OZZY OSBOURNE
OZZY OSBOURNE(US/米)
#30 / BLIZZARD OF OZZ / 1980
★★★★★★★

サバスをクビになり自暴自棄だったオジーがランディ・ローズに出逢った奇跡『血塗られた英雄伝説』。サバスを凌駕する歴史的復活作となりました。ヴォーカルは分かってたけど、ギターもダブルトラックだったんだね。エフェクトはかかっているだろうけど個性的な音色の秘密はコレだったのか。次々と繰り出される斬新なギター(ギターのパートだけ聴いてても楽しい)、そして名曲の連打ですよ。“I Don’t Know”と“Crazy Train”と“Goodbye to Romance”と“Dee”の4連発は文句なし。後半は要所に配された“Mr. Crowley”と“Revelation(Mother Earth)”が素晴らしい。ランディの後にはブラッド・ギルス、ジェイク・E・リー、ザック・ワイルドとなかなかのビッグネームが続いていますが…このプレイを聴いちゃうとね…そもそもバンドを抜ける予定だったとはいえ3rdアルバムが聴きたかったよね~。生きてりゃ実現したかもしんないじゃん!抜けることが決まっていたからこその遊覧飛行だったのかな。そのあたりは盟友ルディ・サーゾ著「オフ・ザ・レイルズ」でも読んで想像してみてね。それと2002年再録バージョンに引き続きオリジナル盤もリマスター&ボートラ追加で出たよ。ランディの新曲その他(Goodbye to Romanceのオジー&ランディのみバージョンがいい!)が追加された1stにライブのボーナスディスク(これまたいい!)が追加された2ndだけど…買う?買わない?どっち!?
#223 / DIARY OF A MADMAN / 1981
★★★★★★

ランディ・ローズと組んだ2枚目で、これがランディにとって人生最後のアルバムとなってしまいました。ベースはRAINBOW他のボブ・デイズリー、ドラムはURIAH HEEPのリー・カースレイク、プロデュースはマックス・ノーマン。1stと共に黙って聴くべし!でございます。シングルカットされた”Over the Mountain”、”Flying High Again”に始まり、”You Can’t Kill Rock and Roll”、”Believer”、”Little Dolls”と素晴らしい楽曲が続きますが、特にラスト3曲“Tonight”、“S.A.T.O.”(師匠のイチオシ)、”Diary of a Madman”の流れは圧巻です。初めて聴くならリズム隊を差し替えた2002年再録バージョン(Bは現METALLICAのロバート・トゥルージロ:違和感があってイヤ、という人もいるでしょうね。特に2ndの寅次郎は音がデカい。1stもウルサイけど2ndほどは気にならないんだよね。“Goodbye to Romance”のベースは良かった。流石に出だしの1音目はデカすぎて驚いたけど)でもいいけど、2011年にリマスター&ボートラ(このライブも素晴らしいのですが、最終的にサバス大会になってしまうのがちょっと残念)追加でオリジナル音源盤が出ちゃいました。当時を知る人は…そりゃあ両方買ってしまうでしょうね。リズム隊が誰であれ、オジーの歌声&ランディのギターは永遠に輝き続けるのだ。それにしても大化けしましたね。オジーの力で一気に一流の仲間入りだ。申し訳ないがQUIET RIOT時代とは比較になりません。オジーの2枚で、ランディの革新的なフレーズの数々(リフもソロも凄いです)を堪能しましょう。25歳で逝ってしまった伝説のプレイを!オジー・オズボーン自伝「I AM OZZY」も面白かった。合わせてお勧めしておきます。となればルディ・サーゾ著、「Off The Rails」もぜひ読んでいただきたい。
#850 / BARK AT THE MOON / 1983
★★★★★

亡くなったランディ・ローズの後任にジェイク・E・リー(RATT~ROUGH CUTT)を抜擢した3rdアルバム「月に吠える」です。全米19位を獲得、トリプルプラチナムに認定されています。他のメンツは復帰したボブ・デイズリーと、トミー・アルドリッジ、ドン・エイリーという布陣。しかしまたいいギタリストを見つけるよね。悪魔の力か?ジェイクはLAメタル方面で活躍していた日本人の血が半分流れる攻撃的なテクニシャンです。SSHのストラトキャスターのハムバッカーはアラン・ホールズワース・モデルだそうです。だから何だって話だけども(笑) 空耳アワーの“バカだも~ん”でお馴染みのタイトルチューン(全英21位)が文句なしに素晴らしい。ランディ時代の2枚のリーダートラックと比べても遜色ない出来です。ギターリフはエディ・ヴァン・ヘイレンを想起させるカッコよさがあります。オジーの歌のバッキングでも、埋もれることなくしっかり主張している。B-1の“Centre of Eternity”も秀逸でした。この曲はかつてコピーしたことがあるのですが、結局レパートリーにならなかったということは、何度か合わせただけで終わったのだと思う。よって、誰が推薦した曲だったか、どのメンバーの時にコピーしたのか、諸々曖昧な記憶しかないのね。師匠なら覚えてるかな。お得意のバラード”So Tired”(全英20位)もいいですな。ストリングスアレンジがよく似合う。その他の曲も、オジーがあの声で歌っているだけでスペシャル、昔からのファンからすれば条件反射的に楽しめてしまうのです。特に上手いわけじゃないのにね、オジーは凄いわ。何を歌ってもオジーの刻印がハッキリ見えちゃうところが帝王と呼ばれる所以なんだね。
#1034 / THE ULTIMATE SIN / 1986
★★★★★

