RIK EMMETT
RIK EMMETT(Canada/加)
1580 / IPSO FACTO / 1992
★★★★
カナダの至宝TRIUMPHのギター・ヴォーカル、リック・エメットの2ndソロアルバムです。紹介するのは1stでも良かったんだけどね…個人的には先に聴いたのがこっちだったし、TRIUMPHなリックの歌とギターが聴きたいならどちらを選択しても大差ないなんて思いつつ聴き直してみたら、やっぱこっちの方がよかったみたいな(笑) 日本盤のボートラとしてデビューソロから2曲のライブバージョンも収録されていて、それらが1stの代表曲でもあるし、スタジオ録音よりハードな仕上がりで良い。ライブの映像を一度でも見たことがあるなら、派手なスパッツを纏いステージ上を躍動するリックの姿が思い浮かぶはず。なのでぜひ日本盤をゲットして頂きたい。さて今作スタジオ録音部分は、ストレートなハードロック、つまりはギル・ムーア的要素を取り除いたTRIUMPHという趣です。TRIUMPHでリックが主導の曲ばかりを集めた感じと言ってもいい。ブルージーでメロディアスな曲(“Out of the Blue”や“Woke Up This Morning”)はTRIUMPHでも聴かれたリック節で、間違いなくアルバムのハイライト。得意のアコギを駆使したインスト小曲(「THUNDER SEVEN」収録の“Midsummer’s Daydream”に酷似というかアレンジ?)もあるし、ジャジーな要素も、元気曲も、バラードもありと…This is Rikということでいかがでしょう。
1991 / ABSOLUTELY / 1991
★★★★
TRIUMPHのG&Vo、リック・エメットの1stソロアルバムです。脱退から3年、待望のソロ作品でしたが…。参加ミュージシャンは知らない人ばかり。ドラマーが元リー・アーロン・バンドだそうだけど、まあ皆さんスタジオミュージシャンなのかな。メインである歌とギターはリックが担当するわけだから、これは大した問題ではございません。問題なのは何より曲の出来ですよ。結論から言うと、ちょっと物足りない気がします。ファンからしてみるとリックの良さが出てない。先に聴いた2ndではリック節が炸裂していただけに、思いのほかポップに感じてしまいました。オープニングの”Drive Time”はしっかりHRしており、珍しくアップテンポだったりして、一発かますぜと言わんばかりの気合が感じられて良い。リックも声を歪ませた歌唱。ギル・ムーアが歌ったほうが…なんて言うと本末転倒なんですけどね。そのあとは、お得意のバラードも織り交ぜつつ、まあ無難な曲が並んでいる感じTRIUMPHとの差別化を意識しすぎちゃったのかもね。ギルにできないことをやってやるぜと。そういう意味では必要な1枚だったのかな。
2202 / RAW QUARTET / 1999
★★★★
TRIUMPH脱退後に3枚のアルバムをリリース、さらに自身のレーベルを立ち上げて、自分のルーツミュージックを網羅する3部作を制作します。第1部「TEN INVITATIONS FROM THE MISTRESS OF MR. E」はアコギによるフラメンコやクラシック曲を、第2部「SWING SHIFT」ではセミアコによるジャズ/フュージョンを、そして、ブルーズ・ロックに特化した今作が3部作の完結編になります。ソロアルバムとしては通算6枚目。基本的にリックがやりたいことをやっているわけだから楽しそうだね。ブルースといっても古臭い感覚はなく、すべてリック印に仕上がっています。ハードロックなインストもある。以前からトライアンフで披露してきたスタイルの集大成といったところで、まさにルーツですな。リックが弾いて歌えばこうなるわけよ。トライアンフとの最大の違いは100%リックだということ。ギル・ムーア臭は皆無なので、リック推しにはお勧めです。日本盤のボートラとして前作から2曲を収録。スウィング・ジャズも確かにリックの持ち味だったからね、こうなると3部作すべてを聴きたくなります。シャノン・エメットというクレジットがありますが、どうやら長女らしい。トリロジーの1作目にも鍵盤で参加していました。