LED ZEPPELIN
LED ZEPPELIN(UK/英)
#22 / Ⅳ / 1971
★★★★★★

一番売れたのにアルバムのタイトルは無いんですね。そもそもジャケに文字がない。一般的には、4thアルバムだから『LED ZEPPELIN Ⅳ』と呼ばれることが多いらしい。BLACK SABBATHは「VOL.4」でしたが…。内袋のメンバー4人を表す4種類のマークから『フォーシンボルズ/FOUR SYMBOLS』と呼ばれることもあるようです。その他にもいくつか呼び名があるけれど、まあ自分でしっくりくるものを選べば良い。さて、レス・ポールといえばジミー・ペイジですね。何年経っても如何わしい(もちろん秀逸なモノも)コピーモデルが発売されたりして人気は根強いエレキギターの基本形の一つです。フレーズはともかく弾いてる姿がカッコいいんだな~。カリスマヴォーカリストのロバート・プラントもカッコいい!ベーシストはジョン・ポール・ジョーンズね。まあとにかくレジェンドバンドの一つなわけで、DEEP PURPLEと同様、“天国への階段/Stairway to Heaven”や”ロックンロール/Rock and Roll“を知らずにハードロックを語るのはいかがなものかと。前者に関しては…中学時代に友だちのHがコピーしていたし、ドラマ「3年B組金八先生」の中で野村よっちゃんが弾いていたってくらい定番中の定番なのね。歴史に残る名曲ですわ。静かに始まって徐々に盛り上がる、ある意味黄金のパターン!一方後者はボンゾーカルテット(本庄市「緑化祭」のイベントのために結成したバンド。ボンゾはジョン・ボーナム(Ds)の愛称で、それを純和風の「凡三」と当ててみた結果、ボンゾーと伸ばす発音に)でコピーしたし、HEARTやらGREAT WHITEやら枚挙にいとまが無いほどのバンドがカバーしている「基本中の基本」的楽曲なのです。あとは”Black Dog“も超有名。ツェッペリン初心者にはこのアルバムを強く勧めたい。
#145 / PRESENCE / 1976
★★★★★★

渋谷陽一が「プレゼンス」をZEPの「最高傑作」として、やたらと推していたから、ヤングジョッキーで“アキレス最後の戦い/Achilles Last Stand”が幾度となくオンエアされました。その10分半に及ぶ大作が収録された7thアルバムです。ZEPのアルバム中、あまり売れなかった作品になってしまったのは、同年に「永遠の詩/THE SONG REMAINS THE SAME」もリリースしたことによって売り上げが分散したから。ファンならばどちらも買うだろうけど、「にわか」も巻き込まないとスーパーヒットにはならないらしい。プレゼンス(存在感)というアルバムタイトルを表現したアートワークはヒプノシスで、ジャケ中央の黒い物体(モノリス的なもの)から、仮のタイトルは「オベリスク」だったそうです。ウチには中古で買ったと思われるレコードもあります。大胆にもオープニングに大作“アキレス…”を配置したもんだから、他の曲の印象が薄くなっちゃったね。個人的には“ロイヤル・オルレアン”くらいしか印象にないかも。その後(30歳頃)「アキレス」をコピーすることにもなり、再度、結構な回数聴かせていただきました。ただね、野外でグダグダの演奏を披露する羽目になるとは予想だにしませんでしたよ。前年のVAN HALENは1回合わせただけで上手くいってたからね。2~3回合わせて、そこそこの経験もあったから、なんとかなるだろうくらいに考えていたのが甘かった。曲が長くて覚えられないなんてね、ただ単に練習不足なんだけど、誰も正解に確信がないという、アイコンタクトとも呼べない、ただ顔を見合わせてるだけの地獄絵図でした(笑) 曲を知らない人ですら、我々の狼狽ぶりに「やらかしてる」のを察知したことでしょう。
★洋楽に目覚めた中学時代、唯一の情報源は渋谷陽一氏のヤングジョッキーでした。中3~高1の頃はハードロックのオンエア率が高く、眠ってしまわない限り録音してました。うちのラジカセにタイマー機能はなかったんだね。番組企画の「ハードロックベスト20」を録ったカセットテープは、それこそテープが伸びきるまで聴き倒しましたよ。家じゅうひっくり返せばまだどこかにあるかもしれません★ BURN/DEEP PURPLEに続く▶▶
309 / LED ZEPPELIN / 1969
★★★★★

