MOODY BLUES
THE MOODY BLUES(UK/英)
#785 / EVERY GOOD BOY DESERVES FAVOUR / 1971
★★★★
デビューアルバムをリリースしたのが65年という最古参バンド(BEATLESやYARDBIRDSと共にロック黎明期を生きてきたことになる)の7thアルバム『童夢』です。コレをバンドの代表作として概ね間違いはないのですが…主軸がどこにあるのかハッキリしないところが魅力(笑)。パレポリか!?と期待が高まる冒頭からブライアン・メイ御用達のあの音色のギターが切り込みメロトロンの洪水をバックに唐突にサイケロック!多少古臭いタイプの男前(声が!)ヴォーカルと相俟ってかっこイイ。第1期パープルのロッド・エヴァンス的なアレですね。ただし中盤以降は急激に歌モノに移行して「サージェント・ペパーズ…」以前のフォーキーなビートルズ風味とか、曲によってはビージーズか?と感じたりもする万華鏡写輪眼状態。悪くはないんだけど予想外でした。序盤の路線で突っ走ってほしかった。プログレというよりフォークですが微妙な立ち位置はいいと思います。
#1053 / DAYS OF FUTURE PASSED / 1967
★★★★
元ビートバンドの突然変異的2ndアルバムです。この作品が本格的なプログレの夜明けという説が有力なんですよ。とにかく67年(「宮殿」の2年前だね)にコレを演ったという事実が凄いのであります。朝から夜までの1日をアルバム1枚で表現するというプログレッシブなコンセプト及び大々的なオーケストラの導入は、ほぼ同期のビートルズが同年の幕開けにリリースした「サージェント・ペパーズ…」に触発された(高邁なコンセプト作品でも売れんじゃね?的な)と考えて間違いないでしょう。特に序盤(朝)は、まるで古い映画のサントラのようです。そのせいで歌入りの曲でも映画の挿入歌に聞こえちゃうけどね。中盤(昼)から終盤(夜)にかけては…グループ名よろしくムーディー。こういう作品を録りたくてバンド名を付けたんだとしたら目標は達成してると思います。それにしても…やっぱり道を切り開いているのはBEATLESなんだね~。
#1341 / SEVENTH SOJOURN / 1972
★★★★
微妙な立ち位置のバンドなのは分かっちゃいましたが、この作品をプログレと呼ぶのはどうなんだろう。「童夢」の次だから期待したんだけどね、似たような構成かもしれないが随分と控えめな音楽が詰まっておりました。アルバムタイトルは安息日を意味するらしく、タイトルと内容は確かに合致している。さらにはジャケもそのイメージを良く表していると思う。そういう意味ではよくできてるってことになるのかな。トータルコンセプトですね。通算8作目で、ジャスティン・ヘイワードが加入(メンバーが固定)してからは7作目ということらしいです。だからタイトルにSEVENを入れたかったのかな。プログレの範疇で語られる最後のアルバムという意味で重要ではあるものの、正直コレを聴くなら「童夢」以前の作品の方が優先順位は上だね。印象に残っているのは“You and Me”くらいかな。あとはジャケの美しさ。何度か繰り返して聴いてみたんだけどね~、気が付くと聴き流しちゃってる(笑)