Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

STYX

STYX(US/米)

#162 / PIECES OF EIGHT / 1978

★★★★

Styx pieces of eight (320x320)

KANSAS、BOSTON、JOURNEY、TOTOと共に、アメリカンプログレ(プログレとアメリカンロックの融合)というジャンルに括られているバンドの8thアルバム「古代への追想」です。アメプロ云々はどうやらトミー・ショウが参加する前の音を指しているようですけど。まあ括りはともかく、個人的なイチオシはコレなんですね。ジャケはヒプノシスが手掛けています。いかにもって感じがするでしょ?もちろん名前は知っているバンドでしたが、聴き始めたのは少々遅くて、高校時代に出逢った今作収録曲“Blue Collar Man”がきっかけでした。GRECO EG600 ピーター・フランプトン・モデルを愛用し、喫煙謹慎事件でお馴染みの(笑)同級生O経由だったと思う。主張強めの、デニス・デ・ヤングの個性的な声が最大の特徴でしょうか。聴けばすぐに解る個性が素晴らしい。加えて同氏による鍵盤だね。爽やかでお洒落なロックという印象もある。それだけでも十分に成立していたところに、歌えるギタリストにしてソングライターのトミー・ショウが合流したとなれば、これはもう鬼に金棒状態。前出曲ではボーカルもトミーで、ラフなバッキングギターがやたらとカッコいい曲なのね。特にあの箇所(聴けばわかるハズ)はツボです。外しの美学炸裂ですよ。作曲はデ・ヤングとショウが半々という感じなんだけども…“Sing for the Day”も“Blue Collar Man”も“Renegade”も、実はシングル曲は全てショウの曲だったりするわけで、後に袂を分かつ原因はこの辺にあったのかもしれません。世間一般ではトミー・ショウ時代の6th~11thこそがSTYXの全盛期ということになっていますが、加入前作品もいいですよ。



#411 / CRYSTAL BALL / 1976

★★★★

Styx crystal ball

72年のデビュー(BOC、FOGHAT、SCORPIONS等と同期)から数えてすでに6枚目のアルバムですが、トミー・ショウが参加した初めてのアルバムであり、今作で幅広い層からの支持を獲得します。これを足がかりに「THE GRAND ILLUSION/大いなる幻影」「PIECES OF EIGHT/古代への追想」が共に全米6位、続く「CORNERSTONE」が2位、そして「PARADISE THEATER」で1位を獲得と、一気に頂点へと駆け上がるのでした。参加したばかりのトミーは曲作りにも貢献、タイトルチューンの“Crystal ball”(2ndシングル)がショウ唯一の単独作曲で、リードボーカルも担当して、これがまた素晴らしい仕上がり。ソングライティングの力量を証明しました。STYX特有のアメリプロはショウの加入があってこそと認めざるを得ないわけよ。シンガーとしてはデ・ヤングの方が凄いと思うけど、ソングライティングに関してはショウに軍配を上げさせて頂きます。デヤングもバンド内でのパワーバランスに異変を感じたに違いない。それはやがて危機感になり…みたいなことを想像してしまいます。他には、いずれもデヤングとショウの共作となった、オープニングの“Put me on”、全米36位を記録した1stシングルカット曲“Mademoiselle”(歌っているのはショウ。シングルは2曲ともショウがリードボーカルということに)あたりが代表曲でしょうか。STYXは今作から「PARADISE THEATER」までが印象深いです。ショウ最後の参加作品となった「KILROY WAS HERE」は、想い出はあるもののジャケも含めてちょっと微妙でした。



#481 / THE GRAND ILLUSION / 1977

★★★★

Styx grand illusion

「Crystal Ball」に続く、トミー・ショウ加入2作目となる7thアルバム「グランド・イリュージョン - 大いなる幻影」です。ラッキーセブン発祥の地(由来はMLB)だからね、縁起を担いで1977年7月7日にリリースされ、前作で支持層を広げた流れに乗り全米6位を獲得、国内だけでトリプルプラチナの売上を記録しました。ここから、全米1位に輝いた10th「PARADISE THEATRE」までが、スティックスの黄金期で間違いない。シングルカットされた“Come Sail Away”(全米8位)と“Fooling Yourself”(同29位)に魅力が凝縮しています。この2曲のヒットでスターの仲間入りを果たしました。ちなみに、前者がショウ、後者はデ・ヤングの作品。両者の面目が保たれるという最高の結果をもたらしました。忘れちゃいけないもう一人のギタリストでありソングライターのジェームズ・ヤングもハードロック曲で活躍、バッキングボーカルも担当している。そういう意味でバランスのいい作品に仕上がりました。ちなみに“The Grand Illusion”で始まり“The Grand Finale”で締めくくられるトータルアルバムになっています。アートワークも幻想的でいいね。ジャケも含めてのトータルアルバムですからコレは及第点でしょう。ということは、この作品こそがアメリカンプログレの真骨頂なんですね。特に前出”Come Sail Away”の構成(シンセパートを挟み込んだバラードロック)は圧巻、本家大英帝国プログレに迫る勢いだ。この路線であと2~3枚作ってくれたら、個人的にもっと特別なバンドになっていたに違いない。



