HAREM SCAREM
HAREM SCAREM(Canada/加)
#343 / MOOD SWINGS / 1993
★★★★★
メロディックロックにして激しくドライブするギターが心地よいイチオシ2ndアルバムです。ピート・レスペランスのギターがね、ソロよりもむしろバッキングなんだけども、久々にカッコいいと思いました。この手の音楽にあってギターが前面に出ているのが久々の感覚で、オープニングの”Saviours Never Cry”のイントロだけで引き込まれてしまったよ。イントロのみならず曲も期待通りの展開。VAN HARENのデビュー・アルバムとまでは言いませんが、WHITE LIONの「PRIDE」なんかを聴いた時の衝撃に近かった。あとは”Change Comes Around”、”Had Enough”あたりがお気に入りです。このバンドは今作きっかけで結構な枚数聴いてきたけれど、概ねハズレは無いもののコレを超えることはなかったね。次作はダークな雰囲気(モダン・ヘヴィネスが流行っていたため)で概ね不評、元に戻しても楽曲重視(決して悪い事じゃございませんが)でギターが大人しくなってしまった。同じことはやりたくないとか何とか、ありがちな理由もあったみたいだけれど、何より売れたかったのでしょう。でもね、スピードメタル・バンド出身のハリー・ヘスの声質が籠り気味のハスキー系なので、実はこの手の音楽に合っていないと思われ、好みが分かれるポイントかも知れない。音楽とは直接関係ありませんが、短髪のメンバー写真を見てガッカリした記憶があります。HM/HRはとりあえずロン毛でしょうが!
#1936 / LIVE IN JAPAN / 1996
★★★★
ファースト・ライブ・アルバムは95年の川崎・クラブチッタの音源だよ。ピート・レスペランスのギターを筆頭に、スタジオ盤と比較しても遜色のない再現度に驚くライブ・アルバムです。だったらスタジオ盤を聴けばいいじゃんと言われたら身も蓋もないのだが(笑) 再現度が劣ると感じたのはコーラスワークくらいかな。これだって音量さえ上げれば解決しそうなレベル。高音パートは誰が担当しているのか知りませんが、ハリー・ヘスのメインに対して音がちょっと小さかったね。個人的には「MOOD SWINGS」からの選曲がメインなので楽しく聴けました。やはり名盤だなと思うし、ピートの凝ったバッキングも再確認できる1枚。時期が時期だけに直近スタジオ作の「VOICE OF REASON」からも選曲されており、さすがにちょいとばかりテンションが下がるものの、結果的には「MOOD…」の楽曲が際立ったから良しとする。後のライブ作品よりやっぱりコレが好き。
#2274 / VOICE OF REASON / 1995
★★★★
モダン・ヘヴィネスを意識したと思われる重く暗めのサウンドにより、日本ではメロディ重視派が食いつかず不発に終わった3rdアルバムです。日本デビューは2nd「MOOD SWINGS」で、これは誰が聴いても文句のない、ハードにしてメロディアスな素晴らしい作品でした。遅れてリリースされたデビューアルバムは、2nd以上にメロディ満載のアルバムということで、そこからいきなり今作を聴かされたら確かにガッカリするでしょうね。もし1→2→3と制作された順に聴いたなら、そこまでのギャップを感じずに済んだかもしれない。個人的には多数派と思われる2→1→3ですが、ハードさが足りない1stより3rdの方が魅力的だったけどね。まあ好みの問題だから様々な意見があって当然だ。今作では”Blue”と”Warming a Frozen Rose”がお気に入り。ピート・レスペランスのギター、コーラスワーク、楽曲のアレンジ等やっぱ魅力はあるよね。全体的に似通ったミッドテンポで、マイナーコードってのが良くなかった。前出曲が2ndに収録されていたなら、曲の魅力が更に際立っていたに違いない。次作「BELIEVE」ではあっさり元の路線に戻る(更にその後はパワーポップ路線)ので、振り返ってみれば貴重な作品だと思いますが。