ROUGH CUTT
ROUGH CUTT(US/米)
#452 / WANTS YOU! / 1986
★★★★★
ジェイク・E・リーやクレイグ・ゴールディがいたこともあるカリフォルニアのバンド、つまりLAファミリーの一員です。実質2枚のスタジオアルバムのみでメンバーは散り散りになってしまいましたが、なにせLAファミリーですから、皆新天地で活動を続けるのでした。この時期の御用達「友&愛」では貸レコードに何らかの消費期限が決まっていたらしく、時折セールが開催されていた。1枚500円くらいだったかな。そこで買った1枚がこの2ndアルバムだったというわけ。なので1st収録の“Take Her”は好きだけど、ガッツリ聴いたのはこの2ndアルバム。やっぱり目立ってるのはヴォーカルのポール・ショーティノだね。ブルージーでソウルフルでパワフル、熱いのを通り越して暑苦しいけどカッコ良さが勝ってる。すっかりお馴染みの“Stars”にも招聘されて熱唱してたよね。短い小節ながら存在感バリバリでした。お気に入りのカセットテープに録音して特に聴いていたのは、元気一杯オープニング曲の”Rock the USA”、そして2本のギターも活躍する代表曲”Don’t Settle for Less”、ショーティノ節を堪能できるエンディングを飾るバラード”The Night Cries Out for You”でした。
#2103 / ROUGH CUTT / 1985
★★★★
今やLAメタルの重鎮と呼ばれているポール・ショーティノのバンド。デビュー前にはジェイク・E・リーが在籍。後にOZZY OSBOURNEへ。ジェイクの後釜は元ジェフリアのクレイグ・ゴールディで、後にDIOへ。同じくデビュー前の鍵盤も後にDIOへ。ポール・ショーティノは2枚で脱退しQUIET RIOTへ。元AEROSMITHのジミー・クレスポが加入したり、その時のベーシストはQUIET RIOTやGREAT WHITEに在籍し、後にDOKKENへ。さらにドラマーはMAGNITUDE NINEへ。活動再開した近年では、ダーレン・ハウスホールダーやカルロズ・カヴァーゾ(2021年の3rdアルバムにゲスト参加)が更なる歴史を重ねている模様。LAメタルのファミリーツリーは実に興味深いのです。これがデビューアルバム。プロデュースはトム・アロム(ちなみに2ndはジャック・ダグラス)。エンジニアもその筋で有名な人でレコード会社の気合が違うゴールデンルーキー。オープニングの”Take Her”(ロニー・ジェームズ・ディオのクレジットあり、ちなみに他2曲にはウェンディ・ディオのクレジットも)のありそうでない半音階リフが一番印象に残ってます。絶妙な気持ち悪さがクセになる。シンプルながら2本のギターの役割分担が素晴らしい。2曲目の”Piece of My Heart”は女性ゴスペル/ソウル・シンガーのカバー(JANIS JOPLINも歌ってる)で、PVが見られるってことはシングル・カットされたのかな、ショーティノ流にアレンジされたナイスカバー。オリジナルを超えたね。