高崎晃
高崎晃(JPN)
#198 / TUSK OF JAGUAR / 1986
★★★★★
LAZY~LOUDNESSの晃先輩が、LOUDNESSのデビューアルバムリリース後のタイミングで制作した1stソロアルバム「ジャガーの牙」です。カセットテープでよく聴いてたよね。ジャケに見覚えがあるってことは貸しレコード屋経由かな。インギーやポール・ギルバートもリスペクトしてるというプレイは、おそらくこれより後の話、それでも若さ漲るフレーズ、バラエティに富んだ楽曲は十分に魅力的です。バックは基本的にラウドネスですが、なんとあのリューベン(笑)も1曲参戦。二井原実先輩のボーカルはイマイチかな。”Steal Away/逃亡”や”Show Me Something Good”はラウドネスよりもポップテイストなので胡麻化されそうになりますが、この声はLOUDNESSだからね、できれば別のシンガーを起用してほしかった。シンガーといえば、”Ebony Eyes/野生の瞳”での晃先輩のボーカルがヤバいです。その風貌とはかけ離れた少年の如き声質は、線が細くて弱々しい。ふらつき具合は田原俊彦みたいだ。LAZY時代にコーラスを担当していたからイケると思っちゃったのかな。リードボーカルを舐めてたね。そのLAZY時代の「宇宙船地球号」から再降臨した”Macula/太陽黒点”はやはり素晴らしい。マイケル・シェンカーのメロが想起されます。エレクトリック・ヴァイオリンと絡む”Wild Boogie Run”の普通ではない雰囲気も魅力的です。オープニングのタイトルチューンは文句なし、他の曲とは気合の入れようが違いますな。同インストの”Gunshots/銃声”もいい。ギタリストのソロアルバムではありますが、そんじょそこらの速弾きアルバムより遥かに聴きごたえがあります。20代前半の青臭さが今聴くと新鮮だし、本人が意図しようがしまいが、和テイストの程よいブレンドが我々世代の琴線に触れるのでしょうね。この調子で全盛期の85年あたりに2ndソロを作っていたら、ラウドネス以外のメンバーを起用できただろうし、今作を凌ぐ凄い作品になっていたような気がします。