HEIMDALL
HEIMDALL(Italy/伊)
#2084 / LORD OF THE SKY / 1998
★★★★
RHAPSODYに続け、期待の新人のデビューアルバムです。北欧神話(バンド名は光の神)をテーマにしたコンセプトアルバムらしい。勇壮なメロのイントロダクション、戦いを想起させるSEとモノローグで開幕。オーソン・ウェルズ(MANOWARの”Dark Avenger”)やヴィンセント・プライス(マイケル・ジャクソンの”スリラー”)みたいでいい。流れとしては、概ねRHAPSODYやLABYRINTHでしょうね。劇的でシンフォニックな、バトル・ファンタジー系パワーメタルが展開されております。B級感漂う仕上がりの中、ギター(クラシカルフレーバー、スウィープ)もベースも頑張っていて好感が持てる。アコギやシンセによる静パートも効果的だね。歌メロはジャーマン・メタル譲りの王道HELLOWEENタイプながら、とりあえず歌唱は頼りない。けど、中音域がカイ・ハンセンに似ているし、カイだって最初はこんな感じだったから、巷で言われているほど気にはならなかった。何よりデビュー作らしい新鮮さ(未熟さとも言う)がいいじゃないの。可能性を秘めている気がする。その点SILVER MOUNTAINのデビュー作に似たものを感じました。主にヴォーカルが酷評されているが個人的には許容範囲。
#2246 / THE TEMPLE OF THEIL / 1999
★★★★
ヘナチョコの延長線上にあるファンタジック2ndアルバムです。中世バロック音楽や欧州民謡を加味したことで劇的な場面が増えており、楽曲は前作より充実していると思う。レコーディングスタジオのランクが上がったのか、音質が良くなりました。おかげで各パートの音がハッキリ聴こえるところが良くも悪くもある。ギターとベースは良い。特にベースは、以前の籠った音だと分かりにくかったが、ギターに負けず劣らず動き回っているのがよくわかる。問題はシンガーなのね。音質向上に加えボーカルの音圧高めミックスの相乗効果で、下手なのがハッキリしてしまった。これがシンガー交代の引き鉄になったのは間違いなさそう。前作がHELLOWEEN寄りだったとすれば今作はMANOWAR寄り。コレがマズかったね。歌メロがカイ・ハンセン風味だから気にならなかったわけで、さすがにエリック・アダムズ風味は無理がある。せっかく色んなアイデアを散りばめた楽曲の良さをも吹き飛ばすこの実力、どうしたことでしょう。JUDAS PRIESTの”Breaking the Low”をカバーしています。シンガーが交代した次作から本領発揮ということになっているバンドですが、色んな意味で面白いのは初期の2枚だと思う。アートワークはRHAPSODYも手掛けた人。確かに!