Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

HEART

HEART(Canada/加)

#202 / LITTLE QUEEN / 1977

★★★★

Heart little queen

HEARTといえば、特に思い出深いのは“Magic Man” と“Barracuda(全米11位)”なんですね。バラクーダと聞くと”日本全国酒飲み音頭”も思い出されますが(笑)。ところがこの2曲はそれぞれ別のアルバムに収められておりまして、どちらのアルバムをイチオシにしようか少々悩みましたが、やはり”Barracuda”のPVが印象深く懐かしかったりするからね、ハードロック度の高さも手伝ってこの2ndにしてみたよ。今作よりギター&キーボーのハワード・リースとドラマーのマイケル・デロージャーが正式に加わって6人体制になっております。大雑把に括ればHR寄りのフォークロックでしょうが…ジャケはどう考えてもジプシーをイメージしてるよね。マンドリンが導入されたりして、ロックしていない曲(フォークとも違う)が半分くらいあるかな。実はオープニングの”Barracuda”だけが異色だったりするわけね。コンセプトがジプシー音楽(スペインとか東ヨーロッパとかロシアの民謡と結びついた独特の舞踏音楽らしいです。移動生活だから色んな地域の音楽とコラボしてるわけね)なのでしょう。まあ音楽性はともかく、アン・ウイルソン(Vo姉)のパワフル・ヴォイスは素晴らしい。歳を重ねるごとに少しずつ声質が変化するのですが、この時代は後々と比べるとさすがにクリア。この時期のアンの歌唱に対して、以前師匠が「フィンガー5のアキラに似てる」と言っていたのが記憶に残っており、未だにそう聴こえてしまう場面が多々あります。まあ確かに似ている。



#614 / DREAMBOAT ANNIE / 1976

★★★★

Heart dreamboat annie (320x320)

代表曲“Magic Man(全米9位)”で始まる長寿バンドのデビュー・アルバムです。あとは”Crazy on You”が35位。寄る年波には勝てないけど美人姉妹ってのもウリの一つだったね。妹は文句なし!姉もまた趣が異なるエキゾチック美人でしたな。最初から聴いてる身としては、やはりHEARTの魅力は緩急自在のフォークロックにあると思うわけ。混迷期においても個人的に印象深いアルバムがあるし、外部ライター起用で売れてからのアルバムもそれはそれでいいけどね。とにかく原点はここにあるわけです。こういう音楽性だとアンのポテンシャルが発揮しきれていない点がもどかしい。声が出てるうちにもっともっとハードロック寄りの凄いヤツを1枚作ってほしかったな~。ライブで大好きなツェッペリンのコピー演って溜飲を下げてるわけでしょ、いっそのことその路線で1枚作っちゃえば良かったのに。姉妹の他のメンバーは、ロジャー・フィッシャーとスティーヴ・フォッセン。



#744 / PRIVATE AUDITION / 1982

★★★★

Heart private audition (320x320)

今回のHEARTはこちらの6thアルバム。メンバーはロジャーが抜けて5人体制。早晩今作を紹介する人はほぼいないと思われますが、超個人的理由によりチョイスさせていただきました。アンの緩急自在のヴォーカルが炸裂する意外な名盤だと思うんだけどいかがでしょうか?と問いかけてみても、賛同する声が想像できない…まあそういう立ち位置のアルバムなのかね。推す理由は単純明快、この作品がリリースされた当時に“City’s Burning”と“Bright Light girl”と“The Situation”をエアチェックしたから特別な思い入れがあるって話ね。FMで新譜の代表曲を3~4曲オンエアする番組があってね、DJが渋谷陽一じゃなくても、アルバムの1曲目とかタイトル曲とか…アルバムを売るためにいい曲を選んでる意志を感じるオンエアだったのね。前出曲だって①HRリフが印象的なオープニングチューン②ファニーでポップな曲③しっとりしたバラードという具合に、おいしいところが選ばれていたりする。レコード会社とタイアップしてるから当然なのかな。だったらDJの選曲じゃなく、レコード会社の担当が選んでいるのかもしれない。これにはちょっとした弊害もあってね、こうした選抜曲を聴いてアルバムを買ってみたら「何だよ!他の曲は面白くねーじゃん。」ってことがあるのは今も昔も変わらないねってオチでいかかでしょう。



