Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

KING CRIMSON

KING CRIMSON(UK/英)

#18 / IN THE COURT OF THE CRIMSON KING / 1969

★★★★★★★★★

King Crimson 1468×1468 (320x320)

プログレを世に知らしめた最初の作品です。間違いなくメジャーなプログレの最初の1枚はコレなんだよ。驚異のデビューアルバムなんですね。歴史的偉業を成し遂げた5人の若者は…ロバート・フリップ(ギター)、グレッグ・レイク(ヴォーカル&ベース)、イアン・マクドナルド(キーボード&サックス&メロトロンなど)、マイケル・ジャイルズ(ドラムなど)、ピート・シンフィールド(作詞)。68年結成のジャイルズ・ジャイルズ&フリップから発展したグループです。そこにマクドナルドが参加した奇跡ね。女性ヴォーカル(ジュディ・ダイブル)が1か月在籍し、ベースのピーター・ジャイルズが抜け、その穴を一気に埋めるヴォーカル&ベースのグレッグ・レイクが参加した奇跡。ビッグバンは無視できないでしょ!? だからプログレはこのアルバムから聴くことになっているんだよ。コテコテのプログレ作品に仕上げなかったのが成功の鍵でしょう。フリップ色でもレイク色でもダメだったろうね。それらを上手く纏め上げたマクドナルド色が加わって深紅が完成しました。普通のロック好きにも聴きやすい。ジャケも中身もパーフェクト!ここに収められた珠玉の5曲は…“21世紀の精神異常者”はハードなリフにディストーション(ヴォーカルも)が特徴で物凄いインパクト。終盤のジャジーな展開も凄い。ジャイルズのドラミングを軸にビシッと決まるのが気持ちいい。“風に語りて”はフルートも美しいフォーキーな名曲。後に件の女性ヴォーカルが歌う68年バージョンが「A YOUNG PERSON’S GUIDE TO KING CRIMSON」に収録されましたが、これまた美味。“エピタフ(墓碑銘)”もレイクのヴォーカルが冴える名曲。「混乱こそわが墓碑銘(Confusion will be my epitaph♪)」と歌っています。“ムーンチャイルド”も幻想的で心地よい。空耳アワーで「カラムーチョ♪」と紹介されました(笑) ラストは壮大なスケール感の“クリムゾン・キングの宮殿”です。レイクのヴォーカルを聴いてると、やっぱりコレがクリムゾンの声だと再確認できますね。プログレの定番中の定番です。クリムゾンはフリップ主導で間違いありませんが…このアルバムに関しては前述のとおり。とにかく、プログレに限らずロック史に燦然と輝く名盤なので必聴でございます。ところで、音響技術の向上に伴いファン泣かせの新スペックCDが定期的にリリースされている昨今ですが「宮殿」のような最高レベルの歴史的名作となるともう際限がない。全部に付き合うほど奇特じゃないからまだ軽傷で済んでいるけど(笑)最近遂に3枚目の「宮殿」に手を出してしまいました。3枚買ったのはQUEENの「オペラ座の夜」YESの「危機」RUSHの「永遠の波」に次いで4作品目なのね。今回の「宮殿」は2004年のOriginal Master Editionと2009年のStereo Mixの2枚組+ボートラ10曲ということだったので納得の購入。ちなみに2枚目はHDCDだったな。一家に一枚クリムゾン(現地ではクリムソという呼称が一般的らしいです)だね。孫子の代まで語り継ぎましょう。



#152 / RED / 1974

★★★★★

King Crimson red (320x319)

