VANILLA FUDGE
VANILLA FUDGE(US/米)
#992 / VANILLA FUDGE / 1967
★★★★
デビューアルバムの「キープ・ミー・ハンギング・オン」です。繋ぎのインスト以外すべてカバー。しかしこのカバーが凄かった。BEATLESの“Eleanor Rigby”に至っては気にして聴いてないとそれとは気付かないくらい。同じくBEATLESの“Ticket to Ride”とシュープリームスの“You Keep Me Hangin’ On”も3分くらいの原曲をテンポダウンしてそれぞれ6分弱、7分弱に再構築。“Eleanor Rigby”は8分強!アレンジもここまでやられると気持ちいいな。ティム・ボガートとカーマイン・アピスが有名ですが、主役はVo&Keyのマーク・スタイン。オルガンの音色もありアートロックと呼ばれた最初のバンドの一つみたいだよ。歌い方やコーラスの感じはURIAH HEEPの元ネタなのかなと感じました。「サージェント・ペパー」発表の翌月にリリースされたこのアルバム、ロックの転換期における重要な作品なんだね。ちなみにオルガンの音色は「サージェント・ペパー」発表の前月にリリースされたPROCOL HARUMに似ている。こうした時代を経て、2年後の1969年プログレ(KING CRIMSON)もハードロック(LED ZEPPELIN)も一斉に開花するのでした。