HEAVENLY
HEAVENLY(France/仏)
#2099 / CARPE DIEM / 2009
★★★★★

先達の良いとこ取りバンドの5thですが、今のところラストアルバムになっている。この時点でオリジナルメンバーはシンガーのベン・ソットだけだったらしい。今作のギタリストはベーシストとしてDRAGONFORCEに加入。2019年からKREATORに在籍。ドラマーはFAIRYLANDのメンバーで、そちらはシンフォメタルとのこと。アルバムタイトルはラテン語で「今を楽しめ」→「死を忘れるな」→「Die Hard」みたいな意味になるのかな。Carpe Diemという言葉は初見じゃないのだけれど、どこで目にしたのかが思い出せません。音楽関連だとは思うけどね。シンガーはそこそこ高音域を駆使するが所謂線が細い系です。ギターはテクニカルでソロがかっこいいね。あとはコーラスに注力している。何より曲が良くできているから飽きずに最後まで聴くことができました。RAGE的なアグレッシブ・ジャーマン、HELLOWEEN由来の王道ジャーマン、そこにQUEEN、でもフランスのバンドってところがミソだよね。個人的に特に耳を惹かれるのはQUEEN的な曲で、3曲目”Farewell”と5曲目”A Better Me”ということになる。歌メロ、コーラスワークからギターの音色まで、まあとにかく楽しそうだし、聴く側も楽しくなっちゃうね。8曲目の”Ode to Joy”は年末恒例のベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」がベースになっているのだが、もしかしたらHELLOWEENのメロに近いのではと、メンバーの誰かが気付いちゃったんだね。マイケル・キスクの声が聴こえてきそうなHELLOWEEN度です。既視感はあるとしても、それを補って余りある素晴らしいアルバムでした。過去作品はメロスピらしい。聴いてみよう。