プログレバンドでありながら、ヤングジョッキーのハードロックベスト20の第10位にランクインして、オープニングナンバー”Red”がオンエアされたという鮮明な記憶。なるほどと頷ける内容の7thスタジオアルバムです。表題曲はフリップ流のハードロックだね。クリムゾンはとにかく「宮殿」とコレだけは絶対に聴いておきましょう。第2期(再結成?どうやら分類が確定していないらしい)の集大成ですよ。このアルバム発表後、フリップはクリムゾンを解散します。デビュー作はプログレのビッグバンと認知されておりますが、イタチの最後っ屁とも言えるこの超新星爆発も凄かった!終末のトリオ(ロバート・フリップ&ジョン・ウェットン&ビル・ブラッフォード)にイアン・マクドナルド、デビッド・クロス、メル・コリンズという盟友にしてキーパーソンがこぞって参戦してるんだから、そりゃあもうお祭り騒ぎの大団円ですよ。故意か偶然か、デビュー作同様5曲で構成されてるね。ヘヴィなインストに続く”Fallen Angel”もいい。特にウェットンのヴォーカルがいい。グレッグ・レイクほどの艶は無くとも、やはり魅力的だ。いかにもフリップが好きそうな即興曲”Providence”はアメリカでのライブ音源。スタジオ盤にライブ音源を混ぜちゃっても気にならないんだね。エンディングの大作”Starless”は、1stにおける”エピタフ”や”クリムゾン・キングの宮殿”のような2つのパートに分かれた感動の大作です。タイトルから推察される通り前作「STARLESS AND BIBLE BLACK」のために書かれた曲でしたが、フリップの意向で今作に回されたんだそうです。参考までに、これから買うなら30th Anniversary Editionがお勧めです。そして初心者の方々へ…まず「宮殿」と「レッド」を聴いてみて、「宮殿」が気に入ったら2ndからリリース順に、「レッド」が好みなら6th「暗黒の世界」から逆に遡って聴くというのはどうでしょう?クリムソはね、当たり外れの振れ幅が大きいから気を付けてほしいけど(笑)やっぱ再々結成後の「ディシプリン」(第3期?)は後回しってことだけは確かだね。



#556 / STARLESS AND BIBLE BLACK / 1974

★★★★

King Crimson starless and bible black (320x320)

「レッド」と同じメンバーによる1枚目、通算6枚目のアルバムですが、スタジオ録音とライブが混じった変則盤「暗黒の世界」です。ライブの演奏にスタジオ録音を繋いだもの、ライブ音源にヴォーカルを被せたモノまであり、まあやりたい放題の珍盤だね。前作「太陽と戦慄」と傑作「レッド」の中間に位置しておりますが、音楽的には中間という感じはないかな。スタジオ録音の曲はまだしも、それ以外の曲にそれほど魅力は感じられません。これがフリップの思い描いた暗黒ってことなんだろうから仕方ないけどね。ちなみにライブ・パートの元ネタの一つである73年のアムステルダム公演は、97年「ザ・ナイトウォッチ-夜を支配した人々-」として日本先行リリースされており「暗黒の世界」用に施された加工は取り除かれた正真正銘のライブが聴けます。そういえばこの時期ライブ音源が次々とリリースされてたよね。このメンツのライブを聴くなら、まず「エピタフ-1969年の追憶-」を聴くべきでしょうね。ちなみに、プログレ大好き“スターレス高嶋”はここから生まれたわけではあるまい。もちろん「レッド」に収録されている“スターレス”からですよね高嶋さん!?



#667 / IN THE WAKE OF POSEIDON / 1970

★★★★★

King Crimson ポセイドンのめざめ (320x320)

メジャーなプログレバンドのオリジネーターによるプログレのビッグバン「宮殿」に続く2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」です。マクドナルド、レイク、ジャイルズの脱退により、パーフェクトじゃないけど名盤だと思います。レコーディングにはまだ(この前後にEL&Pを結成)レイクがいたし、マクドナルドの演奏面での穴は、サックスとフルートでメル・コリンズが、ピアノでキース・ティペットが埋めている。ジャイルズも急遽レコーディングに呼び戻され(すでにマクドナルドと合流)、今回はレイクがヴォーカルのみなので弟のピーター・ジャイルズがベースを担当してる。「ケイデンスとカスケイド」のヴォーカルがレイクじゃなくゴードン・ハスケルってのが気に入らないが、まあ当然聴きたくなっちゃうよね。いや~それにしてもアルバム後半は実に残念!残念の主犯は“Devil’s Triangle”だ。これを前作の“Moonchild”的なものに差し替えてタイトル曲をラストに配置すれば…アルバムタイトルの語呂合わせやジャケも含めて「宮殿」の再現だったのに。完成度が高ければ二番煎じとは言われることもなかったでしょう。これこそがマクドナルドが抜けた埋めがたい穴ってことですよ。プロデュースでもいいから彼がレコーディングに関わっていたなら、間違いなくもっと凄い2ndアルバムになってたと思う。ギリギリ彼が残した曲があったから、ここまでのアルバムになったってことだね。3曲入り(2曲目~4曲目)のミニLPの方が潔かったかも。