前作に引き続いてジェイク・E・リーが参加した4thアルバム「罪と罰」です。プロデュースはロン・ネヴィソン。リズム陣はフィル・スーザンとランディ・カスティロに交代していますが大勢に影響なし。全米6位(ダブルプラチナム)/全英8位に到達しました。オジーのボーカルメロディは流石のクオリティですが、曲の出来不出来にかかわらず、ジェイクのギターを聴くだけでも楽しめます。まあ、偉そうな事を言っても当時は「友&愛」で借りたんだけどね。リーダートラックにして全英72位の表題曲は文句なしのオジー節炸裂です。続く”Secret Loser”はライト感覚の変化球。”Never”の激しいギターリフはジェイクならではでしょう。“Lightning Strikes”の確信犯的リフはランディ・ローズ丸出しで泣けます。ソロも素晴らしい。アコギの導入部分が印象的な”Killer of Giants”も起伏があって良かった。そしてトリに控えしヒット曲“Shot in the Dark”(全米68位/全英20位)です。“暗闇にドッキリ!”という邦題に反応するのは同世代の映画ファンだけかな。映画「ピンクパンサー」シリーズ(ピーター・セラーズ扮するクルーゾー警部が活躍するコメディ)2作目の邦題が「暗闇でドッキリ」なのね。邦題を考えた人はピンクパンサーを知っていたに違いない。この曲はコピーしたことがある(ギターは師匠、ベースはS氏、ドラムはスーザン…ではなく”すーさん”笑)からね、未だに半分くらいは歌詞を覚えています。名曲ですね。ジェイクとスーザンは今作を伴うツアー後に脱退、次作はザック・ワイルドとボブ・デイズリーが加入します。これ以降のアルバムも聴いてはいますが、思い入れは徐々に薄れていくのでありました。
#1646 / TRIBUTE / 1987
★★★★★

邦題「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」アナログ2枚組で発売されたライブ盤です。音源は80年~81年。リズム隊はルディ・サーゾとトミー・アルドリッジ(2曲でボブ・デイズリーとリー・カースレイク)。もちろんベスト選曲…と言いたいところですが、2ndからは2曲のみ。個人的にはBLACK SABBATHの3曲は要らないかな。だったら2nd収録曲と差し替えてほしかった、などと勝手なことを思うわけだが、音源そのものが無いのかもね。2ndがリリースされたのが81年11月で、ランディが事故死したのは82年3月だから、恐らくそういう事情なのでしょう。そもそも個人的には1stの方が思い出深いので全く問題ないけどね。古い音源ゆえ音質はそれなりですが、ランディのプレイに集中してしまえば気にならないレベル。とにかくだ、サバスの曲も含め元気に弾きまくってるだけで感動できるはず。生きていればまだまだ上手くなってたんだろうなとか、LPカスタムやジャクソンVの次には何を使っただろうかとか、ソロアルバムを作ってたらどんな面子とどんな曲をとか…「たられば」が止めどない貴重な実況録音盤なのでした。更には、お宝音源として1stアルバム収録曲“ディー”のスタジオ・アウトテイクが聴けます。プレイのやり直しやらランディの声やら、オジーからファンへの素晴らしいプレゼントですね。叶わぬ夢に思いを馳せつつ聴いてください。併せて、オジー著「アイ・アム・オジー」やルディ・サーゾ著「オフ・ザ・レイルズ」も強くおすすめしておきます。
#2019 / UNDER COVER / 2005
★★★★