#638 / PARADISE THEATER / 1981

★★★★

Styx paradise theater

最初に買ったSTYXのCDは、バンド初にして唯一の全米1位アルバムとなったこの10thでした。レコード時代にそれほど聴いたバンドではなく、「PIECES OF EIGHT-古代への追想」収録の“Blue Color Man”や、「CORNERSTONE」収録の数曲しか馴染みがなかった。1枚くらい聴いてみようかと思い立ったところ、CDショップに「PIECES OF EIGHT」は置いてなかったんだね。国内盤がリリースされていたかも怪しく、後に手に入れたのも結局輸入盤でした。で、その時店頭にあった数枚からチョイスしたのが今作というわけで、結局ジャケ買いだったと思う。次に買ったベスト盤をきっかけにすっかり嵌ってしまい、ガッツリ聴くようになったんだね。今作はコンセプトアルバムで、シカゴに実在したパラダイス劇場の開館(”A.D.1928”)から閉館(”A.D.1958”)までをフィクションとして描くことで、70年代後半から80年にかけてのアメリカを暗喩しているらしいです。ちなみにアートワークに描かれた外観は実物とは似ておらず、同じくシカゴにあったグラナダ劇場に近いものになっています。お勧め曲は、イントロ(オープン)に続く軽快な第4弾シングル”Rockin’ the Paradise”、第2弾シングル”Too Much Time on My Hands/時は流れて”(全米9位)、第1弾シングル”The Best of Time”(全米3位)、第3弾シングル”Nothing Ever Goes As Planned”など。そしてアウトロ(クローズド)からデニスのピアノで終幕。結論として、STYXはこのアルバムまでかなと。“Mr. Roboto”収録の次回作「KILROY WAS HERE」は、話題にはなったが正直イマイチの出来だと思う。MVは鮮明に覚えてるけど「何コレ!?」って感じだったな。



#705 / CORNERSTONE / 1979

★★★★

Styx cornerstone

全盛期の9thアルバムです。前作「PIECES OF EIGHT」が全米6位に達した勢いそのままに、2位を達成した大ヒット作品。そして次作「PARADISE THEATER」で遂に1位に上りつめるわけですね。今作からシングルカットされた”Babe”はバンド唯一の全米No.1に輝きました。ただね、ヒットと引き換えにロック色が薄まった感は否めず、ポップ志向のデニス・デヤングと、ロック志向のトミー・ショウの対立が深まってしまうのでした。主だった曲としてリーダートラックの”Lights”、アコースティック曲”Boat on the River”、”Borrowed Time”、ショウの反対でシングルになりそこねた”First Time”などが挙げられますが、二人の共作曲はいいとして、単独作での明暗がハッキリ分かれる結果(売れたのはデヤングの曲)となり、解散へのカウントダウンが加速します。まだ10代の頃、当時新装開店したミスタードーナツで半年ほど深夜バイトをした経験があります。その時に店舗内でループ再生されていたのが”Babe“だったのね。なぜSTYXだったのか今もって謎。全国のミスドで流れてたんだよねきっと。レコード会社とダスキンの間に何らかの繋がりがあったのかしら。同時期に流れてた他の曲は全く記憶にないのですが、”Boat on the River”もかかっていたような気がする。バイトしていたのは80年あたりだから、確かにこのアルバムがリリースされた時期とカブってるね。それくらい売れたアルバムだったということにしておきましょう。それまでは”Blue Collar Man“くらいしか知らなかったのに、強制的に刷り込まれたという想い出話でした。



#1185 / KILROY WAS HERE / 1983

★★★★

Styx kilroy was here (320x319)

「ミスター・ロボット」のPVが懐かしい11thアルバムです。ドモアリガット、ミスターロボット、ドモドモ…日本語であるからして、良くも悪くもこのインパクト一発のアルバムとなりました。それにしてもQUEENのTE O TORI ATTEとは随分違うな。逆パターンだけどYMOのJapanese Gentlemen Stand Up Pleaseが思い出されてしまう(笑) 一番良かったのは、これまたシングルカットされた3曲目“Don’t Let It End”だね。これは本来のテイストが出ていて安心印の「らしい」曲です。全体的にはデニス・デ・ヤングのソロ・アルバムという印象。短編映画をYouTubeでちら見する限り、他のメンバーも参加しちゃあいるが、最早ヤング主演のロック・ミュージカルだもの。落ちていくのは至極当然だったんだなあと思います。かくしてスティックスの全盛期は過ぎ去るのでありました。ドモドモ…



#1817 / BEST OF STYX 1973-1974 / 1999

★★★★

Styx 1973-1974

STYXの存在は知ってたさ。でも名前を知ってただけ。そういう意味ではJOURNEYもKANSASもTOTOもそう。この界隈のバンドで唯一リアルタイムで聴いたのはBOSTONだけでした。STYXで最初に知った曲は”Blue Collar Man”で最初に買ったCDは「パラダイス・シアター」だったと思う。音楽性は気に入って、そこから遡って聴いてったんだね。ただそれもトミー・ショウ時代のみにとどまっていた。ショウ以前のオリジナルSTYX時代のCD自体、当時は入手できなかったんじゃなかろうか。そんな折、この便利アイテムを知り即購入の運びに。2nd~4thまでの3作品で構成されたベスト盤です。2ndから4曲、3rdから6曲、4thから8曲という構成。アルバム3枚とはいえ、実質2年足らずの期間にレコーディングされているはずで、1枚に纏めても概ね違和感は感じない。とはいえよくよく聴いてみると…4thが一番面白いかもね。一見ランダムに収録されているようでも、その配置から4thの曲が推されているのがわかる。珍しいツインギターのハーモニーが聴けたり、プログレッシブな曲もあったりしてね、単品購入するなら4thかな。まるでURIAH HEEPな”Southern Woman”も興味深いな。KANSASの1stもそうでしたけど、鍵盤が幅を利かせるアメプロ・バンドの場合、プログレというかオルガンロックも演りたくなってしまうらしい。ブリティッシュロックへのリスペクト!?



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