#790 / LIZARD / 1970

★★★★

King Crimson lizard (320x317)

ジャイルズ兄弟も去り3rdにして早くもオリジナルメンバーはフリップとピート・シンフィールドだけになっちゃいました。ちなみに兄弟は先に脱退したマクドナルドと合流。結果ホーンセクションの大幅増でジャズ化に拍車がかかった作品となりました。メンバーチェンジが激しいのもクリムゾンという暗黒系ハードジャズロック集団の特徴でさぁ、それによって音楽性も変わったりするから少々厄介なんだね。1曲目こそ「らしさ」が残る曲だと思うけどこの変わりようは!?前2作とは別物だもの。特筆すべきは…ジョン・アンダーソン(YES)のゲスト参戦。70年だから実現したミラクルなんだろうけど…そこが最大のウリになっちゃまずいんじゃない?それにしてもタイトル曲の冒頭で数分間歌ってるだけなのにその瞬間はYESになってるから凄いよね。



#835 / ISLANDS / 1971

★★★★

King Crimson islands (320x320)

御存知4大プログレバンドなんだけど、「クリムゾンのアルバムは全部好き」という人間に出逢ったことはない。進化を続けるべく刻々とスタイルを変化させる様はまさにプログレッシブ!ゆえにちょいちょい期待を裏切る。おまけにimprovisationという名のアドリブ?即興音楽?が好きだからね~。アルバム1枚そのスタイルだと辛い。つまらないと言ってしまえばそれまでの4thですが…これも評価に困るアルバムだ。クリムゾンはこういうのが結構ある。一般的なレビューで好評価を得ているのがイマイチわからないというのが正直なところです。何度も聴いたら凄いところが発見できそうな気配はあるものの、他にもたくさん聴きたいのがあるじゃん!?ひたすら大音量で聴いてみたら「凄え!」ってパターンあるよね。それだな多分(笑)



#1018 / LARK'S TONGUES IN ASPIC / 1973

★★★★

King Crimson lark's tongue in aspic (320x320)

クリムゾンは「宮殿」で一生喰っていける富を手に入れました。だから何をしたっていいんだよ。新しいことを試す権利があるし、たとえ全部外したって大丈夫なのさ。何があっても「宮殿」の評価が揺らぐことはないのです。さて5thアルバム「太陽と戦慄」です。このアルバムの特記事項としては…ジョン・ウェットンとビル・ブラッフォードの加入です。ちなみにあとの2人はデビッド・クロス(ヴァイオリンとか)とジェイミー・ミューア(パーカッションとか)だよ。後期クリムゾンはここから始まったわけですが…これは微妙だったな~。今聴いても微妙。自由すぎるにも程があるって感じ。らしさを発揮するラストのタイトル曲に到達するまでは我慢の連続だね。伝説ゆえすこぶる評価は高いようだけど…好きな人にはたまらんのだろうけど…自分の耳で判断してくださいな。



#1100 / A YOUNG PERSON'S GUIDE TO KING CRIMSON / 1976

★★★★★

King Crimson a young person's guide (320x314)

解散後にリリースされた2枚組ベスト「新世代への啓示」です。世の中がCD時代になり最初に買ったクリムゾンがたまたまコレでした。以来再発がないようなので希少と言えば希少なのかな?タイトルに偽りなしのお手軽ベスト盤でまずまず美味しいところが収録されてます。Disc1は何と名曲エピタフで始まるんだよ。斬新だね。オリジナルとの違いは前の曲とカブっていないこと。このような状態を「クロス・フェイドしていない」と言うらしいです。続いて2ndアルバムから“ケイデンスとカスケイドの短縮版。1曲飛ばして4曲目に登場するのがアルバムの目玉”風に語りて“の女性ヴォーカルバージョンなんだね。クリムゾンを結成すべく前身バンド時代に迎えられたメンバーがFAIRPORT CONVENTIONのイアン・マクドナルドとジュディ・ダイブル(有名なのはサンディ・デニー)でその編成でレコーディングされた音源らしいんだけどね、コレがおいしいのさ。もちろんオリジナルは越えられないよ。あくまでも別バージョンとして秀逸って話。更に、この曲から次の”レッド“に繋がる流れがまた堪らんのです。でdisc1は”スターレス“で締め。そういえばdisc1ばかり聞いてたな~。やっぱdisc2で登場する「アイランズ」とか「太陽と戦慄」とかは好きじゃないからさ、個人的にはベスト盤てのが奏功してる。好きじゃない曲がほぼ短縮ヴァージョンになってるから、あのつまらねぇ即興を我慢して聴かずに済むのですよ。実にありがたい。ヴォーカルもそう。ジョン・ウェットンやエイドリアン・ブリューも間違いなくクリムゾンの声なんだけども…結局レイク>ウェットン>ブリューだよね。みんなそうでしょ?Disc2は”ムーンチャイルド“と”トリオ“と”宮殿”で大団円を迎えますが、やはりデビューアルバムは偉大ですな。クリムゾンはリアルタイムで体験した世代ではないから(当たり前だな)中学・高校時代にもアルバムを手に入れてまで聴くってことは無かった。主にエアチェックなわけよ。それでも「宮殿」は全曲揃ったわけで、満足しちゃってたよね。だから2ndアルバムをガッツリ聞いたのはずいぶん後の話。何が言いたいかと言うと、オリジナルアルバムを知らなかったからこそ、このアルバムに於ける曲順が重要だってこと。特にdisc1の流れがすっかり刷り込まれており、この順番だと安心できるんだな。



