Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

GENESIS

GENESIS(UK/英)

#98 / FOXTROT / 1972

★★★★★

Genesis foxtrot (320x320)

69年にデビューアルバム「創世記」をリリースしているプログレ5大バンドのひとつジェネシスです。69年といえばプログレ元年、「クリムゾン・キングの宮殿」がリリースされた年ですね。サイケロックが、アートロックやハードロックに分かれていった、わくわくが止まらない時代!ジェネシスの1stはフォーク系のビージーズ寄りだったらしい(という評判なので未聴。総じて曲も短め)ですが、2ndでは同時代のプログレバンドに急接近、というか本来はそういうのが演りたかったはずで、長尺曲が増え、それに比例して曲構成も複雑になります。個人的にはこのバンドの旬は短かった。いや、実は多くのバンドがそうだったりしますが、プログレ5大バンドとなれば通過しないわけにはいかないでしょ。さて、そんな中でのイチオシがこの4thです。これからジェネシスを聴いてみたいという人はまず本作からだね。5大バンドに括られたのはこの作品があってこそだと思う。全盛期のメンバーは、ピーター・ガブリエル、スティーブ・ハケット、トニー・バンクス、マイク・ラザフォード、フィル・コリンズの5名。収録曲は全6曲。オープニング曲の”Watcher of the Skies”(7分半)、中盤の”Get’em Out by Friday”(8分半)、トリの”Supper’s Ready”(23分超)と聴きどころ満載。導入部のメロトロン(KING CRIMSONに譲ってもらったらしい)から期待感が高まります。前作も大きく飛躍を遂げたアルバムでしたが、今作はメジャー感も加わり更にスケールアップしています。基本的に好きなタイプのシンガーではないけれど、やっぱピーガブ時代が我々世代のジェネシスなんですね。フィル・コリンズ時代は似て非なるもの。ちなみに「フォックストロット」とは社交ダンスの一種です。語源の「フォックス」は人名(「トロット」は小走り)らしいのですが…ジャケに描かれているのはダンスの衣装を身にまとった狐(fox)というモンティパイソン流英国ユーモア、洒落てるね。細部まで観察すれば、更なるユーモアが潜んでいるのかもしれません。この印象的なジャケも含めてジェネシスの代表作ということで。



#380 / NURSERY CRYME / 1971

★★★★

Genesis nursery cryme (319x320)

スティーブ・ハケットとフィル・コリンズが参加して、所謂ジェネシス臭(いい意味で)が漂い始めた2ndアルバム。前作も素敵なプログレ作品ではあったものの、個性はあまり感じられませんでした。ハケット効果ってことになるのかな。音楽の肝はトニー・バンクスだと思ってるから、相乗効果何だろうけど。アンソニー・フィリップスよりハケットとの相性の方が良かったんだろうね。「怪奇骨董音楽箱」というとんでもない邦題の3rdアルバムです。「Nersery Rhyme」という童謡を捩ったタイトルとジャケ(少女が子供たちの頭でクリケット)から捻り出したのか。凄いな。オープニング曲の大作”The Musical Box(邦題:怪奇のオルゴール)”からもインスピレーションを与えられたているのかも。今回は全7曲。10分半の1曲目の他、8分強の”The Return of the Giant Hogweed”と、エンディングを飾る8分弱の”The Fountain of Salmacis”がハイライト。プログレバンドとしての地位を確立したアルバムといえる作品で、次の「FOXTROT」でピークを迎えるわけですね。ピーガブが辞めてコリンズがしゃしゃり出てくるまでは聴いてほしいです。



#565 / TRESPASS / 1970

★★★★

Genesis trespass (320x312)

スティーブ・ハケットとフィル・コリンズが合流する前の前の2ndアルバム「侵入」です。
ギターはアンソニー・フィリップスだよ。良くも悪くも、ジェネシス臭(ピーガブ臭)が希薄なプログレ作品。音だけ聴かされたらジェネシスだと気付く人は少ないんじゃないかな。前作からのフォーキーな趣を残した、いかにも70年というこのプログレは、かなりイケてると思います。プログレの夜明けぜよ!第一目標は前作の憂さ晴らしでしょ(笑) 俺たちはこういうのが演りたかったんだって宣言だな。ピーガブの演劇路線はひとまず封印されてるから特有のクセがなく、ピーガブが苦手な人にもお勧めできるアルバムです。次作から徐々にシアトリカル風味が増していくので、貴重な作品でもある。個人的にピーガブのジェネシスは「2nd」「3rdと4th」「5thと6th」の3期に分けて考えてます。4thと5thの間に「Live」が挟まるんだけど、繋ぎ目的のリリースだったらしく2枚組にならなかったのが残念。ピーガブ時代の発掘音源を追加して「完全盤」みたいなの形でリリースしてほしいな。



#668 / SELLING ENGLAND BY THE POUND / 1973

★★★★

Genesis selling England by the pound (319x320)

