Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

SEBASTIAN HARDIE

SEBASTIAN HARDIE(Australia/豪)

#90 / FOUR MOMENTS / 1975

★★★★★

Sebastian Hardie four moments

母体となるバンドにマリオ・ミーロが加わったのが73年。2枚のアルバムを残したのみですが、オーストラリアのプログレで思い浮かぶ筆頭部グループです。歌心のあるマリオ・ミーロのギターと、メロトロンを中心としたキーボード・オーケストレーションがウリの、オーストラリアの大地が眼前に浮かぶ、大陸的シンフォニックプログレです。いや、ともすればプログレを飛び越えているのでは。牧歌的というか自然体というか、オーストラリア大陸産ならではの個性かと思われる。特に難解なわけでもなく、テクニックをひけらかすでもなく、お洒落でもなく、きらびやかでもなく、ただただ美しいメロディが詰め込まれたやすらぎの音楽がここにある。まだ20歳だったマリオ・ミーロ恐るべしです。デビュー作「哀愁の南十字星」です。安易だけどプログレ担当氏グッジョブ!南半球の人たちってことのみならず、演ってる音楽性まで透けて見えるナイス邦題じゃないですか。冒頭からの4曲(LPにおけるA面)が、4楽章から成る組曲ということで、原題「FOUR MOMENTS」とはこれらを指していると思われます。トータルすると21分くらい。続くB面1曲目の冒頭は再度A面のエンディングが奏でられ、これまでの演奏を総括する6分となっており、個人的にはPINK FLOYDの”原子心母”が思い浮かぶ展開が感動的でした。そしてラスト、13分に亘る一大インスト”Openings”でさえ、尺は長いが決して飽きることはない…と言いたいところですが、気が短い人は飽きるでしょう(笑)



#291 / WINDCHASE / 1976

★★★★★

Sebastian Hardie windchase (320x320)

前年リリースのデビューアルバム「哀愁の南十字星」に続く待望の2ndアルバム「風の唄」ですが、惜しくもこれを最後に解散してしまいました。マリオ・ミーロとトイヴォ・ピルト(Key)は後継バンドWINDCHASEを結成しアルバムを1枚リリースしますがこちらも解散。以降マリオはソロ活動、オーストラリアのテレビ業界において売れっ子作曲家となったそうです。というわけで貴重な今作、1stと同路線のアーシーなシンフォ・プログレを聴くことができます。メロトロンやシンセに彩られたスケールの大きな楽曲を、マリオのメロディアスなギターが引っ張るという図式ですね。前作同様にA面を全て使った20分半におよぶ壮大なタイトルチューン、牧歌的ともいえる癒し系プログレゆえ苦手な人もいるかと思われますが、おじさんたちには遺伝子レベルで心地よい。個人的には、5分過ぎからの静パート(メロトロン)、そこから徐々に盛り上がりつつミーロのギターに移行するあたりが堪りませんな。正しく「風の唄」が聴こえてくるね。その他、シングルカットされたポップ曲など多彩な収録曲。数あるプログレの中でも貴重な存在だっただけに解散は残念でした。ヨーロッパ生まれのプログレが、北米大陸に渡ってカンサスになり、オーストラリア大陸に渡ったらセバスチャン・ハーディ、南米大陸ではサグラド、極東では四人囃子になったわけで、それぞれの大陸(島国)の風土が新たなプログレを生み出していた素晴らしい時代でした。世界的に見ればSEBASTIAN HARDIEは後発組。あと3~4年始動が早かったなら、より多くの作品を残せたに違いない。



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