MOUNTAIN
MOUNTAIN(US/米)
#996 / NANTUCKET SLEIGHRIDE / 1971
★★★★

GRAND FUNK RAILROADとともにアメリカンハードロックの黎明期を支えたバンドです。有名なのは“Mississippi Queen”(全米21位:映画「バニシング・ポイント」の挿入歌)だから1st「勝利への登攀」(全米17位)から紹介するって手もありますが、個人的にはこの2nd(全米16位)なのです。伝説のレスポール使いレスリー・ウエスト(ピッキング・ハーモニクス&バイオリン奏法)と、CREAMのプロデューサーにして伝説のベーシスト、フェリックス・パパラルディ(1983年に射殺されました)ですね。レスポールサウンドの良さは言うに及ばず、ベースはある意味ギターより目立っており、バンドの骨格を担っている。イチオシは表題曲”Nantucket Sleighride(For Owen Coffin)”。タイトルの意味は、銛を撃ち込まれたクジラにキャッチャーボートが引っ張られる様子。オーウェン・コフィンは、ナンタケットから出航し、クジラの激突により沈没した捕鯨船エセックス号の少年船員で、サバイバルカニバリズムの犠牲者です。曲構成はウエストが嫌がるほど複雑でありながら、CREATIONやコスモス・ファクトリーのような和風の歌メロが乗るという変わり種。パパラルディと妻ゲイル・コリンズ(イラストレーター、作詞家)の共作です。76年にパパラルディがCREATIONとアルバムを制作します。つまり、パパラルディがウエストの次に目を付けたギタリストは竹田和夫。でもね、竹田はウエストが好きだったわけ。だから、ウエストに影響を受けた竹田を選んだのは至極当たり前という気もする。あとWISHBONE ASHみたいな“Travellin’ in the Dark/暗黒への旅路”も良かった。ところで、美しいアートワークはパパラルディの奥さんの手による物なのですが…実はパパラルディを射殺したのも奥さん!
#1255 / CLIMBING! / 1970
★★★★

前年にリリースされたレズリー・ウエストのソロ・アルバム(CREAMのプロデューサーとして有名なフェリックス・パパラルディが第2のCREAMを目指してレズリーと出会ったらしい)のタイトルをバンド名に冠した実質的デビューアルバム「勝利への登攀(とうはん)」です。カウベルで始まる曲って印象が強い(笑)超有名曲“Mississippi Queen”(映画「Vanishing Point」の挿入曲)がオープニングを飾る必聴盤ですね。この曲に代表されるアメリカ的ハードロックと、ジャック・ブルース作の2曲目“想像されたウエスタンのテーマ”(PROCOL HARUMが思い出される)のような英国的抒情ロックの混在がこのバンドの魅力です。個人的には圧倒的に後者の要素が好き。“For Yasgur’s Farm”なんかも、自身も出演したウッドストック開催地がテーマの割に(笑)抒情路線でお気に入り。その他アコギのインスト“To My Friend”もインパクトあります。単純なバンドと思いきや…実はそうでもないところが侮れないのだ。
#1563 / FLOWERS OF EVIL / 1971
★★★★

マウンテンのイチオシとして紹介されることが多い3rdアルバム「悪の華」です。A面がスタジオ作品でB面がフィルモア・イーストのライブ音源という変則盤となっております。個人的にはあまりお勧めできないパターンではありますが、当時としては斬新だったに違いない。A面はほぼパパラルディによる、前作の流れを汲んだある意味プログレッシブな内容(ピアノの小曲を挟んだりして)であるがゆえ、ウエスト節全開のB面ライブという構成になったのでしょうか。スタジオ作品の中で惹かれたのは“One Last Cold Kiss”ですね。クリエイションのカバーと言われても納得してしまう曲(笑) 長年クリエイション節だと思っていたこの和メロは、実はパパラルディによるものだったんだね。つまり竹田和夫は…目指すところはウエストなんだろうけど、ウエスト同様結局のところパパラルディに影響されていたと。リアルタイム世代なら周知の事実なんでしょうね。パパラルディが聴けるマウンテンはあと1枚(ウエストのソロを加えれば2枚)ありますが、基本的にはこれまでに紹介した3枚を聴けばいいと思います。