EBONY TEARS
EBONY TEARS(Sweden/瑞典)
#1890 / TORTURA INSOMNIAE / 1997
★★★★
ほぼほぼメロデスが出揃った時期に、絶妙な立ち位置で登場したバンドのデビューアルバム「眠れぬ夜の物語」です。1枚しか聴いてませんが、諸先輩方同様にメロデスと呼べるのは今作だけのようです。基本形は初期IN FLAMES路線でしょうか。そこにトラッド・フォーク調のメロが載りまして、ヴィオラや女声や普通声を織り交ぜ、動と静のコントラストが特徴的なメロデス作品でございます。巷間マイナスポイントとされる音質の軽さは昔のスラッシュメタルを想起させ、我々世代にはむしろノスタルジーを与えてくれるから問題なし。アルバム全体としてはメロデス時々ゴス(ではないが)という趣でしょうか。叙情メロはヴァイオリンが、ゴス要素は女声ヴォーカルがそれぞれ担っている。このバンドもチルボドほどではないにしろ、メロデスとヘビメタの境界線を自由に動き回っており、デス声以外はそれほどデスメタルという気がしないね。よって厳密にはメロデスの括りではないのかもしれない。後発組ならではの音楽ですな。