DESTRUCTION
DESTRUCTION(Germany/独)
#382 / THRASH ANTHEMS / 2007
★★★★★
日本においてSODOM、KREATORとともに、ジャーマンスラッシュ三羽烏(四天王に比べるとダサい。三銃士と呼んであげて)と称されるバンドのリメイク・アルバムです。新曲も2曲収録。基本的にはシュミーア(Vo/B)率いるトリオバンドですが、当時はそれほど聴いた記憶がない。確かにカセットテープはあるけれど、あまり嵌らなかった。次に偶然エアチェックしたのが、脱退したシュミーアが結成したHEADHUNTERで、この音源は数曲ながらよく聴きました。今作は、99年にシュミーアが復帰して、初来日公演やTHRASH DOMINATIONを経てからの企画盤です。USベイエリアスラッシャーの復興に呼応するように、ドイツ勢も完全復活しました。一時期4人編成でしたが、シュミーア復帰後はトリオに戻ってます。ずっとバンドを守り続けているオリジナルメンバーのマイク(G)、ちょいちょい替わるドラマーにはマーク・レインという編成。アルバムタイトル通り、徹頭徹尾スラッシュメタルの痛快作になりました。そして過去の作品群が別モノとして蘇っている。ただし音質が変わりすぎて当時の空気感はほぼ感じられず、そこは賛否両論ありそうですが、結局のところ両方楽しめる人の勝ちですよ。とりあえず80年代スラッシュメタルバンドには、それぞれの「THRASH ANTHEMS」をリメイクしてほしい。現代の録音技術で、当時のスカスカした楽曲も蘇るに違いない。ジャケも素敵ですね。過去作品のジャケが並んで…マッド・ブッチャーだけ特別扱いですけど(笑) リメイクの際にはジャケも同様のパターンが望ましい。
#1667 / ETERNAL DEVASTATION / 1986
★★★★
ジャーマン・スラッシュ・トリオの怪作2ndアルバムです。日本ではB誌のS氏による好評をきっかけに注目されましたね。当時はB誌を参考に輸入盤を買っていましたが、何でもかんでも買えるわけもなく、かといって都合よく御用達「友&愛」に置いてあるわけもないゆえ、好レビューにあっても選別しなければならず、そうした理由で落選したアルバムのひとつでした。トリオ編成という予備知識はあり、おそらくRAVENみたいな感じなのかなとか、弾びっしりのガンベルトとか…予選落ちする要素が見え隠れ。さてそんなわけで近年になってようやく聴く機会が巡ってきた今作、噂通りのチリチリした不快なギターサウンドです(笑) 良くも悪くも当時の空気感をたっぷり感じられ、ただただ懐かしいという代物。スラッシュバンドにあって変わったことをやろうとしているギターの頑張りに拍手。冒頭のエフェクトからして実験的でいいと思う。不思議なメロもあり、やろうとしていることは、四天王に例えるならMEGADETHに近い気がするね。
#2271 / MAD BUTCHER / 1987
★★★★
ドラマーが交替してギターが新たに加入、ツインギター4人編成になっての初レコーディング作がこのミニアルバムです。プロデューサーはカレ・トラップ。リーダートラックである1曲目のタイトルチューンは、1st EPに収録されていた曲のセルフ・カバー。原曲は未聴ですが、テンポアップして、ツインリードがフィーチャーされているらしい。続く”The Damned”は、ウェンディ・O・ウイリアムズが在籍していたTHE PLASMATICSのカバー。3曲目はこれまでにない複雑な曲、4曲目は2本のギターによるインストというバラエティに富んだ構成で、期待感を煽るには充分な作品となりました。前作「ETERNAL DEVASTATION」のチリチリした音は改善されたのですが、こうなると逆に2ndの音は貴重かもしれない。我が家にあるのは2ndとのカップリングCDです。2ndフルとはいえ収録時間は約36分、CDとしては些か短いという判断でしょうか。このEPは4曲で約19分、合わせて55分だから丁度よくなったかも。ただしアートワークはEPのもの、2ndフルのジャケットは裏面に回されています。収録の順番もEPが先で、古い音源の2ndがこれに続く形になっている。つまりメインはEPで、2ndアルバムがボートラみたいな感覚なんでしょうね。とりあえず、どちらもカセット音源だけでCDは持っていなかったから有難かった。