RUNNING WILD
RUNNING WILD(Germany/独)
#584 / DEATH OR GLORY / 1989
★★★★
SCORPIONSやACCEPTに次ぐ古株ジャーマンメタル・バンド(GRAVE DIGGERやSINNERと同世代かな)の5thアルバムです。バンド名はJUDAS PRIESTの曲から頂いたそうです。「海賊」というコンセプトが確立したのは3rdアルバム「UNDER JOLLY ROGER」からで、そのあたりから気になり始めて7th「PILE OF SKULLS」まで追いかけてみた。それ以前に2ndも聴いたはずだが…その時点ではイマイチだったと記憶している。ロックン・ロルフ(Vo&G)のワンマンバンドなんですね。ヴァイキング・メタル(ジャンル的には違うと思う)にシフトしたのも彼の鶴の一声と推察される。音楽的にはACCEPTの勇壮漢メタルにジャーマンメロを加味したスタイルでしょうか。メジャーになりきれない原因は良くも悪くもロックン・ロルフの一途さに尽きる。どのアルバムを聴いてもほぼ同じような事を演ってらっしゃる。でもね、ジャーマンメタルの歴史を知る上でも聴いておかないとマズいと思うわけ。そこで今回は一般的に評価が高い(賛同いたします)コレをお勧めしておきます。アルバム冒頭は毎度お馴染みの勿体つけた(笑)イントロダクションを含む“Riding the Storm”で決まり。ハイライトは終盤に配置されたタイトル曲~ラス前の大作“Battle of Waterloo”でしょう。ここにランニング・ワイルドが集約されていると思う。
#1413 / PILE OF SKULLS / 1992
★★★★
以前UDOに引き抜かれたドラマーを引き抜き返して(ついでにベーシストもUDOから引き抜いて…倍返しだ!)製作された7thアルバムです。果たしてリズム陣は強化されたと拙い耳ながら思われます。全体的に聴きやすい音になったんじゃないかな。楽曲も充実しており、何なら先に紹介した「DEATH OR GLORY」よりも出来がいいかもしれない。オープニングの勇壮なインストパートからのファストチューンで掴みはバッチリ。折り返しの6曲目で再びインストパートを挟んでからのタイトルチューンで第2幕がスタート。それに続く“Lead or Gold”や“White Buffalo”、そしてトリを飾る10分超えの大作“Treasure Island”への流れは圧巻です。ちょっとしたサビメロに拘りが見て取れる。ところで今作もヴァイキングがテーマとなっているのでしょうか?最後に宝島に到達したみたいだから…そうなんでしょうね。次作から有名ドラマーのヨルグ・マイケルが加わりますが、実はそこから全く聴かなくなりました。
#2060 / BLAZON STONE / 1991
★★★★
「DEATH OR GLORY」に続く6thアルバム「秘められた紋章」です。バンド史上最も売れたらしいよ。それにしても、ちょいちょいメンバーが変わるバンドだね。今回もギターの片割れ(後任はパイステの社員。脱退後にパイステに戻り最終的にCEOになったそうだ)とドラマー(後任はバンドのローディー:ヘアスタイリスト兼務)が交代している。けれど、毎度おなじみのイントロダクションから繰り出されるタイトルチューンから当然コテコテ・バイキング・メタル。まあね、ロルフが指揮棒を振るっている限りメンバーチェンジなんて関係ないわけさ。ロックン・ロルフ=RUNNING WILDなのだ。予定調和の勇壮メロが肝。8名のバッキングヴォーカル隊が参加したA面ラスト”Little Big Horn”(カスター将軍が戦死したリトルビッグホーンの戦い)とB面ラスト”Heads or Tails”がアルバムのハイライトでしょうか。その他だとベーシストのヤンス・ベッカーの作品が3曲あって、そのうちのひとつは”Over the Rainbow”というベース主導の素敵なインスト。日本盤ボートラ(オーラス)にTHIN LIZZYの”虐殺/Genocide(The Killing of the Buffalo”を収録。コレはイマイチ。ヴォーカルのリバーブ過多は相変わらずの拘りか。ジャケはいいけど、やっぱ前作には及ばない。