FLOWER KINGS
THE FLOWER KINGS(Sweden/瑞典)
#1732 / RETROPOLIS / 1996
★★★★
KAIPAのロイネ・ストルトのソロアルバムから発展したプログレ・バンド、フラワー・キングスの2ndアルバムです。大作志向が強く、まあプログレである以上ある程度は覚悟の上なのですが…2枚組アルバムを連発されたりするとね、冗長な印象は否めず、もうええわ!となってしまいました。ストルトのソロアルバムを含め5作ほど追っかけてみたけれど、2000年の「SPACE REVOLVER」を最後に聴かなくなったね。創作意欲が旺盛なのは結構だが、リリースのペースが早すぎるってのも離れた原因の一つかな。やっぱ聴くなら初期作品ということで、とりあえずこのアルバムをお薦めします。長尺曲もありますが、せいぜい10分強が2曲程度なので丁度いいと思う。キーボーとギター(どちらもストルトですが鍵盤はもう一人いる)が活躍するスリリングな展開が素晴らしいです。#2や#4といった長尺系ではEL&Pの明朗快活要素やらUK的ポップセンスなどが混在します。ストルトのやや掠れた声質はプログレ向きで、歌い方もどこかグレッグ・レイクみたいなジョン・ウェットンみたいな感じ。メロの載せ方まで似通っており微笑ましい。これはもはや確信犯ではないかと。それはともかく、緩急自在の音楽ゆえ飽きずに聴けますよ。
#2261 / SPACE REVOLVER / 2000
★★★★
マイケル・ストルトに代わってヨナス・レインゴールド(MIDNIGHT SUN他)が加入した5thアルバムです。エクストリーム系のイメージがあるベーシストだからどうなることかと思いきや、上手い人だったんだね。ここから2022年までの長きに亘りバンドを支えることになります。今作は2枚組ではないのですが、「JAPAN EDITION」には5曲入りのボーナス・ディスクが付属するので1.5枚組といったところ。アルバムのハイライトは合計26分弱に及ぶ”I am the Sun”です。PINK FLOYDの”Shine on You Crazy Diamond/狂ったダイヤモンド”と同様に、パート1が1曲目に、パート2がエンディングに分割されている。ジャジーなパートを始めとする様々なアイデアが駆使され、ドラマチックなプログレを演出しています。その他の聴きどころとしては、2分台のコマーシャルな楽曲、”Rumble Fish Twist”でのベースソロ、バグパイプなどが挙げられます。ロイネ・ストルトの歌唱は、相変わらずグレッグ・レイクを彷彿とさせるものだし、尺が長くて飽きてくる場面もありますが、この時期の一般的なNEOプログレ勢の音より、往年のプログレに近い感じが好印象です。さすがKAIPAと言ったところ。インスト中心のボーナスディスクも雰囲気があってよい。