MASQUERADE
MASQUERADE(Sweden/瑞典)
#1233 / SURFACE OF PAIN / 1994
★★★★
マスカレードで真っ先に思い出すのは、師匠が持ってきた1stアルバムなんだけどね、当時はまだまだアグレッシブな音が好きだったから、軟弱になったTNTと同じじゃんと切り捨てたような気がする。師匠がお勧めとして持ってきたのか、つまらないから交換要員として持ってきたのか、肝心なところは記憶にないんだけども、ウチに無いってことは前者だったと思われる。今聴けば十分に素敵なアルバムなんですが、現物がない故、今回紹介するのは2ndだったりして(笑) ところがコレがですね、デビュー作とは全く違う趣なわけ。あの爽やかさは何処へ。同じバンドとは思えません。序盤の曲の雰囲気から当時流行のラウドロック云々という評もあれど、総じてプログレメタル的ではないかと。ドリムシやクイーンズライチのアグレッシブな部分に焦点を当てた感じじゃないかしら。だから、今回のトニー・ヨハンソンはジェフ・テイトみたい。まあ曲がQUEENSRYCHEみたいだからなんだけども。ドリムシ調の曲ではジェームズ・ラブリエだし、冒頭のアグレッシブ路線の曲ではブルース・ディッキンソンと、俺様は誰でも歌えるんだぜ的な、歌真似によってポテンシャルを披露する形になってしまいましたが…ある意味成功です。ギターのトーマス・G:ソンも相変わらず素晴らしい。物真似だけにあらず、これらの楽曲には北欧メロも宿っているわけで、結果的になかなか希少な音になったと思う。ありそうで無い個性を醸していると思います。“Suffering”を聴いてみてよ。印象に残ること間違いなし。
#1843 / MASQUERADE / 1992
★★★★
安価な中古盤を見つけ結局手に入れてしまった、隣の国の先輩TNTみたいなデビューアルバムです。しかも「TELL NO TALES」の頃の、まだアグレッシブさが残っているTNTだね。ギターの音が前面に出てる録音も潔くていいじゃない。オープニングからほぼ1曲毎に元気溌剌曲が繰り出されるわけですが、そのほとんどでロニー・ル・テクロばりのトリッキーなギターソロを聴かせてくれるギタリストがなかなかの強者です。普通では終わらないソロとでも申しましょうか、捻りが効いておりよく寝られている気がする。やたら長く弾きすぎないところも似てるかな。本家TNTの録音もこれくらいギターを目立たせてくれても良かったね。シンガーが強力ならギターの音がデカくても問題なかろう。というわけで、トニー・ハーネルを力強くした感じのシンガーも凄いです。名前も同じトニー(ヨハンソン)だって。曲の出来もTNTと比べて特に遜色ないように思いますが…各方面からTNT云々を言われすぎたんだろうね、この路線はデビューアルバムのみで封印して2ndアルバムでは劇的な変貌を遂げるのでした。