LATTE E MIELE
LATTE E MIELE(Italy/伊)
#656 / PASSIO SECUNDUM MATTEUM / 1972
★★★★★
「受難劇」です。ナレーションがちょいちょい出てくるからアルバムを統一するコンセプトがあるトータルアルバムらしいんだけど楽曲単位でも実にバラエティ豊か。イタリアンプログレのすべてのパターンを楽しめると思います。序盤はクラシカルな雰囲気の曲で無遠慮に切り込んでくるギターを聴いてカナリオスやフォーカスが思い浮かんだ。ギターのトーンはテル(NOVELA)っぽかったり…まあこっちが先輩だけど。中盤はジャズ風味も飛び出すし終盤は宗教音楽の要素が幅をきかせつつフツーのイタリアンポップスみたいな歌モノも…といった具合でもうお祭り騒ぎです。個人的には飽きずに聴けるいいアルバムだと思いました。対訳付きの歌詞カードがあればもっとよかったかな。
#1073 / PAPILLON / 1973
★★★★★
傑作デビューアルバム「受難劇」に続く2ndアルバムも、文句なしにお勧めできる作品に仕上がっております。個人的にツボるプログレの要素が集約されているのも前作同様。EL&Pと同じ編成ですが、あそこまでキーボードロックではなく、アコースティック楽器たちがいい仕事をしている多彩なプログレ。スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが主演した脱獄映画の傑作「パピヨン」がモチーフになってるんだって。ストレートすぎて逆に関連付けなかったな。1つ目の組曲がそのパピヨンで、基本になるヴォーカルパート(印象的な歌メロにアコギが素敵すぎる)がインストパートに挟まる構成がいいんだな。イタリア語はさっぱりだけど、ストーリーを歌っているのでしょうね。小曲でつないだあとはもう一つの組曲が登場。クラシック(そのまんまのフレーズもあり)パートとジャズパートに分かれた構成がこれまたスリリングで素晴らしいです。こちらの組曲ではどちらのパートに於いてもRENAISSANCEが思い浮かびましたね。何度聴いても飽きませんな。これはやはりイタリアンプログレの傑作と呼ぶとしよう。ジャケは残念でした(笑)