エレファントカシマシ
エレファントカシマシ(JPN)
#1111 / THE BEST 2007-2012 俺たちの明日 / 2012
★★★★★★★
運命の1枚ってあるよね。それが歌謡曲であれ洋楽であれ、感受性が豊かな青春時代に出会うことが圧倒的に多く、加えてその時の想い出込みで記憶されるものだから、それはもう何物にも代え難い1枚になる。当然ながらある程度の歳になるとこうした出会いはほとんどなくなるんだけど、久々のスペシャルがコレ。というか人生最後の運命の1枚かもしれない。エレカシ(うるさいぞう→かしましい象→エレファントカシマシ)に関してはその昔“悲しみの果て”や“OH YEAH!(ココロに花を)”なんかをコピーしたことがあったけど、それ以前も以降も特に思い入れはなかった。タモリ倶楽部等出演時の宮本氏のキャラには興味があったけどね。アルバムも前出曲収録の8thと“今宵の月のように”収録の9thしか持ってなかったし。で、話は遡って1000枚目にレビューした「アメグラ」のサントラですよ。最愛の教え子から借りたものをずっと持ってるって話。そのうち返す機会もあるだろうなんて書いたんだけども…その機会が突然訪れたんだね。久々の再開でやっと叶った返却の感動もそこそこに、また借りたのがこのアルバムでした。そもそもはオープニングに収録されている“俺たちの明日”が出勤時のテーマ曲だってところから始まったんだけど、聴いてビックリさ。イメージしてたエレカシじゃない。もちろんいい意味でね。詳しい説明は省くけど、響く歌詞が多かった。「根拠のない自信」に自信が持てる歌詞でした(笑) “桜の花、舞い上がる道を”と“絆(きづな)”と“ハナウタ~遠い昔からの物語”と“大地のシンフォニー”と“約束”だね。ミヤジ自身が歳を重ねてこそって感じの歌詞にとにかくハマったよ。自分の状況と重なったものだからそりゃあもうド嵌まりさ。他にも“笑顔の未来へ”とか“新しい季節へキミと”とか“彼女は買い物の帰り道”とかね。“幸せよ、この指とまれ”や“ワインディングロード”も。とにかく曲のクオリティも歌メロも向上してるじゃん!オーケストラアレンジも、ひとりハーモニーもエレカシにおいては斬新だと思ったよ。それと、実際に歌ってみて気付いたのはミヤジの声質の変化。コレは劣化して掠れてるんわけじゃない。多分その気になれば普通の声で普通に歌えるはず。熱唱することで太くなってるんだよ。比べちゃいけないだろうけど元基先輩のパターンだ。高音域になるほど太くなる!元基先輩よりキーは低いから歌えそうな気がしたんだけど、これは相当歌い込まないと真似できないぞと。移籍後のエレカシのポテンシャルが存分に発揮されているから、移籍前しか知らない人にはありがたい1枚です。久々に再会し、その後いろいろあり、個人的に極めてスペシャルなアルバムになったから、収録曲すべてのPVが収録されたDVD付き初回限定盤Bを新品で購入したよ。
※このCDを聴いていた事こそがDestinyだったかもしれないね。彼女は無意識のうちに願いを託したのではあるまいか。救い出してくれと。で託された側は期待に応えた…と言うほど偉そうなモノではないのかもしれないけど。
#1112 / 桜の花、舞い上がる道を / 2008
★★★★★
漠然とした想いを決意に変えてくれた重要な曲だ。「コレだ!」と思ったよ。必ず桜の花を舞い上がらせてやるからなって。根拠のない自信ではあったけど、3年で舞い上がらせようと思った。最初は信じてなかったよね?ところがどうだい!? 根拠のない自信に少しずつ影響されてさ、希望を持つようになってから景色が変わり始めたよね。そこから具体的な話をして…3年どころか3か月で救い出せた。思いが強けりゃ願いは叶うってことだな。ベスト盤でしか知らないからとりあえずシングル盤を検索して、B面曲の歌詞も気になったから買ってみた。“それを愛と呼ぶとしよう”ですよ。やっぱり良かったね。二人とも見事にハマりました。更には“桜の花…”収録アルバムの「昇れる太陽」DVD付初回限定盤も買いまして、そのDVDには同曲のPVが入ってたんだけどね、文字通り桜の花が舞い上がる様が素晴らしいのですよ。先日WOWOWで放映されたライブ映像での舞い上がる桜も感動的だったね~。熱唱するミヤジの姿もシンプルでかっこよかったし、徐々に声の調子を上げてくるところがまた凄かった。シングル「絆(きづな)」に入ってる“花びら~piano ver.”もまた美味。歌詞を微妙に変えてる部分は微妙(笑)
#1253 / 昇れる太陽 / 2009
★★★★★
通算19枚目のアルバムってことで、やっぱり根強いファンがいるんですな。深みが増した歌詞を書くようになってからの新しいファンも少なからずいるだろうね。ミヤジ曰く「収録順に聴いてほしいアルバム」そうだ。シャッフル再生なんて習慣はないから言われなくてもそうするけど(笑) ベスト盤で進化を遂げたエレカシに嵌まって、まあ一番のきっかけは“桜の花、舞い上がる道を”なんだけどね、そうすると収録アルバムが気になるじゃん!? ベストアルバムでも結構な統一感があるけども、さすがにミヤジ本人が言ってるくらいだから、今作の方がストーリー性を感じられるね。“新しい季節へキミと”と“絆(きづな)”と“ハナウタ~遠い昔からの物語”の3連発はやっぱり強力です。あとはラス前の“to you”からエンディングの“桜の花…”だよねって結局ほぼベスト盤収録曲かよ!2015年アルバムがリリースされますね。もちろん聴きますよ。
#2280 / MASTERPIECE / 2012
★★★★★
大仰なタイトルが冠された20thアルバムです。オリコン9位。43枚目となる先行両A面シングル”大地のシンフォニー”と”約束”、42枚目”ワインディングロード”と”東京からまんまで宇宙”を中心に作られた作品(同年リリースのシングル曲ベスト盤「THE BEST 2007-2012 俺たちの明日」にも当然収録されている)でしょうが、そこに加えたアルバム用の楽曲も印象的で、まあマスターピースでもいいかなって感じです。もとより洒落で付けたタイトルだろうし。とりあえず”大地のシンフォニー”が好き。歌詞はさておき曲がいい。プロデューサー/アレンジャーのYANAGIMANの仕事なんですね。注意深く見ると時折クレジットされている名前で、ケツメイシの”さくら”、”トモダチ”、”夏の思い出”などで有名になった人でした。両A面のもう一方”約束”は、曲はともかく歌詞が響く作品で、この2曲で絶妙なバランスが取れた傑作シングル(14位)でしょう。”ワインディングロード”(編曲は蔦谷高位置でこの人もキーマン)の高揚感もいいですな。シングル曲以外は、”我が祈り”、”Darling”、”ココロをノックしてくれ”、”穴があったら入りたい”、”七色の虹の橋”(歌詞の一部に♪誰の人生だってmasterpieceさ♪あり)、”世界伝統のマスター馬鹿”、”飛べない俺”など、いつも通りバラエティに富んだ楽曲が並びました。この後宮本の手術がありしばし活動を休止しますが、レーベル移籍後、”俺たちの明日”をリリースして以来の好調は続いている。