Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

OSANNA

OSANNA(Italy/伊)

#97 / PALEPOLI / 1973

★★★★★

Osanna palepoli (320x320)

イタリアンプログレにおいて、陽の筆頭がP.F.M.なら陰の筆頭はオザンナだ、という名言を述べていた音楽評論家がいらっしゃいましたが、概ねそういうことなんですね。つまり両方聴こうってこと。もちろんこの2バンドでイタリアンプログレのすべてが分かるわけじゃあございませんが。他にも様々なタイプのイタリアンが存在します。それがBANCOでありNEW TROLLSであり。アルバム1枚で消えていったバンドでも侮れないのがユーロプログレなのです。出身は南部のナポリ、文字通りの兄弟バンドであるCERVELLOは当然だとして、他にナポリ出身のプログレバンドを知らない。前身バンドには、イル・バレット・ディ・ブロンゾに引き抜かれ、名作「YS」を生み出したジャンニ・レオーネ(key)がいました。オザンナのイチオシはこちらの3rdアルバムです。これまでの2作もそうでしたが、オザンナの音はヘヴィなのが特徴なのね。ちなみに71年のデビュー作はサイケな混沌ロックでしたが、その時点でも聴きごたえ満点でした。ハードロックなギター、アコギ、サックス、フルート、メロトロン、シンセ、上手いヴォーカルとコーラス、腕利きの音楽集団が演奏するのは、HRを縦軸に据え、そこにジャズロックやクラシックを編み込んだ起伏の激しいダイナミックな音楽。さらに、出自のサイケロック同様プログレの醍醐味でもある長尺という要素が加わって、このユーロプログレの大傑作が生まれたわけですね。ナポリ出身というのも大きな要素に思える。まだ南北問題が深刻だったイタリア、ちなみに今作がリリースされたのは第四次中東戦争→石油危機の年でもあり、それが追い打ちをかけたと思われます。イタリア経済の中心は北部ミラノであり、ほぼセンターに位置する首都ローマは南部の入口、そこから南部の中心都市ナポリ、南端のシチリア島(マフィア発祥地)と下っていくのに比例して経済状況が悪化=犯罪率が急上昇。北部は都会で南部が田舎、当然南部訛りもある。北部の経済(税金)が南部を養っている構図。しかしながら、陽気なイタリアンのイメージは南部のそれであり、何より美しい自然があると。余計な話が長くなってしまいましたが、パレポリとはローマ帝国以前に栄えた謎の古代都市でありナポリの起源と言われているらしい。その古代都市がコンセプトなので、北部の音とか南部の音とかって話じゃないんだけどね。電子楽器も使った古代のヘヴィロックという感じでしょうか。キングレコードのユーロピアンロックシリーズを買い漁っていた時期があって、これもその流れで購入。FMでエアチェックしたプログレ特集のカセットテープを参考に新星堂に足を運んだな。1枚買えばインナーに他の作品の解説があったし、たしかに厳選された作品がリリースされていた。とりあえずそのシリーズを聴いておけばポイントは押さえられたもの。



#787 / L'UOMO / 1971

★★★★

Osanna l'uomo (320x319)

このオザンナのデビューアルバムもサイケからハードロック(またはプログレ)移行期の貴重な1枚ですね。ハードなギターサウンドやオルガンに加えてフルートやバイオリンやハーモニカと何でもアリな爆発力に満ちてます。楽しげなレコーディング風景が目に浮かぶようです。使用楽器はともかくプログレよりハードロックの要素が多いね。コーラスワークは初期のURIAH HEEPみたい。部分的に SCORPIONSの1stアルバムの雰囲気にかなり近いと感じました。古いタイプのサイケロックやクラウトロックからの脱却という共通のテーマがあってこその結果でしょう。その後両者はハードロックとプログレッシブロックにそれぞれシフトするわけだね。



#1097 / MILANO CALIBRO 9 / 1972

★★★★

Osanna milano calibro 9 (320x320)

オザンナを聴いたのは高校生の頃エアチェックしたプログレ特集でした。現存するそのテープに収録されているのはこの2ndアルバムに収録されている“プレリュード”と“テーマ”なんですね。そりゃあもう懐かしいわけさ。それだけでこのアルバムの個人的価値はグーンと上昇するよね。当時はこのアルバムが映画のサントラだなんて想像もしなかったよ。劇伴ゆえ特に中盤は消化不良気味の短い曲が連続するんだけどね、それでも十分楽しめちゃう。期待通り、デビューアルバム同様のハードロック寄りのプログレです。いや、ハードロック以前のサイケロックだね。汚く歪んだギターの音色がそう思わせる。ギターソロの一部は、やはりSCORPIONSの1stに於けるマイケル・シェンカーが頭をよぎる。それに加えて景気のいいフルートにド迫力のサックスだもの。プログレなんだけど物凄くパワフルだ。KING CRIMSONのヘヴィさとは似て非なるもの。こちらの方がハードです。で、ダメ押しはPFMばりの美しいストリングスだね。アコギも効いてるし、ラストのバラードもいいし、てんこ盛りのお祭り騒ぎさ(笑) 収録時間が短すぎて少々喰い足りないのが難点かな。 この翌年にリリースされる傑作「パレポリ」に繋がる作品ゆえ聴いておきたい1枚ですね。それにしても…どういう映画なんだろうか!?



#1342 / LANDSCAPE OF LIFE / 1974

★★★★

Osanna landscape of life (320x320)

傑作「パレポリ」の後にリリースされた、オリジナルメンバーでの最後の作品となる4thアルバム「人生の風景」です。UNOのメンバーとCERVELLOのメンバーが1名ずつ参加している模様。中心人物2名は今作レコーディング前にイギリスでUNOを作っていたらしい。6曲中4曲での英語詞導入はそれが関係しているのでしょうね。例によってオイルショックの影響で、売れ線プログレに生き残りを賭けたのかもしれません。よって、これまでのイメージからすると、良く言えばまとまりのある楽曲が増えたかな。AREAやBANCOにも見られる自由奔放な弾けっぷりが魅力なんだけどね。まあそれが全くなくなったわけではないので良しとしておこうか。1曲目と4曲目は本来のオザンナ節炸裂曲だ。結果的にうまくいかなかったってことになりますが、この4thまでは聴いて損はありません。4年後のNOVA組とCITTA FRONTALE(OSANNAの前身バンド)組が合流した再結成作品は未聴ながら、ジャズロック色が強まっているそうなので、それはそれで興味津々でございます。



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