WALLENSTEIN
WALLENSTEIN(Germany/独)
#672 / COSMIC CENTURY / 1973
★★★★

71年に結成されたプログレッシヴ・ロック・グループ、ヴァレンシュタインの3rdアルバムです。ベーシストが交代し、バイオリン奏者が加わったことで、ハードロック寄りのサウンドがよりプログレ方向へシフトした作品。クラウトロックのテイストが残る変拍子など無縁なストレートな楽曲に、バイオリンがフィーチャーされているという稀有なシンフォニック・ロックです。例の電子音ジャーマン系じゃないから聴けちゃうという、まだまだハードロック色が残る不思議且つ絶妙な1枚に仕上がりました。ハード部門を一手に担っているのはギタリストに他ならない。何ならこのギタリストだけがハードロック好きなのかもしれないね。我が道を行くギターの淡々としたリフやリズムが特長と言えば特長かも。最後のインストではブルーズテイストのギターが炸裂、ハードに決めたデビッド・ギルモア的なプレイ(ズバリ”Money”)が披露されますが、この節操の無さもまた魅力だったりする。英国風だけどドイツ臭がしっかり残っていて、それが個性になってるみたいだね。裏ジャケの曲名の上に「The Symphonic Rock Orchestra」との表記 あり。言われてみれば確かにそうかもと妙に納得してしまう。なら目標達成してるじゃん。一応プログレの括りではあろうが、ちょっと違う気がします。プログレというジャンルの中でも外側に位置していると思う。