GREG HOWE
GREG HOWE(US/米)
#1606 / ASCEND / 1999
★★★★
シュラプネルから売り出される場合、マイク・ヴァーニーの戦略(嗜好)によりネオクラ作品でデビューする。この人もまた例に漏れず、その後本来の持ち味、ジャズ・フュージョンに移行していったらしい。コンピ収録曲(たぶんネオクラ)程度は聴いていたけどアルバムは未聴だったギタリスト。そしてこの6thアルバムに於いて、久々のネオクラ作品を作ったというから手に入れてみた。ネオクラ作復活のキーマンは、今作でも共演のヴィタリ・クープリで、ギターに負けじと弾きまくってます。ヴィタリのソロ作品「HIGH DEFINITON」にグレッグが参加した縁であり、今作はその延長線上という位置づけゆえ併せて聴くのがいいかもしれない。ネオクラって触れ込みの今作ですが、プログレハードの様相を呈しているがミソ。RUSHの“La Villa Strangiato”をカバー(概ね原曲に忠実ですがフレーズの端々にトリッキーなプレイをぶち込んできます)してアルバムのど真ん中に配置しているあたり、プログレハード路線を狙って作った節があるのだが…実のところは本作にも参加しているRUSH好きの弟子プラシャント・アスワニから薦められたからという軽いノリだった模様。全体としてはRUSHほどの複雑さは無く、ヴィタリおよびARTENSION系のプログレハード路線でしょうか。
#2207 / INTROSPECTION / 1993
★★★★
シュラプネル発、ハードロック・フュージョン系ギタリストの2ndアルバムです。デビューソロはもっとハードロックしていた(おそらくマイク・ヴァーニーの指示)らしいですが、今作はフュージョン色がほどよく、歌なしでも堪え得るインスト作品だと思う。序盤こそハードロックとも何とも言い難い曲調ですが、中盤”In Step”から、ジェイソン・ベッカーに捧げたアコギ曲を挟んで、徐々にフュージョン度が増す構成になっています。もちろんスウィープやタッピングを駆使しつつも、流麗なプレイが繰り広げられている。8割の力で易々と弾いているような感覚だ。リズム陣は両名とも知らない人ですが、やっぱシュラプネル人脈なのかな。前作はHRを演るためのビリー・シーンとアトマ・アナーが参加しており、間違いなくM・ヴァーニーの人選。最終的にはベースもスラップ奏法なんぞ披露しているあたり、おそらくフュージョンを演奏するために選ばれた人たちってことでしょう。ジャケに写っている、シングルサイズのハムバッカー(バータイプ)をネックとリアに搭載したストラトタイプ(ヘッドロゴはズバリStrat)の白いギターが褐色の肌によく似合っている。