ジョー・ウォルシュの”Rocky Mountain Way”やMOUNTAINの”Mississippi Queen”にオジーの声は如何なものかと思いきや普通に聴けた。”Mississippi…”に関してはレスリー・ウェストがソロを弾いてるし。そこまで聴き込んだ曲じゃなければ更に違和感はなく…MOODY BLUESの”Go Now”とかMOTT THE HOOPLEの”すべての若き野郎ども”(これまたイアン・ハンターが歌ってるご本人さん登場状態)とかバッファロー・スプリングフィールドの”For What It’s Worth”とかアニマルズの”Good Times”とかアーサー・ブラウンの”Fire”あたりがソレ。どれも聴いたことがあるのだが、何かしらのコンピで聴いたものが多いらしく、即座にバンド名が思い当たるほどではない。故にオジーの声でもすんなり聴ける。残りのカバーは、オリジナルが刷り込まれているけれど、オジーの声も合うよねってパターン。まずはBEATLESの”In My Life”およびJOHN LENNONの”Woman”と”Working Class Hero”、やっぱビートルズ(レノン)が好きなんだね。KING CRIMSONの”21世紀の精神異常者”は狂人キャラのオジーにピッタリの役回りと言いたいところだが、一番の聴かせどころである複雑な間奏部分がオミットされた不完全燃焼バージョン。ジェリー・カントレルを始めとする演奏陣(グレッグ・ビソネットやジョー・ボナマッサもクレジット)には荷が重かったか。CREAMの”Sunshine of Your Love”(まるでBLACK SABBATHの曲みたいに嵌ってる)とROLLING STONESの”悪魔を憐れむ歌”も違和感なし。そして個人的にはボートラ曲が一番の目玉でした。BLACK SABBATHの”Changes”は名盤「Vol.4」収録の名曲ですが、娘のケリー・オズボーンとデュエットしてるんだよ。録音は娘も父同様のダブルトラック処理。歌詞の一部をケリーが変更(IをWeに変えたりdaddyという単語が加わったり)しており、最愛の女性との別れだったテーマが父と娘のすれ違いになっている。幸せだなオジー。
#2116 / NO REST FOR THE WICKED / 1988
★★★★

ロイ・トーマス・ベイカーとキース・オルセンがプロデュース、原点回帰を謳った5thアルバムです。ベースはフィル・スーザンからボブ・デイズリーに戻りました。ドラマーは前作加入のランディ・カスティロで、キーボーにはドン・エイリー(「月に吠える」)以来の正式メンバーとしてSPINAL TAP他でも有名なジョン・シンクレアを迎えている。そして今作に於ける一番の注目点は、ジェイク・E・リーに代わるギタリストとしてザック・ワイルドが起用されたこと。ここから2022年リリースの最終作「PATIENT NUMBER 9」までの長きに亘り(一瞬抜けてるのかな)オジーを支えることになるとは、この時は誰も想像していなかったでしょう。オジーの音楽にそこまで合っているとは思えないけれど、今作に関しては、ジェイクの雰囲気を引き継いだプレイを選択したのかな。しかもギターソロで目立つというよりリフに注力した気がする。楽曲は前作のポップ(軽い)路線から本来の持ち味に修正。オープニングの”Miracle Man”から2曲目の”Devil’s Daughter”そして3曲目の”Crazy Babies”の序盤戦はこれぞオジーという破壊力がある。オジー特有のメロとヘヴィなギターリフの合わせ技ですね。
#2345 / NO MORE TEARS / 1991
★★★★★

2025年7月22日、パーキンソン病を患っていることはすでに公表されていましたが、永遠に生き続けると思われていたオジーが、ラストライブから17日後に76歳で亡くなりました。タイトル、アートワークともに追悼盤にふさわしい今作が残っていたのも何かのご縁でしょうか。悪魔から始まった人の背中に天使の羽が生えちゃってるもの。ライブツアーからの引退を宣言した後にリリースされた6thアルバムです。ミキシングはマイケル・ワグナー。最終作(になるはずだった)に伴うツアーは「No More Tours」と銘打たれました。さすがモンティ・パイソンの国(このフレーズ気に入っている笑)洒落てるね。そうした経緯により全英17位/全米7位を獲得、ソロキャリア最高の売り上げ(4×プラチナム)を記録しました。メンバーは前作と同じ布陣で、ザック・ワイルド(G)、ボブ・デイズリー(B:元RAINBOW)、ランディ・カスティロ(Ds:元LITA FORD BAND)、ジョン・シンクレア(Key:元HEAVY METAL KIDS、URIAH HEEP)ですが、MOTORHEADのレミー・キルミスターが4曲のソングライティングにクレジットされている。オジーらしいボーカルメロディ満載のアルバムに仕上がりました。引退詐欺疑惑はさておき、ランディ・ローズ時代の作品を除けば一番の出来かも。グラミー賞で最優秀メタルパフォーマンス部門を受賞した”I Don’t want to Change the World”、レミーが曲作りに関わった、文句なしのメロディが冴えるバラード”Mama, I’m Coming Home”、スケールの大きな展開を奢った7分半弱のタイトル曲、あとは”Time After Time”や”Road to Nowhereも良かった。シングルカットされたタイトルチューンは全英32位/全米71位、同じく”Mama, I’m ...”は46位/28位を獲得しました。