KLAATU
KLAATU(Canada/加)
#532 / 3:47 EST / 1976
★★★★★
カナダの不思議系バンド、クラトゥのデビューアルバムです。プログレといえばプログレですがその正体は…「サージェント・ペパー」以降のビートルズ風サウンドでした。もっともこの時期のビートルズは十分にプログレしてたけどね。ビートルズのメンバーが関わってるんじゃないかと話題になったらしい。何だかSILVER STARSみたいだな。アルバム1曲目に収録されているCARPENTERSがカバーしたコーリング・オキュパンツ“Calling Occupants of Interplanetary Craft”と2nd収録のロング・リヴ・ポリッザニア“Long Live Politzania”しか知りませんでしたが、それぞれが素晴らしく興味をそそられたので、しかも都合よくリーズナブルな1stと2ndのカップリングCDを見つけたので買ってみました。とりあえず1枚目に関して…1曲目の完成度が群を抜いてます。ひたすら優しい歌声だ。あとはね、SWEETみたいな明るい曲とかアイドル系バンドっぽいのとかですね。終盤いかにもポールが作りそうな曲に凝ったアレンジが施されている様は確かにビートルズだな。そしてモンティパイソン風のおふざけソングから最もプログレッシブなエンディング曲で幕。でこのエンディングが2ndのオープニングに繋がる(ヴォーカルエフェクトとか小編成のオーケストラとか)という趣向なのさ。そういう意味でも今回のカップリングCDはありがたかった。2枚組として楽しむのもアリだと思う。プロデュースはRUSHとの仕事で有名なテリー・ブラウンですよ。ビートルズ云々はさておきプログレ度は2nd「HOPE」の方が遥かに高いです。
#1090 / HOPE / 1977
★★★★★
ビートルズ(というかポール)がライブ活動に嫌気が差しスタジオワークに心血を注ぎ始めて以降の凝ったサウンド、それをプログレと呼ぶならば、そういうサウンドが詰まっている2ndアルバムです。デビューアルバムの最後の曲でプチオーケストラを導入してましたが、今回はロンドン交響楽団が参加するという徹底ぶりだからね、要するにその最後の曲で提示したものの発展型です。あのプログレ曲は今作の予告編的役割だったのかもしれないね。とにかく今作は凝りすぎるくらいに凝ってる(笑) もはやビートルズとか関係なくなってます。このやり過ぎ感が好き嫌いの分かれ目になるでしょうね。前作のようなポップ曲は皆無です。クラシカルなプログレ路線に焦点を絞ったね。この優雅な英国宮廷風味はCAMELやRENAISSANCEを想起させるし、ファンタジー風味は平山照継の「ノイの城」の世界観に通じるものが感じられ個人的にはとても楽しい。カナダのグループなんだけども英語圏の出身に違いない…と思って調べてみたらトロントでした(笑) しかもスタジオミュージシャン3名の集合体らしいよ。さすがスタジオワークのプロ集団、この徹底した仕事っぷりには納得です。オーケストラの管楽器および弦楽器が素晴らしいのは当然として、冒頭のブライアン・メイ風フレーズ等、ギターも頑張ってるね。細かく聴いてないけども…メロトロンやSEも使われているようです。ファンタジー系ジャケも素敵だね。タイプは異なるものの甲乙つけがたい出来栄えの1stと2ndなので、できれば両方聴いてほしいな。ちなみに3枚目以降はポップ路線ということで未聴です。