ELTON JOHN
ELTON JOHN(UK/英)
#255 / ELTON JOHN'S GREATEST HITS / 1974
★★★★★
第1位ビートルズ、第2位マイケル・ジャクソン、第3位エルヴィス・プレスリー、そして第4位がエルトン・ジョン。これは「史上最も売れたアーティスト」の順位で、エルトン・ジョンの売上総数は2億5千万枚以上とされています。そんな、知らない人でも知っている?シンガーソングライターの初ベスト盤でございます。プリンセス・ダイアナ追悼の“Candle in the Wind/風の中の火のように”(リメイク)でも注目を浴びていたから、幅広い世代に知られているでしょう。テレビCMで使われてる曲も多いしね。”Your Song/僕の歌は君の歌”(全英7位/全米8位)や“Goodbye Yellow Brick Road/黄昏のレンガ路”(全英6位/全米2位)は絶対聴き覚えがあると思う。どちらも文句なしの名曲です。”Crocodile Rock”(全英5位/全米1位)は個人的にはライブバージョンの方が断然思い入れがあります。で結局いちばん想い出に残ってるのは、76年にKIKI DEEと共演した”Don’t Go Breaking My Heart/恋のデュエット”(全英1位/全米1位)なんだけどね。今作収録曲だと”Bennie and the Jets”も全米1位曲です。個人的にはピアノロック的な作品より、バラード系に惹かれるわけですが、今作収録の10曲ではさすがに足りない。しかも一番の想い出”恋のデュエット”は76年のシングル曲で、オリジナルアルバムには収録されていないのね。当然74年リリースの今作にも入ってない。ところが96年に、日本編集増補盤(サブタイトル「YOUR SONG」)というのが出まして、この曲を含む5曲が追加収録されました。当然買ったよね。めでたしめでたし。
#425 / HERE AND THERE / 1976
★★★★★
“Crocodile Rock/クロコダイル・ロック”だけのために買ったアルバムです。例のSONY C120(棺桶に入れてもらおうと思ってるほど想い出の詰まったカセットテープ)に録音されている1曲なんですね。それがスタジオバージョンではなくライブバージョンだったわけよ。理由は単純で、今作がリリースされた76年当時にエアチェックした音源だから。エルトン・ジョンにとって2枚目のライブ作品で、全米4位、全英6位の大ヒットとなりました。当時のアナログ盤だと9曲しか入ってなかったようですが、95年のCDリマスター盤(買ったやつ)では2枚組25曲のボリュームになりました。曲被もあるけどね、”スカイライン・ピジョン”、”ベニーとジェッツ”、”ダニエル”、”僕の歌は君の歌”、”土曜の夜は僕の生きがい”などが収録され、この時期までのベスト盤としても機能しそう。Disk1がロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、Disk2がニューヨークのマジソン・スクェア・ガーデンでのライブ。だから「Here and There」。追加音源が凄いのよ。NYのライブにジョン・レノンがゲスト参加してます。まず、レノンの曲“真夜中を突っ走れ”にエルトンがピアノとヴォーカルで参加。1位を獲った礼として出演したのがこのライブという経緯です。そもそも1位なんか獲れるはずがないと冗談で交わした約束だったそうですよ。更に今度はエルトン・ジョンのレコーディングにもゲスト参加。楽曲は御存知“Lucy in the Sky with Diamonds”でした。で、コレがまた1位を獲得しちゃったと。以上2曲に加え“I Saw Her Standing There”も演ってます。
#990 / GOODBYE YELLOW BRICK ROAD / 1973
★★★★★
傑作の呼び声が高い7thアルバム「黄昏のレンガ路」です。アナログ2枚組の大作なんだよ。個人的には郷愁を感じてしまうタイトル曲が大好きですね。初めて耳にしたときはエルトン・ジョンの曲だってことは知りませんでした。CMでも使われてましたね。芸能界の出世街道との決別を歌ってるのかと思いきや、本来は「オズの魔法使い」に出てくるそのまんま「黄色いレンガの道」だそうですが…美しい曲調から、黄昏の夕陽に染まるレンガ道と勘違いしてしまうのも致し方ないと思います。“風の中の火のように”はマリリン・モンローに捧げたもの。後にダイアナ妃追悼ヴァージョンとして改作されてもう一度有名になったね。ライブの定番曲”土曜の夜は僕の生きがい”もこのアルバムに入ってます。あとは”ベニー&ジェッツ”がシングルカットされてます。コレはコレで、白人としては初めてR&Bチャートの1位になってしまったそうです。全体的な印象もバラエティに富んでいていいですね。アイデアが溢れ続けた結果としての2枚組にも納得できますが…アナログA面+B-1まではパーフェクトなだけに1枚分に纏めたれていたら、個人的にはWINGSの「VENUS AND MARS」に匹敵するものになったと思うんだよね。惜しいな~。コンセプトアルバムではなさそうですが、ジャケも曲の配列も9thアルバム「キャプテン・ファンタスティック」の雛形はここにあるような気がするな。76年に大ヒットした”恋のデュエット”のお相手、キキ・ディーがバッキングヴォーカルで参加してます。
#1291 / CAPTAIN FANTASTIC AND THE BROWN DIRT COWBOY / 1975
★★★★
コンセプトアルバムと聞けばそれだけで勝手に期待が膨らんでしまうよね。おまけに全米チャートで初登場1位になった史上初のアルバムって事実も期待に拍車をかけるってもんだ。エルトン・ジョンの作品はベストアルバムで事足りると思ってるクチだから、オリジナルアルバムは特に思い入れのある数枚しか手を出してないのだが、某プログレ本で紹介されてこともあり聴いてみました。タイトルのキャプテン・ファンタスティックとブラウン・ダート・カウボーイってのはエルトン本人とバーニー・タウピン(作詞家)だそうで、そのコンビが売れるまでの自伝的寓話であるらしい。しかし、勝手に想像したプログレ的手法によるコンセプトアルバムではなかった。歌詞を聴かないと掘り下げられない系だね。敢えてそうしたのか際立った曲が無いのも特徴かな。そんな中“僕を救ったプリマドンナ”はエルトン印のクオリティだと思う。
#1644 / DON'T SHOOT ME I'M ONLY THE PIANO PLAYER / 1973
★★★★
大英帝国の大御所6枚目のスタジオアルバム「ピアニストを撃つな!」です。今作にて初めて全英、全米を制覇しました。次作「黄昏のレンガ路 / Goodbye Yellow Brick Road」も世界制覇盤なので、セールス的にはこの頃が全盛期ということになります。タイトル及びジャケは、映画「ピアニストを撃て(フランソワ・トリュフォー監督、シャルル・アズナブール主演)」からアイデアを頂いたらしいです。個人的には、数多の歴代ヒット曲の中で一番の想い出“クロコダイル・ロック”を収録した1枚であると。ところが記憶に擦り込まれているのはライブ・ヴァージョンであり、スタジオ・テイクはどうもしっくりこない。テンポも遅いからノリがイマイチに聴こえてしまうね。それでもシングルは北米で1位を獲得。シングルカットされたもう1曲“ダニエル”もカナダで1位、全米2位でした。この頃のアルバムはおそらくどれを聴いてもエルトン節が炸裂していると思われ、好きなシングル曲を含むものをチョイスすればいいのではないでしょうか。個人的には71年の“フレンズ”から76年の“恋のデュエット”までが思い出深いのです。