PANTA
PANTA(JPN)
#392 / 反逆の軌跡 / 1985
★★★★
2023年の七夕に73歳で亡くなったパンタ。ニューイヤーロックフェスティバルで見聞きしたことはありますが、75年に解散した「頭脳警察」時代(そもそも我々より上の世代が聴いたバンド)は放映されていなかったし、その後のPANTA&HALも名前しか知らず、最初からソロアーチストの印象が強い。ここまでの流れからして、本来なら聴かずに終わっていてもおかしくなかったところ、高校の同級生M.K.とT.T.が二人で盛り上がっていたのが”反逆の軌跡/Don’t Forget Yesterday”でした。勧められて一発で嵌りました。すぐさまT.T.に何曲か録ってもらって…それから十数年の時を経て、この好きな1曲のためにCDを購入。ソロになってから10枚目のアルバムです。バンドのメンバーは知らない人ばかりですが、Charがゲストとして1曲(”13号埋め立て地から”)弾いている。パンタの声域は狭く、すべて1オクターブちょいで完結している(笑) 加えて籠ったハスキーボイス。曲調は3パターンくらいでしょうか。こうした制約の中でこのカッコよさ、歌詞によるところが大きいね。”五月雨にスラー”なんて、常人じゃ思いつかないでしょ。「ハッ!」とか「ベイビー」とか、陳腐に聴こえないところは清志郎(RCサスセション)と同じで、歌が上手いとか下手とか、そういう次元で語れない魂のロックシンガーです。