IN FLAMES
IN FLAMES（Sweden/瑞典）
#1421 / THE JESTER RACE / 1996
★★★★
イェスパー・ストロムブラード(G)を中心に結成されたメロデスバンドであり、イェーテボリ出身という点はDARK TRANQUILLITYと同じ。実際両バンドの親交は深く、レコーディングにはミカエル・スタンネが参加しております。ちなみにHAMMERFALLという両者の合体バンドも。イチオシはヴォーカルのアンダース・フリーデンが加入した2ndアルバムにしました。全体的に聴きやすい音造りのメロデスって感じかな。これはプロデューサーのフレドリック・ノルドストロームの手腕と思われますが、バッキングのギターなんかは随分歪んだ音なんだけどマイルドに聴こえるし、デス声も耳触りではありません。高音を抑えてるのかね、喧しくない。スピード感がさほどないのでアグレッシブさに欠けるというマイナス面も。北欧メロもあまり感じられず、こうなるともう北欧メロデスの範疇ではないかも。とにかく最大のウリは哀愁のメロディを聴かせるギタープレイですね。これは流石と言うほかございません。音楽性が徐々にメロデスではなくなっていくのでこの時期の作品は貴重だし、聴きやすさという点でも入門編にお勧めです。ジャケはレベルアップしたリイシュー盤を載せました。
#1685 / LUNAR STRAIN / 1994
★★★★★
北欧メロディック・デスメタルを語るうえで欠かせないバンドの一つですね。と言ってもメロデスだった時期は短かかったりする。2ndが気に入った勢いでその後も数枚買い続けましたが、メロデス度は低下するばかりでいよいよ5thで見切りをつけました。結果的に最もメロデスしてたのはこのデビューアルバムだったりするわけね。ヴォーカルはDARK TRANQUILLITYのミカエル・スタンネがヘルプ。そしてイェスパー・ストロムブラードはドラマーでした。曲作りはイェスパーとギターのグレン・ユングストロームが中心で…グレンは3rdまでで脱退。後にHAMMERFALLやDEMENTION ZEROで活動します。とりあえず北欧メロ満載のお勧め盤です。日本盤にはボートラとしてミニ・アルバム「SUBTERRANEAN」をすべて収録。デス声は気になるといえば気になるけども、それ以上に聴き耳を立てる場面（アコギ、ヴァイオリン、女声など）が多いから大丈夫(笑)。曲単位では大したことはなくても、アルバム全体としてはアイデア満載でいいと思う。ベースになっているのは毎度お馴染みの北欧のあのお話でしょうか。ボートラ扱いの“Stand Ablaze”はいい曲だね。かつてB誌M氏が絶賛していた記憶があるけど、これには素直に同意いたします。先述ミニ・アルバムを含めボートラ扱いの楽曲の方が総じて出来がよく…星の数はボートラ込みの評価ね。
#1878 / WHORACLE / 1997
★★★★
メロデス・オリジネーターの3rdアルバム。より普遍的なHMに近づいてはいるものの、一応メロデス臭が残っており悪くはない。デス声がメロディ・リフに乗って…スピード感はないんだけれど、動と静のコントラストで聴かせる手法が素晴らしく、流石というほかないです。メロデスを進化させようとすると結局こうなるのね。当時はこのメロデス度の減退がイマイチだと思ってたんだけども、歳とったんだろうね、今聴くと丁度いいんだなこれが。ジャケにもそそられる。インスト曲”Dialogue with the Stars”がカッコいいです。意表を突くDEPECHE MODEのカバーあり。そしてボートラに”Behind Space”のライブ音源が収録されておりまして…やっぱガッツリメロデスの方がカッコいいなんて思ったりして。今作をもってギターの片割れとベースが脱退、DIMENTION ZEROを結成します。今回もプロデュースはフレドリック・ノルドストローム。中心人物でありギタリストのイェスパー・ストロムブラードは、サイドプロジェクトだったHAMMERFALLでデビューアルバム「GLORY TO THE BRAVE」をリリースしました。この後5thまで聴いて私はIN FLAMESを卒業しました。
