MEAT LOAF
MEAT LOAF(US/米)
#515 / BAT OUT OF HELL / 1977
★★★★★
アルバムタイトルおよびジャケはHR/HMのそれですが中身は然にあらず。ミートローフの2ndアルバム「地獄のロック・ライダー」は、ロック・オペラの傑作アルバムとして語り継がれている。ロック・シンガーにして俳優(ついでにスコット・イアンが義理の息子になった)のミートローフが、盟友ジム・スタインマン(作詞、作曲、編曲、Keyほか)とタッグを組んで制作されたモンスター・アルバム(全米14位、全英9位 販売総数4300万枚以上)なのだ。”Two Out of Three Ain’t Bad/66%の誘惑”が全米11位のヒットを記録し、マイケル・ジャクソンの「THRILLER」が比較対象になるくらい売れているらしい。プロデューサー兼、ギターやらキーボードやらはあのトッド・ラングレンで、更にはエドガー・ウインターがサックスで参加しています。ロックオペラかくあるべし、エレン・フォーリーという女性ボーカルとの掛け合いが素晴らしい。最後の曲ではNYフィルハーモニックとフィラデルフィア管弦楽団が参加し、大仰な楽曲をこれでもかと盛り上げて大団円を迎えます。ミートローフの存在は「ロッキー・ホラー・ショー」を見て知ってました。先に聴いたのは続編の「地獄のロック・ライダー2」で、これも他にないパターンに惹かれたのですが、まず紹介すべきは1作目ではないかと。シンプルに曲がいいし、同一路線の2作目だとインパクトが薄れるからね。個人的には、後のボニー・タイラーとかローズマリー・バトラーとかも、概ねこの路線をお手本にした音楽だなと思っております。2022年74歳没。新型コロナウイルスに感染していたとのこと。
#1216 / BAT OUT OF HELLⅡ:BACK INTO HELL… / 1993
★★★★
77年リリース「地獄のロックライダー」のパート2ですね。喧嘩別れとか色々あったみたいだけど、結局のところ今回もジム・スタインマンが大きな役割を果たしております。この世界観には欠かせない人だから、ミートローフ一人では独特の臭み(いい意味で)が出ないような気がする。前回プロデュースしたトッド・ラングレンはバッキングヴォーカルでの参加。あとは、パット・スロールの名前があるね。2曲弾いてるらしい。全体としては15年分しっかりアップグレードされたロックミュージカルに仕上がっておりこの手の盛り上がりが好きな人には堪らんでしょう。これぞ大仰の極み(笑) 約12分のオープニング曲だけでストーリーが1話完結する勢いだ。で、1曲目ほどではないにしろ、それに準じた大作が次々と繰り出されます。ゆえに…飽きると言えば飽きるかもね。前半でもうお腹一杯だ。2007年に更なる続編(完結編)がリリースされてますのでいずれご紹介します。
#1544 / DEAD RINGER / 1981
★★★★
氏の代名詞的作品を続けて紹介してきたので「地獄のロックライダー」を完結させてもいいのですが、とりあえずラインから外れてみようかなと。といっても、内容はさほど変わらないのがミートローフなのだ。今作は「地獄の…」に続く3rdアルバムでありジム・スタインマン(今回はモノローグで堂々登場)が関わっているとなれば、まあ当然こうなるよなって作品です。決して悪口じゃないよ。予定調和を求めている人もいるからね。そういう意味では冒頭2曲やタイトルチューンなんかは正にそれで、所謂ロック・ミュージカルのお手本のような楽曲です。ハードロックとは違い、ギターリフやソロ等を用いず曲を盛り上げていく手法です。盛り上がる定番メロやコーラスやらだね。リード楽器はピアノかな。で一番オイシイと感じるのは女性ヴォーカルとのデュエットというか掛け合いで、なんと今回のお相手はシェールときたもんだ。さすがにお上手なので聴いてて気持ちいい。タイトルチューン1曲のみの参戦ながら主役が喰われてしまうほど。もう1曲くらい絡んで欲しかったな。
#1922 / LIVE AT WEMBLEY / 1987
★★★★
1stライブアルバムは同年3月ロンドン・ウェンブリー・アリーナでの音源。ギターはKISSに抜擢されたブルース・キューリックの兄ボブ・キューリック。ドラマーはBRAND X、ホール&オーツ、RAINBOWなどのチャック・バーギ。でもね、その辺は誰が演奏していようが関係ない音楽です。大事なのは女声ヴォーカルに他ならない。どこの誰かは知りませんが、今回担当しているのはGOFF姉妹。まあ突き詰めると、この女声ヴォーカルですら誰でもいいんだけども。上手い人はたくさんいるからね。強いて言うならヴィジュアルの問題はあるかもしれない。とりあえず演奏陣同様、時代によって色んな人と共演している。有名無名にかかわらず、ミュージカル畑の人とか、アメリカ以外の知られざる実力はシンガーとか。金さえ積めば大物だって呼べるし。そういうわけで変わりようもないロック・オペラです(笑) とりあえずミートローフは歌が上手いということに気付かされる。高音域というほどではないにしろ、高めのキーであの体躯に見合った力強い歌唱が印象的。女声ヴォーカルとの掛け合いを中心とした演出の妙は、この際Youtubeでもいいよね、ぜひとも映像作品で確認しましょう。