PRETTY MAIDS
PRETTY MAIDS(Denmark/丁抹)
#63 / RED, HOT & HEAVY / 1984
★★★★★

第1期北欧メタルのデンマーク代表はこのバンドで決まり。デビュー・フルアルバムとなっております。イントロダクションのカルミナ・ブラーナからファストチューンの“バック・トゥ・バック”で背筋がゾワーっとなるかならないか?(もしくはガッツ・ポーズが出るか出ないか?)がポイントでしょうね。お約束の劇的ツインギターも炸裂します。まあ個人的にはこれだけで十分なんだけどね。あからさまな北欧メロは感じられないかもしれませんが“Waiting for the Time”や“Queen of Dreams”あたりの歌メロには数年後の北欧メタルの行く末が見え隠れしているから面白い。B面にも疾走チューンが配されバランスのとれたアルバムだと思う。ひとつ問題があるとすればヴォーカル、ロニー・アトキンスの声質かな。力強くはありますが、好き嫌いが分かれるタイプだと思います。北欧メロを歌うには暑苦しいと思うのですが、いかがでしょう。
#679 / FUTURE WORLD / 1987
★★★★★

中古レコードを買いました。アルバムタイトルどんぴしゃのジャケですな。
総じていい曲を作ってるんだけど…ヴォーカルが曲に合ってないと常々思ってました。違う人が歌ったらもっと自分好みのバンドになるのに。惜しいよね。似たようなバンドとの差別化という意味ではいいのかもしれない。個性といえば確かにそうだけどさぁ、ハスキー系を通り越して何か濁ってるんだよね。この汚さ、HAREM SCAREMのハリー・ヘスも然りです。まあ突き詰めれば…単に好みの問題でした!
#878 / SIN-DECADE / 1992
★★★★

というわけで…JOHN SYKESの名曲“Please Don’t Leave Me”の傑作カバーを含む4thアルバムです。前作のポップ化で一旦見切りをつけてたから、コレ目当てで買ってコレばっかり聴いてたわけで…ところが蓋を開けてみるとカバー以外はハード路線復活で“Back to Back”的な曲はいいと思えました。それにしても相変わらず暑苦しい声だね。声ばかり気にしていると北欧産であることを忘れてしまいますな。件のカバーは抜群の出来。特にヴォーカルのナチュラルな出だしといつもの暑苦しいサビの対比ね。緩急自在じゃん!リラックスして歌ってるのが新鮮でいい。全体からは完全に浮いているカバー曲が起死回生の一発になってしまったのだから本人たちも訳が分からんでしょう。ヒットさせたくてポップ化してみたけど失敗して、元に戻したらシャレで入れたカバーが成功。まあ結果オーライってことで。
#1837 / JUMP THE GUN / 1990
★★★★

DEEP PURPLEのロジャー・グローバーがプロデュースした問題の3rdアルバムですね。ドラマーが事故で重傷を負ったことによりイアン・ペイスが1曲叩いてます。前作もまあまあアメリカナイズされた作品で、あの北欧メタルを期待していただけにガッカリしました。EUROPEの件もあるので「やっぱりね」とも思ったけどね。中古とはいえレコードを買った作品でもあったので、結果的にはよく聴いたアルバムでした。同じ路線の素敵なジャケの今作ですが、プロデューサーのおかげで(せいで)よりアメリカナイズされた印象です。もはや北欧のグループという感覚は無いかな。ロニー・アトキンスのクセが強い声があるから当該バンドだと認識できるけども。ポップな曲はあれどコレといったキラーチューンが見当たらないのが痛いね。シンガーは個性的で、ハードなギターが鳴っていても、物足りなく感じてしまう。劇的な曲展開とかツインギターとか明確な北欧メロとか…。つまりですね、リアルタイム組としては元に戻ってほしいということなんだな。