ARTI+MESTIERI
ARTI+MESTIERI(Italy/伊)
#296 / TILT / 1974
★★★★★
アルティ・エ・メスティエリと読みます。そのデビューアルバムである今作は、シンフォニックジャズロックの名盤とされています。ジャズロックが苦手だとちょっと厳しいかも、と思うでしょ?ところがコレがそうでもない。リズム陣とサックスを聴いている限りはジャズロックなんだけど、ギター、ヴァイオリン、メロトロンにシンセ、そして何よりボーカルパートの存在により、ジャズロックだってことを忘れてしまう瞬間が多々あるんだね。つまり起伏があるから飽きずに聴けるということ。例えば、4曲目のように途中から盛り上がるパートがある曲で、フリオ・キリコの千手観音の如きドラミングが一層際立ちます。ジャズロックはさておき、いきなりイタリアン?と二の足を踏むようであれば、まず英国カンタベリー系のバンドを聴いてみるのもいいかも。ジャズロックへの耐性テストとして。ジャズロック系のプログレはバカテクの宝庫ではあるけれどノリが独特でしょ?だからあまり好きじゃなかったのね。当初はこのアルバムも例外ではありませんでした。ところが、その後カンタベリー系のアルバム(SOFT MACHINEとか)を何枚か聴くうち、楽しみ方がわかってきたのかな、もちろん依然として好きなスタイルのプログレではないけれど、いつのまにか大丈夫になっていた。ジャズロックに免疫の無い人は、フュージョン色の強い2ndを先に聴くのがベターかもしれません。
#1082 / GIRO DI VALZER PER DOMANI / 1975
★★★★
千手観音フリオ・キリコ率いる凄腕たちの2ndアルバム“明日へのワルツ”です。サウンド的には前作とほぼ同じなんだけどね、ジャジーな要素が強くなったかな。ジャズロックというよりフュージョンと言った方がいいかもしれませんが。とにかくドラミングに耳を奪われますね。そりゃあもう隙あらば叩きまくってますよ。いや、隙が無くても叩きまくってる。まあ他の人たちも弾きまくってるからいいのか。歌モノでもムーディーな曲でもお構いなしなのである。時にはフュージョンもいいな、と思いました。確かなテクニックで安心して聴けるからいいね。複雑なリズムに身を委ねてみますか。