DRAGONFLY
DRAGONFLY(Switzerland/瑞西)
#429 / DRAGONFLY / 1981
★★★★★

リアルタイムで聴いたものではありませんが、コレは当たりです。時は80年代、時代に逆行したプログレ作品ゆえ貴重です。しかもレアなスイス産ときたもんだ。どうやら唯一のアルバムということが実に惜しまれます。解説ではYESが引き合いに出されていますが、それだけには留まらない良いとこ取りプログレですね。おいしいところのつまみ食い状態なれど絶妙のブレンドなり、と言ったところ。まずYESに関しては、ボーカルの声質がジョン・アンダーソンに似ている。キーはあそこまで高くないですが、ボーカルメロは間違いなく意識しているはず。特にボートラの”The Riddle Princess/謎の王女”(15分半超えの大作)は確信犯的ボーカルが聴けます。ベースは時折クリス・スクワイア?という程度。ピアノやキーボードが幅を利かせるとEL&PやGENESIS風。でトータルすると、PFMを筆頭とするイタリアン・プログレ風味が強いと思う。スイスのバンドだからクラウトロック風味もあるのかな。 アルバムのハイライトはラスト(の後にボートラを2曲収録)の大作”Dragonfly/ドラゴンフライ組曲”です。ピアノ、コーラス、輪唱、シンセ、ギターなど、色々なパートを聴けるのはいいのですが、構成力不足なのかな、ちょっと飽きちゃうね。邦題にある「組曲」と呼んでいいものやらという感じ。これを踏まえて、せめてもう1枚作っていたなら、傑作になっていた可能性は大いにある。