ザ・フォーク・クルセダーズ
ザ・フォーク・クルセダーズ
#1144 / フォークル大百科事典 / 1969
★★★★
解散1年後にリリースされたベスト盤です。レコードデビューは1968年だから、海外組だとDEEP PURPLEなんかと同期ってことになる。そう考えると“帰って来たヨッパライ”は凄いな。BEATLESの影響は疑う余地なしでしょう。多重録音を駆使したサイケ時代の…つまりプログレ以前のプログレだね。何しろKING CRIMSONデビュー前だもの。当時7歳だったけわけですが、確かに覚えてる。同級生たちも同様に覚えているらしい。それほど子供心にインパクトがあったんだね。同じような衝撃は数年後“スモーキン・ブギ”を聴いた時かな。そんなフォークルですがプロとしての活動期間は1年限りで、加藤和彦と北山修のオリジナルメンバーにはしだのりひこを加えたトリオ編成。優等生タイプのフォークデュオやグループサウンズ風の楽曲は、コテコテの関西アングラフォークをメンクラ加藤のセンスが中和した結果か。個人的には前出曲と“風”と“悲しくてやりきれない”が好きですね。“イムジン河”は収録されていないのでシングルを購入しました。
#1385 / イムジン河 / 2002
★★★★
映画「パッチギ!」で初めて聴いた人も多いでしょう。1968年、シングル第2弾としてリリースするはずだったのに政治的理由から発売中止となった幻の2ndシングルです。今回は急遽作られた3rdシングル“悲しくてやりきれない”との二本立て。これ以上ないナイスカップリングとなりました。先に紹介したベストにこの両A面シングルを加えれば、もう個人的にはフォークル・コンプリートって感じ。“イムジン河”のオリジナルは1957年に発表された北朝鮮の楽曲だそうです。日本語詞をつけたのは“帰ってきたヨッパライ”を手掛けた松山猛。加藤和彦との作詞作曲チームで多くの作品を生み出した人だ。サディスティック・ミカ・バンドの”タイムマシンにお願い“とか井上陽水がアンドレ・カンドレ時代の”花にさえ、鳥にさえ“などなど。ちなみに松山が書いた本「少年Mのイムジン河」が「パッチギ!」の原案なんだね。”悲しくてやりきれない“は吉田拓郎をはじめ多くのアーティストがカバーしており、現在に至るまで継続中。さすがに未聴が多いけど聴いた中ではPUSHIMのバージョンが良かった。最近観た映画「あやしい彼女」の中で多部(未華子)ちゃんも歌ってたよ。