#852 / BEBE LE STRANGE / 1980

★★★★

Heart bebe  le strange (320x320)

デビュー以来、外部ライターと組んで大ヒットを飛ばすまではブレることなくゆっくり下降していった印象があったので、アルバムの売り上げを調べてみた。デビュー盤から順に、全米7位→9位→17位→17位→5位→25位→39位だそうです。ちなみにこの後に大ブレイク、1位→2位→3位と全盛期を迎えるのでありました。下降線を描いてはいるが印象より売れてましたね。やっぱアメリカでは人気があるんだな。。この5thも地味と言えば地味なのに全米5位なのか。読み方はベベ・ル・ストレンジです。高校の時ってことになるんだろうけど、バンド仲間ではない同級生のTがレコードを買って、それを借りたと記憶している。で、おそらく何度か聴いて…イマイチと評価を下したんだと思う。だから、タイトル曲やナンシーのインストは覚えているけれど他はほぼ記憶にない。しかしジャケでも確認できる通り、まだまだ美人姉妹じゃありませんか。ジャケ買いした人も少なくない気がしますな。アンのヴォーカルは安定の高品質、この作品でもどの作品でも、一線級ってのがハッキリわかります。LED ZEPPELINのフォーキーなところが好きだったりしたら、ゴージャスになる前のこの時期の作品の方がお気に召すかも。



#908 / MAGAZINE / 1978

★★★★

Heart magazine2 (320x320)

初期のHEARTはね、HRの塩梅の差はあれど、どれを聴いても概ねクオリティが平均しているわけで、なんとなく前作聴いてきた。今回は順当に3rdをご紹介いたします。とは言え…おそらく最初に聴くアルバムじゃないかな。万人にお勧めするには、全体的に大人しすぎるな。タイトルとジャケからしてそういうモノを目指して作られたのかもしれないけど。“Magazine”はいい曲だと思います。しかしながら、カバー曲“Without You”で一番の熱唱を披露しているあたりはどうかと思う。憂さ晴らしの選曲なのかな。アンの心中やいかに。本当はもっともっと思い切り歌いたいのではあるまいか?例えるなら、大排気量のアメ車が法定速度で走ってる感じです。それでも、メジャーになってからの作品群よりはやっぱり好きだな。妹のナンシーは元々小説家志望で、最初はバンド加入要請を断っていたそうです。だったら…この路線を突き詰めて本格的なコンセプトアルバムを作ってほしいという期待も。齢を重ねた今だからこそって気がするけど、どうでしょう?



#1027 / DOG AND BUTTERFLY / 1978

★★★★

Heart dog and butterfly (320x320)

メンバーが皆大好きな、トラッドフォークロック時代のLED ZEPPELINのような4thアルバムです。今回はちょっと洒落た仕様になっておりまして…A面がハードロック系のDOGサイド、B面がバラード系のBUTTERFLYサイドという…QUEENⅡのWHITEサイドとBLACKサイドみたいな構成。CD化によってこの仕掛けが微妙になってしまったのもQUEEN同様。しかもオープニングがライブという超変化球なんですね。やっぱ何だかんだ言ってもHEARTはこの時代がいいね。前作「MAGAZINE」の幻想的な部分はしっかりとバタフライサイドに引き継がれている。残念ながら、素敵なトーンでカッコいいプレイをキメてるリードギタリストのロジャー・フィッシャーが今作を最後に脱退してしまいます。どうやらナンシーと別れたのが原因のようですが。ありがちなバンド内恋愛のもつれってやつね(笑) ちなみにナンシーの姉のアンはロジャーの兄(バンドのマネージャー)と付き合ってまして…同時期に破局したらしいっす。



#1181 / HEART / 1985

★★★★

Heart heart (320x320)