素敵なジャケ(収録曲”I Know What I Like”の世界観を描いた「The Dream」という作品とのこと)どおりの美しいメロディ満載の5thアルバム「月影の騎士」です。アルバムタイトルは1曲目”月影の騎士”の歌詞の一節より。最高傑作「FOXTROT」の次のアルバムってことになりますが…これまたもう一つの最高傑作と呼べる作品になりました。音質の更なる向上もあり、プログレ度は後退した(分かりにくくなった))けど確実にメジャー感は増したね。前作とメンバーは変わってないのに一皮剥けた気がする。美しいメロの筆頭は3曲目の”Firth of Fifth”でしょう。今回の10分超の大作は”エピング森の戦い”と”ザ・シネマ・ショウ”だ。前作が売れたせいもあるだろうけど、次のアルバムを最後にピーガブが脱退することに関係ありそうだね。主導権が違う人の手に渡ったってことなのでは!? 察しの通りピーガブからバンクス&ハケットに。コリンズがリード・ヴォーカルの曲もあるし。どうやらピーガブも、演奏陣のスペックの向上に追いついていけない自身の限界を感じていたらしい。シンガーというよりパフォーマーだから、シアトリカル要素が後退すると辛いよね~。こんな事実を知るとピーガブが愛おしくなるな。そしてピーガブは次の作品を最後にしようと決意するのでした。



#802 / THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY / 1974

★★★★

Genesis the lamb lies down on broadway (320x320)

ピーター・ガブリエルのジェネシスに於ける最後の作品は、壮大な2枚組アルバムとなりました。通算6作目。主人公の少年の精神世界旅行がコンセプトで、道中様々な生物に出会うとかなんとか。ピーガブ渾身のオリジナルストーリーなんだね。ヒプノシスのジャケなど諸々トータルすれば、ある意味プログレ度は高いのかも。他のメンバーを説き伏せてシアトリカル路線を復活させたのは良かった。ちょっと長いけどね、ピーガブの集大成となれば我慢もできるというもの(笑) どの時点で脱退を決意したのか気になるところではありますが、今作で他のメンバーとの確執は決定的になりました。ピーガブ最後の花道。まあ色々あるけれど…”The Carpet Crawlers”を聴いてくださいな。これは秀逸。ここにきて新技を会得すとは。この抑えた感じのヴォーカルスタイルはとても新鮮。コレを駆使すればもうちょっとジェネシスで続けられた気がするけどね。ブライアン・イーノがヴォーカル・エフェクトで参加してます。ピーガブGENESISはこれにて終焉を迎えるわけですが、プログレを分類するうえで必要な存在(シアトリカル系とか後のポンプロックを語る時など)と成りえたのはピーガブ時代があったればこそ。ただ「プログレ五大バンド」という括りには未だに納得が…確かに5種類目ではあると思うが…



#1102 / A TRICK OF THE TAIL / 1976

★★★★

Genesis a trick of the tail 2

ピーター・ガブリエル脱退後の7thアルバムです。フィル・コリンズがヴォーカルを兼任することになるんだけどね、申し訳ないけど嫌いだわ~(笑) シアトリカルなヴォーカル・スタイルのガブちゃんの方がマシだったね。声質が似てるっちゃあ似てるけど、コリンズの歌に魅力は感じられません。個人的な好みの問題ね。アメリカナイズとは言わないまでも曲は洗練されてアダルトな雰囲気になって所謂プログレからは遠ざかったね。時折スリリングでそれっぽい展開もあるだけに歯痒い。アグレッシブな部分もあり、76年の作品だけど後のNEO プログレの香りが漂ってます。そういう意味では革新的かもしれない。“Dance on a Volcano”や“Robbery, Assault and Battery”とラストのインスト“Los Endos”あたりがいいっす。ジャケはヒプノシスだよ。



#1800 / GENESIS LIVE / 1973

★★★★

Genesis live

一般的には77年の「眩惑のスーパー・ライヴ」の方を推すべきかと思われますが、個人的にはこちらのファースト実況録音盤を推薦させていただきたいと。ピーター・ガブリエルは好きではないけれど、要は収録曲なんですね。ピーガブが抜けた後のジェネシスにはほぼ魅力を感じていないので問題外。やがてプログレでもなくなってしまうわけだし。バンド初期いわゆるシアトリカル期は映像を見ないと気にならないから(文化祭レベルのジャケ写w)、音だけ聴いてるぶんには、ピーガブ時代は確かにプログレだったかなと思う。好き嫌いにかかわらず、その個性的なパフォーマンスが、ジェネシスをプログレ5大バンドに滑り込ませたって事実もあるしね。生々しい音に時代を感じられるところが最大の魅力。2枚組のヴォリュームでもいいくらい、むしろ食い足りない。「FOXTROT」リリースの翌年ゆえ”Supper’s Ready”が収録されなかったのが残念だな。長編インストだから覚えてる途中だったか(笑) これは次の「眩惑の…」で堪能しましょ。ハケットのギターやバンクスのハモンドを抜きにしてジェネシスは語れず、ピーガブのフルートやタンバリンも欠くことのできないアイテムでした。



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