#1346 / DISCIPLINE / 1981

★★★★

King Crimson discipline (320x320)

ディシプリンというプロジェクトだったはずなのに、いつの間にか再々結成キング・クリムゾンの8thとなった作品です。今回フリップが集めたメンバーは…ドラマーに盟友のブラッフォード、ベースがトニー・レヴィン、ギター・ヴォーカルとしてフランク・ザッパ門下生のエイドリアン・ブリューという布陣。新メンバーの特徴がモロに反映された、これまでのクリムソらしからぬ音楽を演っており、当時は悪い意味で衝撃的なアルバムでした。83年YESの「90125」も同様の衝撃でしたね。とにかく耳につくのはトニー・レヴィンのスティックという不細工な(笑)楽器ですね。良くも悪くも強烈なオリジナリティなのは間違いない。そこにエイドリアン・ブリューのここに至るまでのキャリア(ザッパ、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブ)が影響を及ぼしているという構図でしょうか。オープニングの”Elelphant Talk”で度肝を抜かれる。音楽性は当然ながら、この両名がアメリカ人ということも賛否両論の「否」の一因でした。久しぶりに聴いてみて当時ほど嫌いじゃないことに気付いたよ。”Indiscipline”と”Discipline”はクリムソらしさを保持している。”Matte Kudasai”はどうだ!? それはこっちのセリフ(ダチョウ俱楽部的な意味合いで)だよと突っ込みたくなるけどね。この後、契約枚数消化の為ということで同メンバーにより更に2枚(黄色と青)リリースします。



#1780 / THRAK / 1995

★★★★

King Crimson thrak

ダブルトリオ体制で復活した11thアルバムです。「DISCIPLINE」の後2枚の消化試合を経てプログレ・メタルを標榜した意欲作です。その序章としてまずEP「VROOOM」をリリース。そこで披露された4曲の完成形が今作にも収録されました。ダブルトリオのメンバーはロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィン、ビル・ブラッフォードのディシプリン組にトレイ・ガン(チャップマン・スティック)とパット・マステロット(ドラム)を加えた布陣。ドラマー2名の利点は微妙ながら、スティック奏者が2名になったのは強みなのかな。アルバムではレヴィンにスティックのクレジットがないけれど、ライブだったらダブル・スティックってことも可能。そこにギター二人が加わったらリード楽器4名ってこと。見どころがたくさんありそうじゃない?さて、肝心の収録曲ですが、縦軸は名曲”Red”以外の何物でもないです。オープニングの”Vrooom”からの3曲、エンディングの”Vroom Vrooom”~”Vrooom Vrooom:Coda”あたりが縦軸ですね。中でも”Vrooom Vrooom”がモロに”Red”のヘヴィ・バージョンになってます。焼き直し感は否めませんが、レジェンドだけに認められた権利ゆえ文句は言わせないと。これら以外だと、#4は”待ってください”路線で、この手の楽曲はブリューの仕業なのかな。#13はタイトルからしてザッパ風。当然コレも門下生であるブリューのザッパイズムの顕れでしょうね。そういえばスティーヴ・ヴァイのアルバムにもこういうのが多い気がする。



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