KING DIAMOND
KING DIAMOND(Danmark/丁抹)
#287 / FATAL PORTRAIT / 1986
★★★★★

MERCYFUL FATE解散後、シンガーのキング・ダイアモンドが自身の名を冠したバンドを結成してリリースしたデビューソロアルバムです。マー氏フル・フェイとの盟友2名に加え(ハンク・シャーマンは不参加。てか参加したらマーシフル・フェイト)ギターには元EFバンドのアンディ・ラ・ロック、ドラマーには後にMOTORHEADで活躍するミッキー・ディーが参加。ミッキーは現在SCORPIONSのメンバーなんですと。びっくりだね。アリス・クーパーに触発されたキング・ダイアモンドはウォーペイントという例のメイクを採用。マーシフル・フェイトはダーク・メタルの雄となりました。バンド名は変われど、やってることはほぼ変わらず抒情的でちょっと不気味なヨーロピアンハードですね。マーシフル・フェイトとは違うことを期待してレコードを買ってしまいましたな。色眼鏡で見られるタイプのバンドだからね、まあ気持ちはわかるけど、アリス・クーパーに憧れちゃってるわけだから、温かい目で見守ってあげましょうよ。実際稀有なシンガーですよ。中音域と高音域の連続技はやっぱ凄いでしょ。そりゃ興味はそそられるさ。このアルバムに特に想い出が無いのであれば次の「ABIGAIL」をおすすめしますが、今作を手に入れたいならリマスター盤を。デビュー曲“No Presents for Christmas”をボートラ収録。
#687 / ABIGAIL / 1987
★★★★

キングがEF BANDのアンディ・ラ・ロックと組んだバンドの2ndアルバムです。1stはレコードを買ったけどこの2ndは買わなかったんだね…当時の気持ちは覚えてませんが、1枚でおなか一杯になってしまったからかもしれない。キングの歌唱はクセの塊だけど嫌いではないです。個人的にはLIZZY BORDENと同じカテゴリーですから。今回は北欧メタル旋風後の作品なので美旋律の要素もうかがえてツインリードも炸裂するコンセプトアルバム(ローズマリーの赤ちゃん+悪魔の棲む家的なストーリー?)となっております。コレがバンドの最高傑作と言われているようだね。良くも悪くもキングのやりたい事ができてるんじゃなかろうか。ハンク・シャーマンという堰が無くなったもんだから、ホラーメタルのアイデアが溢れてくるんでしょうな。アンディはキングのイメージを具現化する役割に徹しているのでしょう。ホラーがテーマでも、分かり安いコンセプトでほっこりしてしまう(笑) 表題曲のエキゾチックなイントロは耳に残りますな。ラストの“Four Horsemen”も締めにふさわしい。エンジニア兼が弾く鍵盤もホラーな楽曲を盛り上げてる。
#1699 / A DANGEROUS MEETING / 1992
★★★★★

MERCYFUL FATEもKING DIAMONDもそれぞれ復活作(「TIME」と「THE SPIDER’S LULLABYE」)をチェックしてみたけれど、まあ特に響くことはなくその後の作品は全く聴いてません。レコードを買ったりもしたけど(1枚だけね)そもそもそこまで入れ込んでなかったし。「MELISSA」や「ABIGAIL」が名盤とされているから聴きたいんだけど、現状ヤフオクでも高値が付いててで手が出ない…なんて人もいるでしょ?そこで今回のお勧めはこちらの1枚。キング・ダイアモンドのデビューから10年を振り返るベスト盤です。クセ100%のファルセットを堪能できます。ハンク・シャーマン、アンディ・ラ・ロック両名のギターも。リリース順に収録されているので分かり安いね。「THE BEGINNING」から2曲。この初期作品における普通声とファルセットの切り替えは凄い。「MELISSA」から2曲。「DON’T BREAK THE OATH」から3曲。以上がMERCYFUL FATEのアルバム。そしてKING DIAMON時代は…「FATAL PORTRAIT」から3曲、「ABIGAIL」から2曲、「THEM」「CONSPIRACY」「THE EYE」からそれぞれ1曲となっています。敢えて1曲飛ばしましたが、KING DIAMOND最初の作品(12インチシングル)にしてこれが一番のお気に入り。“No Present for Christmas”だよ。真面目なんだかふざけてるんだかよくわからないけど素晴らしい出来栄えだ。それにしても、クリスマスにプレゼントあげないとか(笑)可愛い悪魔だな。ジャケもいいね。バンド・ロゴもいい。