ハードロックの歴史はここから始まった!ジャケにヒンデンブルク号爆発(子どもの頃「金曜スペシャル」等の衝撃映像番組で何度も見ました)の写真を使った記念すべきデビューアルバムです。御存知YARDBIRDSが分裂して1人残されたジミー・ペイジが、ニューヤードバーズとして集めたメンバーが、ロバート・プラント(Vo)、ジョン・ボーナム(Ds)、ジョン・ポール・ジョーンズ(B)でした。ハードロックファンなら誰でも知ってますね。“Good Times Bad Times”や“Communication Breakdown”が収録されたデビューアルバムです。おっと、ライブで有名な”Dazed and Confused/幻惑されて”を忘れちゃいけない。今作をハードロックの出発点の一つとしていいでしょう。コテコテのブルーズロックじゃないところが新しかった。サイケロックからプログレ方向に進化したのがKING CRIMSONで、ハードロック方向に進化したのがLED ZEPPELIN。そして今作がなかったらDEEP PURPLEの「IN ROCK」は生まれなかった。リッチー・ブラックモアのハートに火を付けたアルバムなんですね。ジョン・ロード主導のアートロックPURPLEからの脱却。そこで、演奏に負けないハードロック・シンガー、イアン・ギラン獲得となるわけだ。結果的に、プログレ方向に行きかけたPURPLEを思いとどまらせた功績は大きいかもね。ライバル関係にあったからこそ、両者とも横綱級に上りつめることができたに違いない。
#387 / LED ZEPPELINⅡ / 1969
★★★★★

ハードロックのオリジネーターは、やっつけ仕事感が漂う2ndアルバムでも絶好調。あまりにも慌ただしいスケジュールで逆にハイになったという、結果オーライだった作品らしいです。これまた歴史上重要なアルバムであるからして必聴ですね。全米/全英1位を獲得しました。しかもアメリカではビートルズの「アビィ・ロード」を蹴落としてのナンバーワン奪取というおまけつき。オープニングは、後々までバンドの代表曲となる“胸いっぱいの愛を/Whole Lotta Love”(全米4位)です。所謂ワナハラララ~だね。あとは、難解なイントロ(合わせるには阿吽の呼吸が必要)が印象的な名曲“Heartbreaker”も収録されています。ネタ元に抗議された“The Lemon Song”や、ボンゾのドラムソロをフィーチャーした“Moby Dick”も有名だ。ロバート・プラントは上手いのか下手なのかよくわからない。でもハイトーンと普通ヴォイスを上手に使い分けた歌い方が個性的だし、何より艶っぽいんだね。ヴィジュアルも含め、立ち居振る舞いに目を引かれてしまう。ジミー・ペイジもそう。重要なのはギターを低く構えること、そのせいでミスしても気にしない。ダブルネックのギターも実に絵になります。何より、このアルバムに限らず歴史的なリフやソロを残している「三大ギタリスト」だからね、後続バンドに与えた影響は計り知れないのです。ゆえに映像作品「狂熱のライブ」も必見です。
#493 / LED ZEPPELINⅢ / 1970
★★★★

収録曲の半分以上がアコースティックなフォークロック調の曲で占められた3rdアルバムです。最初の2枚に比べるとハードさは大幅に減退、かなり大胆な路線変更ではあるものの、ケルト音楽やウエスト・コースト・ロックに興味があったのは元々でしょう。その後の作品を聴けば、多様性を見せ始めた今作の方が、バンド本来の持ち味ということになるのかも。ちょっとやりすぎちゃっただけのこと。コレを経て“天国への階段”をはじめとする後の名曲が作られるわけだから、そういう意味でこの3rdは重要なんですね。売上は1300万枚を記録した前作の半分程度ながら、全英全米ともに1位を獲得しています。個人的にはオープニング曲“移民の歌/Immigrant Song”がダントツで想い出深い。バンドの代表曲でもあります。故ブルーザー・ブロディの入場テーマ曲としても使われていました。この曲で幕を開けるので今回も…と聴き進むと早くも2曲目で「おやっ?」となります(笑) 30歳の頃に地元の野外コンサートに出演するにあたり、”移民の歌”と”アキレス最後の戦い”他を演ることになったため、そのとき限りの”凡三(ぼんぞう)カルテット”と命名。もちろんボンゾ(ジョン・ボーナム)から頂きました。メンバーは、ニシキ(Vo&G)、師匠(G)、ヒロやん(B)、すーさん(Ds)。
#550 / THE SONG REMAINS THE SAME / 1976
★★★★★

