SILVER MOUNTAIN
SILVER MOUNTAIN(Sweden/瑞典)
#62 / SHAKIN' BRAINS / 1984
★★★★★

北欧メタル1期生?のデビューアルバムです。EUROPEやMADISONに比べて完成度は低いかもしれませんが、個人的には思い出深い1枚です。90分テープに録音してあってSILVER MOUNTAINの面ばかりよく聴いたよ。中心人物ヨナス・ハンソンの若々しい(たどたどしい?)ギターが元気溌剌且つ個性的だと感じました。北欧メロが満載なのは間違いありませんが、良くも悪くもそこが垢抜けない原因でもあるかな。それに更に拍車をかけるのは御自身によるヘナチョコヴォーカルだね(笑) 上手くはない…というか下手。でも味があるみたいな。脇を固めるのはあの有名なヨハンソン兄弟です。イェンスのキーボードとヨナスのギターの掛け合いも聴きどころとなってますね。テクニックが釣り合ってない気もします。それが原因かわかりませんが、この後兄弟はさっさとインギーのバンドに参加してしまいます。やっぱアレだね、メンバーが固定しなかったのが痛いね。2nd以降はヨナスのソロ・プロジェクトみたいだもの。そういう意味ではインギー的だったかな。オープニングの“1789”こそが銀嶺。BEATLESが”愛こそすべて“で挿入したフランス国歌をギターで披露してるのも印象的です。あとは”Always“とか”Vikings“とかだね。ギターとキーボーのバトルが聴きどころって点ではBISCAYAに近いが、あそこまで考えられてはおらず、いい意味でDEEP PURPLE風かな。バンド名からしてリッチーはヨナスの憧れだったに違いないからね。多少緩めではあるが目的のひとつは達成できている気がする。
#682 / UNIVERSE / 1985
★★★★

ヨナス・ハンソンが自身のヴォーカルを封印してギターに専念(と言いつつも歌ってるよね?)した2ndアルバムです。専任ヴォーカルとして威風堂々の歌いっぷりを披露するのはクリスター・メンツァー。間もなくバンドが停止状態になってしまい、知る人ぞ知るNORDEN LIGHT(アルバム1枚作って解散した模様。レコード持ってるからいずれ紹介しましょう)を結成する人だよ。1stでヨナスと見事なバトルを展開しバンドの片翼だったイェンス(Key)がインギーのRISING FORCEに引き抜かれてしまいぶっちゃけ華やかさがなくなってしまった。ちなみに兵役を終えた兄アンダース(Ds)もインギーの元へ。ヨナスと違って安定感抜群なヴォーカルのせいで1stとは別のバンドに聴こえますな。コレはコレでいいけどさ、タイトルチューンを含む冒頭2曲だけが際立っている気がするね。個人的には前作の、チープではあるものの哀愁の北欧メロが次々と繰り出される路線が良かったな。うたって憂さを晴らすかのように、ラス曲、少々コミカルなインストの“Niagara”ではハンソン節が炸裂します。このメロがあればSILVER MOUNTAINである。
#1202 / ROSES&SHAMPAGNE / 1989
★★★★

またまたメンバーが交代した3rdアルバムです。前作では歌えるヴォーカリストのおかげでカッチリした印象で実際音質も良かったけど、今回はいい意味でB級感が蘇っていてうれしい。音質もイマイチだ。やっぱSILVER MOUNTAINはこうでなくちゃ(笑) 今回のヴォーカルは甘い歌唱を聴かせるが可もなく不可もなし。ヨナスがちょっと上手くなった程度かな。ヨナスが歌ってると思しき曲もあり、聴き比べるとさすがに違いがわかるけどね。さて、肝心のギターは…期待に応えるヨナス流ネオクラフレーズ満載です。楽曲重視なのでギターソロ自体はそれほど長くないけどね、相変わらずインギーのゆっくりバージョンみたいな素敵なメロを聴かせてくれます。それにしても垢抜けないな。エイドリアン・ヴァンデンバーグやロニー・ル・テクロみたいになれそうでなれなかったね。ヨナス・ハンソン…名前が悪いんじゃないか(笑)
#1850 / BREAKIN' CHAINS / 2001
★★★★★

例のあのへなちょこヴォイスが聴こえてきた瞬間に「コレコレ!」と思わず叫んでしまう再結成シルバー・マウンテンの4thアルバムです。メンバーもデビュー作の時と同じ、ヨナス・ハンソン、ペア・スタディン、イェンス&アンダース・ヨハンソンとなれば、21世紀になろうとも当時の空気感に満ちた作品が出来上がるわけ。仮にそれが意図的だったとしても、アンダース兄弟加入前の、DEEP PURPLE大好きRAINBOW大好きリッチー大好き状態にまで遡ってるね。もちろん北欧風味はしっかり残っている。実際78年(アルバムデビューの6年前)の自主制作盤の2曲がリメイクされているそうですよ。ギターソロの中にクラシックのフレーズが出てきたり、リッチー・ブラックモアとジョン・ロードのバトルみたいな演奏が聴ける曲がそうなんだろうね。ヨナスとイェンスも楽しかったに違いない。ライナーノーツによれば冒頭から7曲目までが当時の曲とのことです。2曲目を聴いたら誰しも”Starstruck”が聴きたくなってしまうでしょうな(笑)。お約束のインスト曲”The Butterfly”もファニーな雰囲気で素晴らしいです。アルバム・タイトルはSHAKIN’ BRAINSを捩ったのでしょう。当時のファンからするとノスタルジーに満ち満ちた素敵なアルバムです。