FOREIGNER
FOREIGNER(US/米)
#164 / FOREIGNER / 1977
★★★★
中高生の頃は、ヤングジョッキーと並んで、カウントダウン形式の洋楽番組で流されるPVが貴重な情報源でした。そのほとんどが数秒から数十秒のダイジェストで、ごくごく短い時間だったけれど、上位にランクインすると長めに流されてましたな。そこで見た伝説のシンバル止め!それが、このデビューアルバムにして全米4位となった「栄光の旅立ち」に収録されている“Cold as Ice/つめたいお前”でした。ドドンシャッ!(あるいはドドンパッ!)ギターソロも、ほぼ全員参加のコーラスパートも懐かしいね。フォリナーは「4」にもそこそこの想い出がありますが、この強烈な記憶には敵わないわけ。”Feels Like the First Time/衝撃のファースト・タイム”や”Long,.Long Way from Home”もシングルカットされヒットしました。当時は英米混合バンド(バンド名の由来でもある)として話題でしたね。元SPOOKY TOOTHのミック・ジョーンズ(”Starrider”と”Woman Oh Woman”でリードボーカルを担当)主導のバンドってことでいいのかな。なんとKING CRIMSONのイアン・マクドナルドもいるんだよ。鍵盤とギターの他、サックスとフルートで持ち味を発揮している。この頃はギターソロもしっかりあるハードロックを演ってたから、後の路線より好きです。ちなみに2ndも良い作品ですが、ハードロック風味は早くも減退してしまいます。結局のところ、このHR時代も後のAOR時代も、一番のウリは叙情派ヴォーカル、ルー・グラムの歌唱でした。たしかに一級品の歌唱力、何を歌っても説得力がありますが、特にバラードに於いてその実力を遺憾なく発揮するのでした。
#741 / DOUBLE VISION / 1978
★★★★
2ndアルバムです。“Hot Blooded“と“Blue Morning, Blue Day”とタイトル曲が思い出深い。ルー・グラムは歌がうまい。エフェクトなしでもうまい。実際ほとんどエフェクトはかかってないのでは?歌声が抜群だからそれだけで成立しちゃうんだけど、ギターソロらしきものがあるともっと良かったね。ミック・ジョーンズはギターで目立とうって気はハナっから無いみたい。楽曲勝負というか…要するにギタリストというよりソングライターなんだね。かくして、売れる曲を目指して徐々に歌モノに移行していくのでありました。現在はHURRICANEのケリー・ハンセン(Vo)とDOKKENのジェフ・ピルソン(B)がメンバーらしいから最早別バンドとなってる模様。
#858 / 4 / 1981
★★★★
もはやハードロックバンドと言っていいものやら…しかしながら狙い通りの路線変更で全米10週連続1位の快挙!バンドのピークはこの4thでした。いちばん売れたシングル“ガール・ライク・ユー”は文句なしの名バラードでしょう。歌ってるのがルー・グラムだからね、説得力が違うんですな。しかし!彼の真骨頂は“Urgent”や“Break It Up”でこそ発揮されていると思う。ルー・グラム節が炸裂してるじゃん!ただし前者に関しては…ギターソロじゃなくてサックスソロって…ズッコケたよね。アルバム全編にわたってシンセが多用されてる時点で見切りをつけざるを得ないでしょうよ。よってコレ以降のフォリナーはほぼ聴いてません。
#1028 / HEAD GAMES / 1979
★★★★
ご覧のような良からぬ想像を掻き立てられるヤバいジャケの3rdアルバムです。そもそもヘッド・ゲームズとはどういう意味なんだって話だよね。中身よりジャケの方が有名なアルバムかもしれません。タイトルチューンの出来は文句なし!バンドの魅力が凝縮されてますな。でもね、オープニングの“Dirty White Boy”や、名曲“Cold As Ice”みたいな始まりの“Love on the Telephone”はまだいいとしても、他の曲は少々地味かな。イアン・マクドナルドのバラードはアリだと思うけど、マクドナルドがこのバンドに居た意味はあまりなかったようですね。それほど作曲にも関わってないみたいだし。結局コレを最後に脱退します。2002年盤のボートラはマクドナルド作の“Zalia”というこれまたバラードだったりして…脱退に花を添えております。