KERRY LIVGREN
KERRY LIVGREN(US/米)
#1109 / SEEDS OF CHANGE / 1980
★★★★
KANSASのギタリストの1stソロアルバムです。まだKANSAS在籍中の作品なのですが、「MONOLITH」発表後の80年だからね、結果的にはピークが過ぎた時期の作品ということになる。だからこそのソロ作品なんだろうけど。ゲストの目玉は御大ロニー・ジェームズ・ディオ!そして当然の如くスティーブ・ウォルシュ(Vo)を含むチームメイト3人、加えてリアルファミリー(笑)リフグレンの奥様ヴィクトリア。あとJETHRO TULLのバリモア・バーロウ(Ds)が複数曲で頑張ってます。オープニング曲だけはいかにもKANSASの人というテイストの曲ですが、その他はいい意味でアメリカンプログレとは違う雰囲気を醸してます。中でもロニー参加の2曲がディオワールド全開になっちゃうところがね、良くも悪くもさすがと言わざるを得ないわけ。タイトルからして”Mask of the Great Deceiver”と”To Live for the King”だもの、すでにロニー丸出し。前者では演奏が始まって2分後に満を持しての登場となります。本人は目立つ気はないというか、むしろ楽曲に溶け込もうと控えめな歌唱なんだけども、有り余るオーラが漏れ出ちゃうんでしょうな、存在感がハンパねぇわけですよ。誰がどう聴いたってロニーだもの。淡々とした曲調が威風堂々としており素晴らしいです。KANSAS云々は無関係にロニー目当てで買ってる人もたくさんいるでしょうな。今となっては貴重な音源です。スティーヴ・ウォルシュもさすがの貫禄ですかね。リフグレンのヴォーカル曲もあり。6曲目のシンガーだけがイマイチかな。エンディングは8分半の”Ground Zero”。ロビー・スタインハート(ヴァイオリン)やコーラス隊が活躍するプログレ大作です。オケに聴こえるのはリフグレンのシンセなのかね。