Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

FEEL SO BAD

FEEL SO BAD(JPN)

#379 / 東京パワー / 1997

★★★★

Feel so bad 東京パワー (320x320)

私の好みを熟知する師匠から“バリバリ最強No.1”(7thシングル:アニメ「地獄先生ぬ~べ~」OPに起用されたバンド最大のヒット曲)を聴かされて、一発で気に入ったバンドです。速攻で今作をゲット。川島だりあのヴォーカルが衝撃的でした。久々に接した、パワフルな日本人女声ボーカル。ベーシックな声質はキュート系でも、その気になれば太い声も出せるって感じ。彼女が書く風変わりな歌詞も個性的でしたね。加えて倉田冬樹のギターがテクニカルで、へヴィ・ロック然としたグルーブを担うリフ、トリッキーなソロはどちらも素晴らしい。リズム陣もタイトで、時にPANTERAを想起させる怒涛の演奏を聴かせます。秀逸なジャケのアルバムにも満足した結果、中古新品織り交ぜ、遡ってアルバムを揃えるに至り至り、最終的には12か月連続(1999年~2000年)でリリースされたアルバム(月刊FSB)もコンプリート!毎月リリースはさすがにクオリティの低下を感じたけれど、意地でコンプして応募券を12枚送り、限定CDもゲット。レコード会社の策略に完全に嵌ったのでした。しかし、前人未踏の企画を達成したバンドは力尽き、2001年に活動を停止。12枚購入したファンの立場でさえこの達成感を得られるのだから、作った本人たちの達成感がハンパないことは想像に難くない。彼らは真っ白な灰になったのだ。月刊FSBを聴き続ける中で一つ楽しみになっていたのが、今作に収録されている“来世で逢いましょう”(エレクトリック・シタールのインド風味が印象的な変化球曲)から派生したと思われる「ポチ」シリーズ。ちなみにこの物語は、”ポチとドライブ”→”ポチのお留守番”→”ポチの大脱走”→”ポチのシーズン”→”ポチの大決心”→”ポチの結婚式”→”ポチの子育て”→”ポチの過ち”→”ポチの女房~愛を信じたい~”→”ポチの夏休み~バレタのら~”→”ポチとドライブ~幸せにならなくちゃ”と続く、これだけでアルバムを1枚作れそうな、壮大な人生(犬生)ドラマでした。



#1160 / IN TRANCE / 1996

★★★★

Feel so bad in trance (320x320)

「IN TRANCE」といえばSCORPIONSと答えてしまう世代ですが(笑)こちらはバンドの方向性が定まった5thアルバムです。PVも多めに作られたのかな。そういう意味では、ここから先に紹介した6th収録の“バリバリ最強No.1”に繋がるあたりがバンドのピークだったかもね。ヴォーカルの川島だりあの声は個性的でいい。自ら書くちょっとコミカルな歌詞にもよく合ってる。もちろん歌も上手い。日本屈指の女性ヴォーカリストでしょう。クラリオンガールだったらしいね。ステージパフォーマンスも独特で…エアロビのインストラクターのようなアスリート系(笑) 腹筋が割れてるんだよ。ギターの倉田冬樹はパワーとテクニックの塩梅が絶妙になってきた。個人的にはエイドリアン・ヴァンデンバーグやロニー・ル・テクロやヴィクター・スモールスキーと同系列に分類してます。FSBはこの2枚看板で文句なし。オープニングはバンド紹介の“F.S.B”でコレはよくあるパターンだけど、だりあの自己紹介曲“THEME OF D.K.”は珍しい。しっとり聴かせる“AM8:58”や遊び心が垣間見えるエンディング“よかった”など変化球を交えつつ、ハードな基本路線をキープしたいいアルバムだと思います。



#1378 / AFFECT ON YOUR BRAIN / 1994

★★★★

Feel so bad affect on your brain (320x316)

