Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

10CC

10CC(UK/英)

#89 / THE ORIGINAL SOUNDTRACK / 1975

★★★★

10cc the original soundtrack (320x320)

アメリカのSPARKSと同様に、ジャンル分けに困る素敵な音楽を演っている不思議なグループです。60年代からビートバンドで活動していた4人のメンバーによるケミストリー!ギタリストでデビューしたエリック・スチュワート。ケヴィン・ゴドレイとロル・クレームはバンドメイト(ゴドレイ&クレーム)。ライバルバンドにいたグレアム・グールドマンがクレームの曲を採用したり、ゴドレイを引き抜いたり、しかもグールドマンはYARDBIRDSの“For Your Love”の作者だったりしてね、ヒット曲が書けるソングライターでした。紆余曲折を経てスチュワートとグールドマンが合流、そこにゴドレイとクレームが加わったというわけ。エピソードにYARDBIRDSが出てくるくらいだから、バンドの歴史は相当古いね。さて10CCによる最高傑作ですが、タイトルに騙されてはいけません。コレは映画のサントラなどではなく通常の3rdアルバムです。そして収録された1曲のために買っても損がないアルバムと言っておきましょう。その1曲とは…不思議なギズモ(ギターアタッチメント)サウンドを駆使した珠玉の名曲“ I'm not in Love“ですね。ぶっちゃけロックでも何でもないけれど、名曲はジャンルを超えるということさ。いいものはいいのだ!全体的にはゴドレイ&クレーム組の影響でプログレと言えなくもない(オープニングは”パリの一夜/Nuit a Paris, Pt.1:One Night in Paris/Pt.2:The Same Night in Paris“という組曲)ですが、これはやはり極上のポップアルバムでしょう。”人生は野菜スープ/Life is a Minestrone“も素敵です。ジャケはお馴染みのヒプノシス。もうひとつの名曲“愛ゆえに”も聴きたいというあなた!「DECEPTIVE BENDS」も是非ゲットしましょう。「いや2曲だけでいいんだけど」というあなた!ベスト盤でも聴いててください。コンピでもいいかも。少なくとも”I’m not in Love”はそこら中のコンピで見かけますので。



#468 / HOW DARE YOU! / 1976

★★★★

10cc how dare you (320x320)

全英4位/全米15位の大ヒットを記録した「オリジナル・サウンドトラック」に続く4th「びっくり電話」です。前作からの勢いも手伝って、今作も全英5位/全米47位に到達したのですが、良質なポップ作品ではあるものの少々盛り上がりに欠ける淡々とした仕上がりに。音楽性に関する、メンバー間の意見の対立が反映されたものと思われます。これにより、ゴドレイ&クレームのギズモ組が参加した最後の作品となりました。そもそもこの技術系2名と、純粋にいい曲でヒット曲を飛ばしたい芸術系グールドマン&スチュワート組のアンバランスの妙が、10CCというグループの独自性だったのにね。最後は「バラードをやろう」「そんなのできねえ」という経緯で脱退したんだとか。事情を知って聴くと感慨深いかな。名曲を生み出したオリジナルメンバー最後の作品だから聴いておきましょう。前作収録の名曲“I’m Not in Love”は全英1位/全米2位の大ヒットだったので別格ですが、今作からは“Art for Art’s Sake/芸術こそ我が命”(全英5位/全米83位)と“I’m Mandy Fly Me/アイム・マンディ”(同6位/60位)が売れました。前述のような経緯でゴドレイ&クレームは脱退。自分たちのバンドでギズモミュージックを発表したのですが、何とも微妙な作品でした。かなり溜まってたんだろうね、やりすぎちゃったみたい。メンバー4人で10CC。この時点で5CCになってしまいましたが、後に15CCになります(笑) 今回のアートワークも御用達ヒプノシス。刑事コロンボの一場面みたいな表ジャケですが、アルバムタイトルの「How Dare You」(なんてことを!)という驚きや非難を表す電話での決まり文句が似つかわしい場面というコンセプト。裏ジャケも別の2人による同様のシーンで、中ジャケに至っては総勢34名(各場面に写り込む謎のカップル、10CCのメンバーを含む)のカオス状態。これを「びっくり電話」としたわけだ。ご苦労様です。



#781 / DECEPTIVE BENDS / 1977

★★★★

10cc deceptive bends (320x315)

ケヴィン・ゴドレイとロル・クレーム脱退後の5th『愛ゆえに』です。いいねコレ。10CCの2大いい曲の1つ“愛ゆえに”が別格ではあるものの他の楽曲も明るくていい。高邁芸術路線コンビが抜けて聴きやすくなったというか、残されたもう一方の頭脳グレアム・グールドマンとエリック・スチュワートの「心機一転」感が漲っているんだね。『オリジナル・サウンドトラック』なんて“アイム・ノット・イン・ラヴ”だけじゃん!などとは口が裂けても言えませんが、2人の脱退でバンドはいい方向に向かったんじゃないすか!?メル・コリンズ(Sax)がクレジットされてるけど…クリムゾンとかキャメルだったこともあるあの人なのかな? ジャケは当然ヒプノシス。



#838 / SHEET MUSIC / 1974

★★★★

10cc sheet music (320x320)

プログレ度が高いと言われている2ndアルバムです。メンバーはエリック・スチュワート、グレアム・グールドマン、ロル・クレーム、ケビン・ゴドレイの4人。次回作の”I’m not in love”のような珠玉の名作は無いものの、バラエティに富む内容でアルバム全体としてはこっちの方が断然いいね。単純に楽しめる。メンバー4人の才能が絶妙にブレンドされた10CC全作品中最も総合力の高いアルバムではないでしょうか。ギターの歪みが激しくヴォーカルのエフェクトにも歪み系が使われてる。もちろんギズモも。ただし…メロトロンなんかもそうなんだけど、意識して聴かないと耳が勝手にスルーしちゃうんだな。ギズモの音に興味があるならヘッドホンで集中して聴いてみましょう。ジャケはここからヒプノシスが担当。



#1045 / BLOODY TOURISTS / 1978

★★★★

10cc bloody tourists (320x318)

ゴドレイ&クレームが脱退し5CCになって2作目、6thアルバムです。シングルカットされ全英1位になったオープニングの”Dreadlock Holiday”は良い線いってるし、2曲目もいい。各曲ちょっとしたヒネリも効いてる。でもね、これまでのプログレ一歩手前みたいな音楽性が好きだったから(最後の曲はプログレ風味あり)ポップスとしては良質であっても、個人的には少々刺激が足りない。前作「愛ゆえに」でギリだったね。前作は5CCでヒットを飛ばすって意気込みからか10CC派を黙らせる珠玉のメロディを捻り出してた。とはいうもののコレは好みの問題ですので。ハードロックやプログレに特に拘りがないのなら今作は高品質のポップアルバムだ。むしろ5CCの方が好きって人もいるよね。音楽を聴き始めた時期もポイントかもしれない。ジャケはやっぱりヒプノシス。



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