全米1位を獲得しメジャーバンドの仲間入りを果たした起死回生の8thアルバムです。アルバムタイトルをバンド名にするという決意表明…コレはありがち。ヘヴィメタ(ヘアメタル)流行の時代を反映したコスチュームに身を包んだメンバー写真はゴージャスでグッド。やっぱ美人姉妹は得ですな。外部にソングライティングを発注し、PVも山ほど流し、姉妹のヴィジュアルの良さ、曲の良さすべてが噛み合った結果でした。A面の充実が特に素晴らしいです。ヒット曲の連続攻撃だからPVを曲順に編集して見ることも可能だ。ウチにはビデオテープしかないからやらないけどね(笑) “If Looks Could Kill”が54位、なんとグレース・スリックがコーラスで参加した“What About Love”が10位、“Never”が4位、そしてナンシーがリードヴォーカルを務める“These Dreams”が1位となっております。あとはOLIVIA NEWTON-JOHNにも似合いそうな“Nothin’ at All”が10位を獲得。それにしても職業作曲家というのはやっぱり凄いね。チャート入りしたシングルはすべて外注作品だもの。昔からのファンからしてみるとハード路線から遠のいた感がありますが、そこはウイルソン姉妹作のその他5曲によってしっかりバランスがとられてる。特にA面ラストの“The Wolf”とオーラスの“Shell Shock”は持ち前のロックスピリッツで溜飲を下げてくれますな。アンのヴォーカルはやっぱり凄い。



#1968 / BAD ANIMALS / 1987

★★★★

Heart bad animals

全盛期3部作の第2弾も前作同様、ロン・ネヴィソンがプロデュース、外部のソングライターを起用して…2匹目のドジョウを見事にゲットした9thアルバム。同じ方式で前作が全米1位だからね、職業作曲家たちに多額の報酬を持ってかれるとしても、もう引くに引けませんわな。一度昇りつめたらコケるわけにはいかない。現状維持じゃ実質縮小になってしまうから、動き続けるためには拡大再生産しかない。全米は2位だったけど全英が7位に躍進したんだってさ。MTVでよく流れてたもんね。シングルカット曲が集中する旧A面はさすがのクオリティなんだけれど、前作よりもワンランク下の出来ではあるまいか。”Alone”が1位、”Who Will You Run to”(ダイアン・ウォーレン)が7位、”There’s the Girl”が12位、”I Want You So Bad”(リサ・ダルベロ)が49位だそうですが。タイトルチューン(これは純粋にHEARTの曲)はアンの熱唱が聴けるから個人的には好き。声も少しずつハスキー度を増して次作がピークだと思ってますけど。マーティー・フリードマン風に言うなら、日和った曲ばかりではないってところがいいよね。あくまでも新しい感覚を取り入れたという考え。鳥獣戯画的ジャケも神秘的で良いですな。



#2158 / BRIGADE / 1990

★★★★

Heart brigade

ロックスピリッツが蘇った10thアルバムです。アルバムタイトルの「BRIGADE/旅団」からは、「LITTLE QUEEN」のジャケ(ジプシー)が想起され、原点回帰という意味が込められている気がします。往年のファンからすると、有難いことに売れ線ではないのですが、前作、前々作の勢いそのまま、今作も売れてしまいました。全米全英ともに3位を獲得。シングルカットは4曲(すべて外部ライターの曲)で、”All I Wanna Do Is Make Love to You”が全米2位、”I didn’t Want to Need You”(曲提供はダイアン・ウォーレン)が23位、”Stranded”が13位、”Secret”が64位という結果。売れたことでツアーが増え、ライブで歌い込んで獲得した声の歪みが素晴らしく、アン・ウィルソンの喉のピークを迎えたアルバムだと感じます。売れ筋から距離を置いたことで、前2作と比べると少々地味かもしれませんが、これが本来の持ち味であり、実にHEARTらしい作品だと思います。ギターも幾分か大きめに聴こえるかも。かくして第二のピークは過ぎされど、おそらく莫大な富を得たわけだから、これからは好きなロックを演っていけばいい。



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