ORIGINAL SOUNDTRACK
ORIGINAL SOUNDTRACK
#501 / MELODY / 1971 / UK
★★★★★★

「小さな恋のメロディ」のサントラです。映画は本国やアメリカではヒットしませんでしたが、半世紀の長きに亘り生産され続けているモンスターアルバムなのさ。ただし売れているのは映画も含め日本だけの話。しかも当然限られた年齢層のみということになる。それでも売れるわけだから、映画界のBig in Japanと言えるかもね。BEE GEESの曲が効果的に使われています。で、そこに数々のインストが散りばめられ最後の締めがCSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)の”Teach Your Children”という構成。木曜洋画劇場のエンディングテーマとして長らく使用されてすっかり刷り込まれている曲(”Romance Theme in F/Fのロマンス・テーマ”も収録されてるよ。全て既発曲で特に映画のために作られたものではありません。冒頭の“In the Morning”(及びこのメロを使ったインスト)に始まり、“Melody Fair”(+インスト)、”Give Your Best”、“Love Somebody”、“First of May/若葉のころ”(+インスト)など、それぞれのシーンがハッキリと思い浮かびます。映画を何度も観ている人にとっては、アルバム自体がストーリーになっていると思う。なので、映画ファンならばマスト、ファンならずともビージーズですからオススメです。ジャック・ワイルドは2006年に53歳で亡くなってしまいましたが、作品はまだまだ語り継がれていくことでしょう。 少なくともここ日本では。昨日「東野圭吾ミステリーズ」の再放送がありました。三浦春馬と波留が主演した第8回のタイトルは「小さな故意の物語」、チッチとサリーの4コマ漫画より今作を思い浮かべた人も多いのでは。
#504 / ROCKY / 1976 / US
★★★★

第49回アカデミー作品賞受賞作品のサントラです。プロデュース、作曲および指揮はビル・コンティで、ハリウッドスタジオ交響楽団が演奏を担当しました。そしてボーカルが2名。ロッキーはシルベスター・スタローンの当たり役の一つ。「エイドリア~ン!」はフランシス・フォード・コッポラの妹で、ニコラス・ケイジが甥っ子。「ゴッドファーザー」でもファミリーの一員でした。暗めの映像が絶妙(「ランボー」の1作目もしかり)だし主要なキャストが皆自信なさげで人間くさいところがいい。 特にエイドリアンのお兄さん(バート・ヤング)の「俺をもっとリスぺクトしやがれ」は、ひねくれっぷりが切なすぎる名シーンでした。必ずしもボクシングに焦点が当たっていなかったりするし、結局負けるし。シリーズ化されるROCKYですが2作目以降は普通のボクシング映画という印象。やはり人間ドラマとして秀逸な第1作でした。だからこそのアカデミー賞なんですね。そして特筆すべきあの有名なテーマ曲には、誰しもがポジティブになれるはず。「疲れた~、もういいや!」みたいな時にアレを聴くとまたやる気になる。条件反射ですね。一定の年齢以上であれば絶対に聴いたことがあると思われる”Gonna Fly Now/ロッキーのテーマ”(全米1位)がソレ。この高揚感はハンパじゃない。これを聴いてアドレナリンが放出されない方がおかしい。あとは”Going the Distance/ロード・ワーク”、”Fanfare for Rocky/ロッキーのファンファーレ”、”Alone in the Ring/孤独のリング”、”The Final Bell/最終ラウンド”あたりがハイライトでしょうか。
#578 / NASHVILLE / 1975 / US
★★★★

