DARK MOOR
DARK MOOR(Spain/西班牙)
#2050 / TAROT / 2007
★★★★★
珍しいスペイン産のシンフォニック・パワーメタル・バンドの6thアルバムです。コンセプトはアルバムタイトルそのもの、各楽曲のタイトルにタロットカードの大アルカナが当てられている。オープニング曲が”The Magician/魔法使い”、2曲目は”The Chariot/戦車”、#3”The Star/星”、#4”Wheel of Fortune/運命の輪”、#5”The Emperor/皇帝”…といった具合。シンガーもギタリストもイケてるじゃん。唯一の立ち上げメンバーにして中心人物のギタリスト、エンリク・ガルシアはプロデュースとオーケストラアレンジも担当する。コレは掘り出し物だぞ。序盤はジャーマン風味のスピードメタルが続く。ゲストの女性シンガーはオランダのNEMESEAというバンドの人だそうで、”Lovers/恋人”をはじめいい仕事をしている。中盤の大作”Devil in the Tower/塔”が8分に迫るシンフォメタルで、KAMEROT的な雰囲気が漂う。ヴォーカルメロもちょっとロイ・カーン風で…曲の途中アカペラコーラスはさながらQUEENの”預言者の歌”状態で、とにかく楽しませてくれる。最後11分半のクラシック音楽的大作”The Moon/月”もKAMELOT風味かな。有名な「月光」や「運命」を取り込んでいる。ボートラにはトルコ行進曲”Morzart’s March”。トータルするとイタリアン・シンフォメタルに近いかもね。同じラテン系だし、地理的に見てもそういうことなのでしょう。欲を言えばスパニッシュな要素がほしかった。CARMEN的なフラメンコとか、アンダルシア地方の地中海音楽とか、誰でもわかるベタな要素がね。これを期に女性ヴォーカル時代の3rdとか、かつてスルーしたスペイン勢のBARON ROJOやMEDINA AZAHARAも聴いてみようか、と思わせてくれる1枚でした。