダクション“The Ides of March”だ。そこから“Wrathchild”になだれ込む流れはパーフェクト!ヘビメタの教科書に載っている(笑)JUDAS PRIESTのアレよりも、そしてPRETTY MAIDSのアレよりも、こっちの方が早いんだぜ~。“モルグ街の殺人”やタイトルチューンも好きだった。今回のインスト“ジンギス・カン”も勇壮で良い。変化球の“Prodigal Son”もいいね~。この2ndではギターの片割れがデニス・ストラットンからエイドリアン・スミスに交替。次の3rdから、かの「天翔ける猿人」参戦です。ディアノ派にとっては別モノになってしまいましたね。明らかに個性が一歩後退したと思うんだけど商業的には大成功さ。めでたしめでたし。
#219 / THE NUMBER OF THE BEAST / 1982
★★★★★

メイデンの分岐点的3rdアルバム「魔力の刻印」です。Voがポール・ディアノからSAMSONのブルース・ディッキンソンに交代しちゃった。ポール派としてはこの「交代」は「後退」と捉えてましたけどね…結果的には「前進」だった、と歴史は物語るわけよ。当時はアルバムを買った覚えも借りた覚えもないんですね。確かトグソからカセットテープを借りてダビングしたのだと思う。彼もまた「友&愛」にせっせと通っていたと思われる。もちろん今はCDを持ってますが、当時はそんな扱いだったって話ですよ。こんな感じで批判的ではあったものの結構聴いたものだから、さすがに曲はよく覚えてるよね。ぶっちゃけいい曲が揃ってると思いました。確かにディアのだとこうはいかなかっただろうなって感じ。“Run to the Hills”とか“Hallowed Be Thy Name”とか“22 Acacia Avenue”とか“The Number of the Beast”とかね。依然として好きなヴォーカリストではないんだけれども…何はともあれ、フライングゴリラーマン恐るべしということでしょう。もちろん賛辞ですぜ。
#486 / POWERSLAVE / 1984
★★★★★

興味は薄れたけどヘヴィメタルの重要バンドだからとりあえず聴いておかないと…などという使命感に駆られていたわけではございませんが…さすがにディアノの2枚以外はオンタイムではなく後追いでしたね。SAMSONのヴォーカリストって事は知っていながら一旦スルーしました。更に、ビッグネームになった今も「一応聴いとくかな」というスタンスはそのままに聴き続けています。(唯一ブレイズ・ベイリーのアルバムだけ聴いてませんが)この5thのウリはヘビメタアンセム“撃墜王の孤独/Aces High”でしょうね。スピットファイアとめっさーシュミットの空中戦!あとはラス前の大作タイトル曲(ジャケのイメージね)とオーラスのこれまた大作の“暗黒の航海/Rime of the Ancient Mariner”かな。後者に関してはメイデン史上最長の13分半となっております。ライブの定番だと“悪夢の最終兵器(絶滅2分前)/2 Minutes to Midnight”を収録。
#642 / PIECE OF MIND / 1983
★★★★★

ドラマーがクライヴ・バーからPAT TRAVERSでお馴染みのニコ・マクブレインにスイッチした4thアルバム「頭脳改革」です。メタルアンセムの“明日なき戦い/The Trooper”を収録してます。オープニングの“Where Eagles Dare”(ほとんどの曲に邦題が付けられているのになぜこの曲はそのままなのか。担当が若いから「鷲は舞い降りた」を見たことなかったんだろうね)や“イカルスの飛翔/Flight of Icarus”あたりも定番曲ですね。で、今回のラストも大作“惑星征服/To Tame a Land”で決まり。現在のメイデンサウンド確立の巻ですかね。ところで、特にプログレッシブなスティーブの曲にディッキンソンは合ってないと思いませんか?もっと音程がビシッと決まる人の方が適任なのでは?絆は固そうだけど人生何が起こるかわからないからね。ティム・リッパーあたりがメイデンで歌うのを聴いてみたい!
#1017 / SEVENTH SON OF A SEVENTH SON / 1988
★★★★★