デビューアルバムで張り切りすぎたのかフウォという雄叫びを多用しております(笑) やがてトレードマークとなる技?ではありますがいささか使いすぎ。そういえばダイヤモンド・デイヴも初期の作品で(特に2ndか)例の汽笛のような個性的ファルセットを多用していましたな。だりあのヴォーカルはまだ個性を確立する前なので寺田恵子的な雰囲気だね。歌メロは歌謡曲の延長にあるジャパメタ止まりだ。倉田のギターも同様で、とりあえずエディの如く弾きまくってる感じでさほど個性的ではありません。良くも悪くもシングルカットされた“Ready of Not”が突出しております。この曲は文句なしにかっこいい。後のグルーブ系やへヴィネス系と違うだけに貴重な楽曲かもしれないね。FSBのこの路線の曲ではピカイチでしょう。このアルバムの正式メンバーは2人。マーシー(EARTHSHAKER)と共同プロデュース。助っ人ドラマーに「手数王」菅沼孝三(娘のSATOKOもドラマーとして活躍中)。



#1522 / ENDORPHINE / 1995

★★★★

Feel so bad endorphine (320x320)

FSBの音楽性は4thから固まったと思っておりましたが、デビューアルバムから連続で聴いてみたらこの3rdも結構なクオリティでした。爆走する場面ではネオクラでトリッキーなギタリストを擁したANTHRAXみたいなノリになるところが面白い。リズム隊は音質も含め多少なりとも意識しているのではあるまいか。冒頭の“Animal”やタイトルトラックはまさにそんな感じ。“Faithless Children”のサビメロより目立つバッキングのギターなんかも素敵です。圧巻は遊び心満載のラスト2曲でしょう。“顔で笑って心で泣け”はFSBの魅力が満載された曲だ。ヘヴィロックな曲調も歌詞も歌メロも素晴らしい。長めのギターソロも誤魔化しがきかないノンエフェクトな状態でビシッと決まっている。でエンディングを飾る“大好きQUEEN”ですよ。タイトル通りQUEENを意識した曲になっていてとにかく楽しい。QUEENのコーラスワークにブライアン・メイ風味のソロもすぐにそれとわかるところが良い。大好きQUEEN 音楽はウィーン(笑) 最初のサビメロの歌詞が「待っててねアマデウス 逢いにゆくから」に続くのはトルコ行進曲のフレーズで、最後のサビでは「お気に入りなのは FEEL SO BAD」と歌われた後にFSB流ヘヴィロックが炸裂します。実にかっこいい終わり方ですな。



#2127 / POWER GROOVE / 1994

★★★★

Feel so bad power groove

バンドの方向性が固まりつつある2ndアルバムです。後の作品との決定的な違いは、ファニーな要素がほぼ無い(イントロダクションと”Back Yard Raise Man”くらい)ことだと思いますが、このシリアス路線も緊張感があっていい。デビュー作のジャパメタ風味は消え、タイトルに偽りなしのパワーとグルーブ、意外と貴重な作品かもしれない。変化球はほとんど使わないで勝負しているから、シンプルにだりあの歌唱と倉田冬樹のギターを堪能できます。1曲目”Jump from Hellでの挨拶代わりのトリッキーなソロを皮切りに、エンディングの”I Hate You”に至るまで、ここまで弾きまくっているアルバムはないかな。後に弾くギターの原案がすべてここに収録されてるんじゃないかってくらいだ。バッキング・リフも大音量でガンガン弾きまくってるし(笑) それができるのは、ギターの音圧に負けないだりあの声量(肺活量)のおかげ。VAN HALENのエディ(デビューアルバム)とか、WHITE LIONのヴィト・プラッタ(「PRIDE」)あたりが思い出されるくらい、ヴォーカルにケンカ売ってるリフとでも申しましょうか、こういうバトル、久々に聴いたかも。てか日本のバンドでは珍しいな。2019年、肺腺癌のため倉田冬樹が亡くなりました。66年生まれ…また歳下ですか。52歳は若すぎる。



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