SKYCLAD
SKYCLAD(UK/英)
#1222 / THE SILENT WHALES OF LUNAR SEA / 1995
★★★★
SABBATのシンガーとSATANやPRIAHのギタリストを中心に究極のペイガンメタルを標榜して結成されたとのこと。ヴァイオリンを導入したスタイルは元祖フォークメタルということで認知されているようです。間もなく北欧を中心に盛り上がりを見せるヴァイキングメタルにも影響を与えたのかも。この5thアルバムからヴァイオリン奏者が交代したのが肝。3代目女性フィドラー(ちなみに初代も2代目も女性)の名はジェオルジーナ・ビドル。カントリーやプログレを筆頭にヴァイオリンの導入は特に目新しい事ではありませんが、とりあえずメタルと合体したらフォークメタルってことでいいのかな。ハードな演奏にヴァイオリン…嫌いじゃない。特にアルバム前半がバラエティに富んでいて面白いね。英国やアイルランドの民族舞踏音楽ジグ由来と思しき最終インスト曲も素晴らしい。ラス前のPINK FLOYD風の曲もいいね。悪声(笑)から繰り出される歌メロも哀愁を帯びていて良いです。コルピ系の脳天気フォークメタルではありません。ちなみに、CDショップでサンプル盤を頂いた次作も概ねこの路線。その他のアルバムは未聴となっておりますが、多分この辺りがバンドの最盛期なんじゃないでしょうか。タイトルを示すジャケにもそそられる。厳密にはヴァイキングメタルやペイガンメタルとは似て非なるものとのことですが、音楽を聴く限りでは共通点がある。分類に際しては歌詞が重要なのかもしれないね。
#1892 / IRRATIONAL ANTHEMS / 1996
★★★★
前作が気に入ってはいたが買うには至らなかったこの6thアルバム、縁あってサンプル盤を頂くことができたのね。楽曲としては概ね変化はないとも言えるのですが、よくよく聴いてみれば随分変化しているかも。個人的には悪い意味でね。メンバーの交代と脱退が原因かと思われます。まず交代したのはドラマー。前任者の昔のEXTREMEのドラマーみたいな音が好きなタイプでね、ドラマーのせいではく録音時のエフェクトのかけ方のせいなのかもしれないが、今作はキレがないように感じる。脱退したのは2ndギタリスト。ギターが1本になったことでヴァイオリンの比重が増し、ギターの音量が後退している。と思う。かといってヴァイオリンが取り分け目立っているわけでもなく、すべてがバンドサウンドに溶け込んでいる感じか。悪声ヴォーカルもあまり目立っていない。丸くなったというか、シンプルにメタル度が下がっただけなのか、楽曲はそこそこバラエティに富んでいても迫力不足かな。前作に於けるラフさと繊細さの対比が薄まった印象だ。オープニング曲や#5のキャッチ-な歌メロ、PINK FLOYD調のラス曲、インストの”剣の舞”(MEKONG DELTAより聴きやすい)など前作と同じ要素はあるのにね。