ライブ・ドキュメンタリー映画「狂熱のライヴ」のサウンドトラック「永遠の詩(狂熱のライヴ)」です。のハズなのですが、曲順も収録曲も、曲によってはバージョンも違ったりするので、できれば両方チェックしたいところ。オーバーダブなしと言いつつも、異なるテイクを繋ぐなど、結構な編集の手が加えられているらしい。モンスター・バンド初の公式ライブながらあまり好評を得られなかったのは、ロバート・プラントのパフォーマンスに他ならない。1曲目の”Rock and Roll”からして、キーが低くてズッコケてしまう。”Black Dog”も同様で、もはや原曲のメロは失われ、言わばオールフェイク状態。オリジナルのスタジオバージョンを聴き込んだファンは殊更がっかりして当然だと思う。それでも演奏陣(ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナム)は問題なし。特にペイジは調子良さげなプレイを聴かせており、結局のところ全英1位/全米2位を記録してしまうのがレジェンドの証でしょうね。とにかく代表曲のオンパレードなので、お腹いっぱい楽しめます。1973年NYマディソン・スクエア・ガーデンでのセットリストの曲順で、2007年にリリースされた「最強盤」がお勧めです。曲順だけでなく、映画のみに収められていた“Black Dog”、“Heartbreaker”を含む6曲が追加収録されている。ただそのせいか、”Dazed and Confused/幻惑されて”はサントラより長く(29分超)、”No Quarter”、”Moby Dick”、”Whole Lotta Love”は短くなっている。「最強盤」で言うところのDisc 2は、プラントも含め素晴らしい出来です。さすがに”幻惑されて”は長すぎますが、それに続く”Stairway to Heaven/天国への階段”、”Moby Dick”、”Heartbreaker”、”Whole Lotta Love/胸いっぱいの愛を”の流れは文句なし。凡百のライブ作品との格の違いが分かります。ジミー・ペイジの下手なギター(いい意味で)や、ロバート・プラントのフェイク(悪い意味で)を堪能しましょう(笑) 同年リリースされた7th「PRESENCE」に続いて、アートワークはヒプノシスが手がけています。
#635 / HOUSES OF THE HOLY
★★★★★

シンセサイザーやメロトロンによるオーケストレーションが幅を利かせ、実験的な長い曲が多くなった5thアルバム「聖なる館」です。ハードさに欠けても全英/全米ともに1位は流石の貫禄ですが、評価が分かれた問題作でもあります。”The Song Remains the Same/永遠の詩”、“The Rain Song”、”Over the Hills and Far Away/丘のむこうに”(全米51位)、“No Quarter”、”The Ocean”などが収録されています。意外にもカリプソな”D’yer Mak’er/デジャ・メイク・ハー”が20位を記録しました。タイトルチューンもレコーディングされましたが、ご存じの通り次の作品「フィジカル・グラフィティ」に回されました。”流浪の民”と”黒い田舎の女”も然りで、とりあえず分かり難いことは止めてほしい(笑) しっかりしたアルバムタイトルを付けた最初のアルバムです。しかし今回もジャケに文字は無いのね。そしてこのジャケは、ヒプノシスの代表作にして問題作となりました。岩場を上る11人の子ども達(実態は二人の弟妹による様々なポージング。妹は3年後に「プレゼンス」のアートワークで再降臨)は、幻想的で美しいとしか思えないのですが、子どもとはいえケツが出ているのがマズかった。しかも撮影の舞台がアイルランドの世界遺産ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の石道)海岸ときたもんだ。色々盛ってあるけれどリアル石柱(4万本あるらしい)なんだって。芸術性が高いのを認められてか、発禁や差し替えはなく、帯やらタイトルやらで臀部を隠してめでたしめでたし。否、ヒプノシスにしてみれば芸術が台無しですわ。あと数年リリースが遅かったらSCORPIONS同様差し替えだったかもしれませんね。プログレの如き多様性を見せた中身は悪くないと思いますが、ジャケに負けている感は否めない。
#761 / PHYSICAL GRAFFITI / 1975
★★★★★

6thアルバム。“Custard Pie”とか“The Rover”とか“Kashimir”など収録した2枚組です。何だろね。この不思議な魅力は。一流バンドに共通するケミストリーとでも言いましょうか。ところがこの作品は『Ⅲ』と『Ⅳ』と『聖なる館』のアウトテイクの寄せ集めなんだぜ!「ハードロックの元祖」たる楽曲が半数を占めているとはいえ全体的にはノージャンルに聴こえるのはそのせいなんだね。それぞれのアルバムからは多少浮いてた曲?でも結果的にはボツ曲集どころか色んなパートを持つプログレ大作の如しですよ。ZEP印のオーラを纏えばどんなタイプの楽曲でも許されてしまうというマジック。1500万枚売れたってさ。これぞ伝説。ヴォーカル耳ではよく分からないけどボンゾのドラミングが冴えわたってるアルバムでもあるらしいよ。
#1022 / CODA / 1982
★★★★

ラストアルバムが9thだったとは…意外と少なかったんだね。恥ずかしながら、この「最終楽章」をしっかり聴いたのはごくごく最近なのです。ZEPは「PRESENCE」までしか聴かなかった。他に聴きたいバンドが山ほどあったから、古いロックの優先順位は格下げに。そんな折、ジョン・ボーナムが急逝したんだね。で解散したわけさ。ふつうにZEPらしい曲が収録されてはいるけれど、これはアウトテイク集。だから、ラストアルバムと呼べるのは前作でしょ。華がないし、キラーチューンとは言わないまでも、お約束の大作がない。印象に残るのは「Ⅲ」のアウトテイクでありフォークロック調の“Poor Tom”くらいか。変則チューニング?ペイジがアコギを弾く時に使う技だね。その他、ボンゾのインストはさすがに感慨深かった。デビューアルバムを除くこれまでの全てのスタジオアルバムがUKチャートで1位を獲得していましたが、さすが4位止まりでした。ジャケは一応ヒプノシス。