キース・キャラダインの“I’m Easy”が聴きたくて、その1曲のためだけに買いました。最初は唯一入手可能だったキースのアルバム(ベスト)を買ったわけさ。もちん“I’m Easy”が入ってたから買ったんだけど、まさかのヴァージョン違いという悲劇。下調べしないとね、古い作品ではありがちかも。じゃあ「サントラだ!」とコレを入手したという経緯です。実は映画を見たのはエアチェックから暫く後のことで、当該曲が映画の挿入歌だってことをその時まで知らなかったのね。「M★A★S★H」のロバート・アルトマンが監督した個性的な群像劇でね、サントラを買ってもいいと思わせてくれたよ。というわけでお目当てのヴァージョンをやっと手に入れることができたぞと。映画同様に、心地よい雰囲気が伝わってくるいいアルバムです。とあるカントリーミュージックフェスの話なんだけどね、歌手役で出演している人たちの曲が収録されています。実際、上映時間のうち1時間は歌の場面だったりします。ロニー・ブレイクリーやカレン・ブラックといった、歌が得意な女優陣が華を添えている。カントリーと言ってもニータカニータカした曲ばかりではなく、意外とバリエーションは豊富。古き良き時代のフォークソングってのも、郷愁を誘われ実に趣があります。アコギ、バンジョー、フィドル、ハーモニカ、アコーディオンetc。たまにはこういう楽器の音色を聴くのもいいね。ちなみに件の”I’m Easy”はアカデミー歌曲賞を受賞したヒット曲。だからこそ76年あたりにラジオで流れていたんだね。映画で印象的だったのは(キースは別として)御大ヘンリー・ギブソン。この小男が映画のオープニングで“200 Years”を威風堂々と歌う様は、さながらカントリー界のロニー・ジェームズ・ディオという雰囲気です。
#1000 / AMERICAN GRAFFITI / 1973 / US
★★★★★

今さら説明の必要もない、御存知アメグラのサントラですね。もちろん「映画の小部屋」でも紹介済みの大好きな映画です。同世代でこの映画のファンは多いと思うよ。多感な時期に見てるから、強烈な印象が残ってるんだね。1962年の夏(私が生まれたのは秋)サンフランシスコの郊外(私が生まれたのは品川区)が舞台のワンナイトものなわけで、挿入されている音楽は現在オールディーズと呼ばれているジャンル。つまり舞台設定当時に聴かれていた50年代~62年にかけてのヒット曲というわけ。古すぎるとはいえ、さすがに聴き覚えがある曲が多い。ちなみに2枚組で40曲以上収録。当時の曲は短いのです。今ウチにあるCDは最愛の教え子、啓子ちゃんのCDだと思う。どういう経緯だったか忘れたけど、多分かれこれ20年ウチにある。そのうち返す機会もあるのだろうか。そういえば数年前、30年の時を経て演劇部の先輩にレコード「中川イサト/1310」を返却しました。そういうこともあるからね。数年に1度のペースでメールはあるものの、もう7~8年会ってないんじゃないか?子どもたちも大きくなっていることでしょう。ちなみにアメグラが公開され、コレがリリースされた1973年に啓子ちゃんは生まれてるんだね。
#2288 / THE STING / 1974 / US
★★★★★

名作アメリカ映画「スティング」のサントラです。第46回アカデミー作品賞受賞。監督はジョージ・ロイ・ヒル、言わずと知れたポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのダブル主演です。音楽を担当したマーヴィン・ハムリッシュもアカデミー賞を受賞しましたが、殆どの曲はラグタイムの第一人者であるスコット・ジョプリンの曲を編曲したものです。ラグタイムとは、主にピアノ演奏において、シンコペーション(リズムの強調、裏打ち)を多用したメロと、マーチ的伴奏を融合させた黒人特有の演奏スタイルだそうです。ボディを叩いてリズムを強調するのはギターでもできるし、泉谷しげるとか中川イサトといったフォーク畑の人の楽曲にも〇〇RAGなんてのがありますね。従来のクラシック音楽のリズムに比べるとズレているということで、ラグタイム(ragged-time略してragtime)のragの語源になったという説があるらしいよ。ちなみに遅れという意味ではlagであり、time lagですよね。本編とのラグが生じてしまいましたが(笑)、映画の大ヒットもあり、アルバムは全米1位を記録しました。特に有名なのはテーマ曲である”The Entertainer”(映画音楽史に残る名曲)ですが、サントラのいいところは曲を聴くことでそれぞれの場面が思い浮かぶところ。映画音楽のコンピレーションは有難いアイテムですが、本当に好きな映画なら(個人的ベスト10とか)OST購入もアリでしょう。DVDを持ってるなら要らないか!?