Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

FLIED EGG

FLIED EGG(JPN)

#605 / ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン / 1972

★★★★

Flied Egg ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン

もちろんリアルタイムで聴いたアルバムじゃありません。日本の古いロック(古いのにニューロックとは此れ如何に)バンドのCDが廉価再発された際に数枚購入したうちの1枚です。コレは当たりでした。ギターが成毛滋(あのGRECOレスポールの)先生、ベースが高中正義(あのYAMAHA SGの)、ドラムがつのだ☆ひろ(あの“メリー・ジェーン”の)なんですね。歴史上の人物の集まりみたいでしょ!? 前身バンドのストロベリー・パス(こちらも同時に購入)に、若かりし頃の高中正義を加えベースを弾かせるという構図です。成毛先生については、とにかく日本におけるロックギタリストの草分けであるってこと。ちなみにブリジストン石橋会長の孫だったりもする。高中を巻き込んだ今作は、ブリティッシュロック(プログレも含む)へのオマージュです。ドイツではクラウトロック、日本ではニューロックと呼ばれていた時代で、ニューロックのグループといえばサイケロック(アートロック)のイメージですが、そこから一歩前進しているのがポイントでしょう。ロック先進国の楽曲を確信犯的にパクる方向性はアリだと思う。間もなく解散してしまう経緯からして、お遊び感覚のバンドだったのかもしれない。8曲目の元ネタはELPであり、“Tarkus”→樽カス→桶カス→“oke-kus”だもの、ここまでくると楽しくなってくるね。ちなみにアートワークは影山民夫氏の作品ですが、どことなく「タルカス」に似ている。ブリティッシュロックの中にあって、当時シーゲル先生が嵌っていたのはURIAH HEEPで間違いない。それ風の曲が3曲あるからね。まず2曲目は、ヒープのデビュー作の音に”肉食鳥”的コーラスが加えられた感じ。7曲目は”対自核”がベースになっている。最後の曲も、コード進行が怪しいと思いつつ聴き進めると、やはり”七月の朝”でした(笑) これらは全て成毛の曲。オマージュ作品ではありますが、つのだお得意のバラード曲や、高中の曲もそれぞれ2曲ずつあり、アルバムとしてバランスよく仕上がっています。今作最大のポイントとも言える、ケン・ヘンズレーやジョン・ロードを想起させるハモンドやモーグといった鍵盤類は成毛先生が担当。自前なのかレンタルなのかわかりませんが、さすがブリジストンという気がします。高音コーラスを含むつのだのボーカルも、高中の音数多めのベースプレイ(ギタリストが弾いてますよ感丸出し)も素晴らしい。当時の洋楽ファンがどう感じたのか知りませんが、個人的には楽しめました。



#1376 / グッバイ・フライド・エッグ / 1972

★★★★

Flied Egg good bye (316x320)

日比谷野音での解散コンサートのライブとスタジオ録音を収録した変則盤であり2ndアルバムにしてラストアルバムです。ライブは迫力があって良いです。概ねCREAM風でしょうか。ストロベリー・パスの曲でそれぞれのソロパートがあり、特に成毛先生は気持ち良さそうに弾きまくってます。72年当時は第一人者だったんだなあと改めて思わせる。一方スタジオ録音は先生のオルガンが登場するので多少なりともプログレッシブな方向性です。とはいえオリジナリティはほぼ皆無。ゆえに楽しみ方としては元ネタの探求ということになりますね。古き良き時代のブリティッシュロックの要素を咀嚼しきれず甘噛み状態で吐き出してるから分かりやすい。難易度低めのクイズだから多くの人が楽しめるわけ。お気に入りは“Out to the Sea”だな。導入からKING CRIMSON丸出しで清々しい(笑) 歌のパートはWISHBONE ASH節が炸裂。最後に盛り上がれば“Phoenix”だったのに、盛り上がらずに終わります。ヴォーカルは誰でしょう?5曲目は例によって柳ジョージらしいが、この曲はつのだ☆ひろなのか?この曲に限らずハーモニーはURIAH HEEPの手法を導入。成毛先生は、ライブのソロパートでも披露しているようにミック・ボックスのワウの使い方が好きなんだって。要するにURIAH HEEPはお気に入りってことね。



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