青春デンデケデケデケ
青春デンデケデケデケ
#136 / 1980 / JPN
監督:大林宣彦 脚本:石森史郎 原作:芦原すなお 撮影:萩原憲治 岩松茂 音楽:久石譲 演奏指導:エド山口 出演:林泰文 大森嘉之 浅野忠信 永堀剛敏 佐藤真一郎 ベンガル 根岸季衣 尾美としのり 尾藤イサオ 水島かおり 高橋かおり 小林かおり 岸部一徳 雨宮良 前田武彦 石田ゆり子 佐野史郎 勝野洋 原ひさ子 南野陽子ほか
大林信彦監督が亡くなったということで紹介するのはこの1本。「転校生」も「時をかける少女」も、大林臭がどうにもクサすぎてね、好きな作品とは言い難く、そんな中今作は題材が自分の青春時代とガッツリ嵌ってるからお勧めしたいと思います。舞台は尾道ではなく香川県観音寺市。描かれるのは主人公たちの高校時代65年から67年ということで、自身の高校時代よりも干支一周分古い設定なのだが、エピソードの数々は共感できるもの多数。バンドメンバーを増やしていく過程とか、合宿とか、初恋とか失恋とか、文化祭とか、胸がキュンとする場面が多かった。グヤトーンのギターにパールのドラムをアルバイトで手に入れる。それ以前にドラムの子(「北の国から」のチンタ)は、自作のドラムセット(これが傑作)で練習してるんだよ。さすがに当時は、部活や愛好会等に所属していれば学校で練習できたし、練習スタジオもちらほらあったけれど、中には映画の一場面同様に農家の小屋で練習してる友達のバンドもいたよね。主人公が啓示を受けるのはベンチャーズであり、世間一般の流行は御三家(新御三家ではない)と設定が古くても、結果ほとんど知ってる曲だから問題なし。何しろ映画使用曲のうち”Hippy Hippy Shake”と”Johnny B. Goode”はカバー・バージョンとはいえ実際コピーしてるし(笑) ちなみに前者はGEORGIA SATELLITESで後者はMAHOGANY RUSHのバージョンでした。数十年後の主人公が高校時代の思い出を語っていくナレーション形式で物語が進行していくのもいいじゃない。