メイデンらしさ満載の7thアルバム「第七の予言」です。バキバキベースも絶好調だ。これは間違いなく「友&愛」で借りました(笑) そもそもメイデンのレコードは買ったことがない。CD時代になってからなんだな。ディッキンソンに交替してからのメイデンにそれほど興味がないのです。とは言うものの“Can I Play with Madness”や“The Evil That Men Do”というライブの定番が収録されてるので聴いておいた方がいいのかな。ハイライトのタイトル曲と“The Clairvoyant”がいいね。ベースのせいでテクニカルデスメタル風だ。逆か!? テクニカルデスのバンドがコレを手本にしたって事かな。大音量で聴くのがいいと思います。コレを最後にエイドリアン・スミスが脱退。
#1175 / SOMEWHERE IN TIME / 1986
★★★★★

アルバムをリリースすれば売れまくるヘヴィ・メタルの申し子による6thアルバムです。痒い所に手が届く、期待を裏切らない作品です。個人的にはすっかり遠のいていた時期ですが、一応チェックしとこうって気にさせられるもんね。ライブの定番“Wasted Years”と“Stranger in a Strange Land”を収録。今回の新機軸はギター・シンセサイザーの導入。コレに関しては可もなく不可もなし。相変わらずやや長尺で複雑な展開の「らしい」曲が並んでいる。1~2回聴いたくらいじゃ覚えられん(笑) バキバキのベースサウンドも健在だ。フライング・ゴリラーマンの歌唱は…やはり違和感はありますが(初代ポール・ディアノか真逆のストレートなハイトーンヴォイスで聴きたい)ここまでくると諦めの境地かな。今回のトリは“Alexander the Great”ときたもんだ。ウチにあるのは95年のリイシュー盤で4曲中3曲がカバーと思われるボーナスCDが付属。メイデンらしくない楽曲が新鮮。
#1894 / LIVE AFTER DEATH / 1985
★★★★★

最初のライブアルバムにして一番売れた実況録音盤「死霊復活」です。LP当時は2枚組仕様。コレが最初ということは…残念ながらポール・ディアノ時代のキッチリ録音したライブ音源はほぼないと思われ、どこかにフルサイズの音源が発見されたとしても(絶対あるでしょ)、すんなりリリースしてくれるか否かという、ビッグネームゆえの諸事情が予見できてしまう。できれば映像付きを熱望しておりますが果たして。さてこの名作ライブ、5th「パワースレイヴ」後のツアーなので個人的にもギリギリセーフで間違いなし。ディアノ時代のファンとはいえ、5thくらいまではまだ真面目に(笑)聴いてたからね、さすがに知らない曲はない。選曲も概ねいいと思います。ディアノ時代の曲は4曲収録、当然ディッキンソンが歌っているわけですが、今となってはそれほど違和感なく聴けてしまうかも。メンバーは5人。ギターの片割れがエイドリアン・スミスでドラマーはニコ・マクブレインというお馴染みの時代ですな。
#2036 / NO PRAYER FOR THE DYING / 1991
★★★★

ギターの片割れがエイドリアン・スミスからヤニック・ガーズに交代した8thアルバムです。楽曲がコンパクトに纏められており地味な印象ながら、オープニングの”Tailgunner”を筆頭に、スティーヴ・ハリスを中心としたメイデンらしいアルバムだと思う。新加入のガーズも前任者より弾いている気がする。個人的には次作「FEAR OF THE DARK」より好きかも。意識してコンパクトにしたのか、毎度お馴染みの大作がない。本来なら大トリの”Mother Russia”がもっと長尺であって然るべきなのだが…静かなイントロから勇壮なリフに繋がる流れからは大作の予感がするのにね、中盤のギターで盛り上がった後、結構あっさりと終幕という流れで5分強という尺。あと2~3分は楽勝で伸ばせたはずなのに何故?”アレキサンダー・ザ・グレイト”とか”暗黒の航海”とか”惑星征服”とか”審判の日”とかを期待したメイデン・ファンとしてはちょっと物足りないエンディングでしたね。プログレ好きのスティーヴらしからぬ所業と言わざるを得ない。そんな今作の特記事項としては、シングルカットされた”Bring Your Daughter...to the Slaughter”が全英1位を獲得しています。ディッキンソンが映画「エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド」に提供した曲をメイデンが再録したもの。